いのり

サイズ A3

2001.11.15

写真/構成:say-umi 書:母

<解説>

 母との合作、「いのり」は小学校の作品展にて出展させてもらいました。写真は1990年の夏に中東で撮影したものです。上の写真のうちのいくつかは、以前雑誌等にてすでに発表したものです。

 1990年の夏、イラクがクウェートに侵攻し、それをきっかけに翌年、湾岸戦争が始まりました。中東にとって、とても意味のある年でした。今も、そしていつであっても、中東にとってはすべての時が意味のある時です。歴史は動いている。それを実感します。時代の中に生まれた自分を実感します。

 トルコのモスクの片隅にて長い時を祈りに充てていた青年は今、何を考え、どんな生活を送っているのでしょう。シリアの砂漠で、母の腕に、父の腕に全存在を預けていた遊牧の赤ん坊は、どんな少年に成長し、何を考えているのでしょう。モスクの入り口で、数珠を売っていた老人は、今日も同じモスクの前で店を広げているのでしょうか。市場でたまねぎに埋もれていた女性は、今朝何を祈ったでしょう。いのりは、生活にあります。いのりは、人々の生活にあります。世界を前に、ちっぽけなことに見える日々の生活。それこそが、大切ないのり。

 すべての人が、ささやかな、とても大切なことだけを大切にいのっていさえすれば、それでいい。

 私は、母と共に、小さな小さな、歴史の中ではとるに足りない、でもとてもとても大切なことを真剣にいのっています。

できること