宇宙を舞台とするゲームというと、大型ロボットやら大戦艦の大出力ビームなどが交錯する華々しい展開を大期待できるカテゴリーであるが、
この「WARNING」にそれらを期待することは、かなり無理がある。
なので、それらを大期待し過ぎてプレイし始めてしまったがために、このゲームの序盤の究極なまでの地道な努力に我慢できなくなって、
総員退艦してしまったヤツも星の数いることだろう。
そもそも、このゲームのストーリーを話すと、舞台はプシェード星系というどこかの銀河の辺境星系で、ここで主人公は惑星間の貿易商人となり、
行方不明になっている兄「ビリー」を捜す、といった内容になる。
当然、兄捜索に必要な資金は貿易で稼ぎ出すことになるのだが、これが総員退艦のメイン理由となってしまいガチなのだ。
まず、主人公は”貿易商人(トレーダー)”という職業柄、乗艦する船は、クラッシャージョウが駆る「ミネルバ」や波動砲を搭載する「ヤマト」のような超武装艦ではなく、
申し訳程度の武装を施した単なる「輸送船」であるため、当然戦闘には向いてない。
そのため、貿易中に遭遇する海賊類の敵に対しては異様に不利な戦いを強いられることとなり、かなりの被害は回避できない。
その上、辛くも戦闘に勝利したとしても、基本的に敵からゲットできる金やアイテムはない。つまり、被害を受けた分だけの支出が残るだけの不毛な戦いなのだ。
これだけでも、充分にやる気を半減させられる要素が満載であるのは理解できると思うが、更に追い討ちをかける事実として、
唯一の資金源となる貿易稼業の序盤の儲けが非常に僅かであることがあげられる。
つまり、戦闘で消耗して金がかかるわ、儲けは少ないわで、あっという間に資金不足に陥って、事実上のゲームオーバーに容易に到達してしまうのだ。
で、疑問なのは、なんでこのゲームが面白いのか?ということだ。
それは、当然!!、この逆境をいかに克服するか、に集約されるだろう。(マゾゲーか?)
「どうすりゃ、貿易でガッポガッポとカネが儲かるンだヨ!!」とか、
「どうすりゃ、被害を少なく海賊をブッ飛ばせるンだヨ!!」とか、
非常にシンプルだが、容易に解決できない問題点を解明・克服していく過程は一種の快感でもある。
また、宇宙の灯台バラン星とか、七色星団とかが必ず航行ルートにあるワケぢゃないので、
「どこに惑星が浮いてンだヨ!!」
なんていう素朴な疑問も発生するが、輸送船の少ない燃料の狭い航行範囲で宇宙空間をチマチマとマッピングすることでジワジワと解明されてくるので、
間宮林蔵のマニアックな気持ちも充分に満喫できるハズだ。