半年ぶりに電話したら、その日に彼女は癌で亡くなっていた。
昨日は通夜だった。
彼女はきっと解き放たれた蝶のように、幸せに満ちて逝った。
そう感じる。

彼女は私に何かを伝えてくれているはず。

昨日、気功の先生に「高校生の頃の夢で、近い将来の自分を見たこと」について
聞いてみようと思った。
本当は自分自身でわかるまで聞くのをやめておこうと
思っていたのだけれどふとした拍子に聞いてしまった。

いつも穏やかでにこやかな先生が剣幕かえて私の質問を遮った。
私は聞きたくない。聞かない。
…と。そして矢継ぎ早に言った。

亡くなった彼女と私は、同じ部分がある。
妖精の部分がある。
だから修行しなくても電磁波の世界である、オーラ、宇宙パワー、
宇宙の音が見えたり聞こえたりする。
絶対的な優しさと愛をもってやわらかく暖かい。

一方で致命的な弱点がある。生命力のなさ。
物質界に腰を据える生命力がすごく弱い。
ふわふわと昇っていってしまいそうだと。

修行しなさい。
瞑想しなさい。
生命力を強くしなさい。
この世界は悲しいことばかりじゃないよ。楽しいこともっとたくさんあるよ。
急ぐことないよ。
見守っているから、ちゃんと修行しなさい。

先生は、まるで私が死にたいと思ってでもいるかの言い方だった。
私は死ぬ気はないのに変だな、とその時は思っていたのだけれど、
冷静に考えると私は死を楽しみにしているのかもしれないと気付き凍りついた。
私の魂は、死を心待ちにしている。

なぜ?

このところ、回転が早くなっているって、この前書いた。
何かに近づいているって。
その何かが、死かもしれないっていう思いが拭えなくなってしまった。

死。

何かワクワクする気持だったから、
それが「死」だとは、内心気付きつつも違うと否定していた。

でも、彼女の死と、先生の話を聞いて
自分の魂の声に耳をすますと、やっぱりそれは
「死」なんだ。

なぜ、生きる執着心がないのか。
泣きたい思いだよ。子ども達、夫、家族、友達、お日様、木々、虫たち、
この地球。とてもとても愛しているのに、
なぜしがみつかないのか。
とても満ち足りて幸せだから?

なぜ、妖精ではなしに人間に生まれたのか?
一緒にいた友人がそうきいたら、先生は
その存在を知らせるためだよって。

それじゃ、私がその使命を果たしたら死ぬのかしら。
このところ、回転が速まっていて、それは、今までの人生の精算のように思えることばかりなんだ。
私の33年間生きてきた中で気にかけていたことが、つぎつぎと解決していってしまう。
ありとあらゆる偶然が、必然としてあらわれる。
私の高校生の時の夢、吉祥寺の駅から始まる夢が、現実のものとなったら
それこそ、使命を果たしてしまう。予知夢は存在する、みたいにね。
私は死をもって使命を果たすの?

でも、私は予言は当たらない。未来は変えることができると、信じている。
信じたい。
20年ほど前のあのときの夢で、狭い部屋で机にむかっていた、
私が必死に呼びかけた人、

あの時のように必死に呼びかけたい気分です。

怖いよ。

(1999.7.12)

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