ゲームバンクの正統派RPG大逆鱗シリーズの第二作。9つの逆鱗のジュエルを取り戻すべく、主人公が深い迷宮に挑み、
ひたすら敵を倒しまくる、といったRPGフリークにはたまらない程の反復作業が楽しめる作品だ。
開発元は日本アプリケーションであり、当然プロデュースはパソゲー界では伝説の人である、
あの木屋善夫氏である。
ドラゴンスレイヤーシリーズである「ザナドゥ」や「Ys」、
「ソーサリアン」、「ロマンシア」といった名だたる名作を世に送り出した、
まさに神様的存在である方が作ったゲームであるからには、当然プレイしなければならない(RPG国民の義務)。
このゲームはさっきも言ったが、ただひたすら迷宮を突き進むのみ、といった非常にわかりやすい内容である。
一つの迷宮は99階あり、最終階にはボスがいる。ボスを倒せば次の迷宮へ。ただこれだけであるが、結構のめりこめる。
それには次の理由があげられるだろう。
迷宮の99階にいるラスボスを倒して街に戻ると、取り戻した逆鱗のジュエルの御加護で、荒廃していた街が復興するのだ。
具体的にいうと、街のそこかしこにある壊れた家が建て直されていくのだ。最初、露天で商売を営んでいた武器屋や道具屋が、
店を建て直し、買い物の際にはビジュアル画面が表示されるようになる。敵を倒した成果が、街の復興という形で表現されるのは、
やる気を生み出しますな。なお、家の建て直しは建築家ポムが一手に引き受けており、
当初は主人公が敵を倒してきてもバカにしていたが、主人公が次々と敵を倒していくうちに、心を入れ替え、無償で家を直していくようになる。
主人公の家も直してもらえるので、その後は自分の家でアイテム整理などの更に収集家心をくすぐるプレイも可能となる。
当然、全アイテムを自分の家の棚に並べることこそ、このゲームの真のエンディングと見出すことになる。ワードナーを倒さなくても、
ガーブ・オブ・ロードや村正を手に入れることが重要なことと同じだ。
操作方法、ゲーム進行など、至ってユーザーフレンドリーなインターフェイスであるので、非常に分かり易い。
ただ、注書きしたとおり、マニアでないと99階の迷宮の連続は、素人には精神的にオススメできない。飽きてしまうのがオチである。
ある程度成熟したRPGフリーク(中級者以上?)からのゲームだと言える。更に「今日の授業はまるでKATINOを聞いているようだった」
あるいは「TILTOWAITなギャグだったよな」などという会話が理解できる人種には最適のゲームとも言える。
更に更に、キーボードでもプレイできるのが、古参の者どもにとっては非常に嬉しい。
華麗なキーボードさばきで敵を巧みにかわしてのプレイは、現代人には真似できない職人芸だ。
「ザナドゥ」の二段ジャンプのテクを披露したいヤツ向けだ。