サスケ 
少年忍者アニメの名作 

 原作 白土三平
 制作 赤目プロ エイケン
 昭和43年9月〜昭和44年3月
 TBS系放送
 「秘術」対「秘術」、その勝負の行方と秘術の謎解きがこのアニメの魅力。
 
<時は元和元年 大阪夏の陣>
 豊臣方は敗れ、徳川家康による真田幸村の残党狩りによって母を失った少年忍者サスケ。「猿飛の術」を使う真田の忍者である父、大猿大助とともに流浪の旅を続けながら成長していく。さまざまな忍術の解説がナレーションで行われ、作品にリアリティを与えていた。「少年忍者風のフジ丸」、「忍風カムイ外伝」とともに、白土三平原作のアニメ三部作の一つ。忍者ものといえば他には「忍者ハットリくん」、「仮面の忍者赤影」のアニメ版があるくらいで、白土三平の独壇場といっていい。原作は昭和36年8月から昭和40年10月にかけて「少年」に連載された。


<どんな術があったかというと・・・>
 例えば炎がくれの術。赤い布と石綿を編み込んだ耐火布を用いて、赤い布が燃え尽きるまでに「熱いよ〜」とか叫んで、のたうち回るふりをしながら地面に穴を掘って隠れてしまい、敵には灰も残らず燃え尽きてしまったと思わせる。しかしサスケよ、石綿は発ガン性があるから体に良くないぞぉ。(笑)

 印象的だったのが「竜神」の巻。この話はある商人が翡翠(ヒスイ)を探し当て、それを守るために沼にピラニアを放流、誰も翡翠をとることができない。日本でピラニア?と思うだろうが、ちゃんと外国人から買ったそうだ。沼には温泉も湧いていて、熱帯のピラニアでも生息できるらしい。そのへんはさすがに白土三平、ぬかりない。
 そこで大猿は領主の前で「竜神の術」を見せる。これは皿に水を入れ、ロウソクを点したままコップでフタをすると中の酸素が無くなり、周りの空気に押されて水がコップの中に吸い上げられるというもの。この時代の忍者がコップを知っていたのだろうか?なんていう突っ込みはしてはいけない、大猿大助なかなかのインテリ。実際には完全に沼底に筒がめり込んで水を吸い上げられず、絶対に無理だろうが。(笑)この術を応用し、巨大な筒を作って沼の水を干上がらせて翡翠をとろうとする。見事に成功し翡翠に群がる領主達、そこで筒を壊して沼の水を逆流させ、翡翠欲しさに商人を殺した領主達は全滅する。

 この領主の用心棒だった男が「糸瓜狂之助」。何故か顔の長さが異常に長く、顎の先がお腹のあたりまである。鼻がやたら大きいとか、白土作品にはこの手の誇張顔が多い。めっぽう強くて、手裏剣は刀ではじき返され、剣の腕も互角、そこで大猿の使ったのが「風車手裏剣」、背中に背負うほどの大形手裏剣で刀もろとも一刀両断、豪快である。
 狂之助を倒したと思ったら弟の「斬死郎」が登場、今度はちょっと顔が短い。(爆)大猿父さん、忍者の用事でどっかに行ってしまい、一人で相手をしなければならなくなったサスケ、苦労の末に円弧を描いて飛ぶ手裏剣「円月剣」を使って倒す。鍛冶屋のように自分で鉄を溶かして武器を作るサスケ、偉いものだ。
 
<主題歌>
 何といってもオープニングのナレーション。
光あるところに影がある
まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった
命をかけて歴史をつくった影の男たち
だが人よ 名を問うなかれ
闇にうまれ 闇に消える 
それが忍者のさだめなのだ
サスケ お前を斬る!
 
これが始まると思わずワクワクして見入ってしまう。確か演奏に琵琶が使われていて、何人も忍者が出てくる。白土三平の画風を生かした時代劇らしい映像で、影で暗躍しながらも決して歴史には名を残さない、そんな忍者達のはかなさがよく出ていたように思う。
 
 サスケの声は「雷門ケン坊」、ちょっと鼻にかかった声が良かった。このアニメで人気が出て雑誌のインタビューで好きな食べ物はと聞かれて「マヨネーズをかけたご飯」とか答えていたけど、今は何をやっているのだろうか?
 
<イトコが4人、一人4つ身で合計20人の分身>
 サスケの母には双児の妹がいた。その妹の子供が4つ子でみんな同じ顔。で5人揃って分身の術を使う、これが主題歌にもある「影分身」の術で、影武者を使って分身の術の威力を更に増すというもの。この術を使って猟師にイタズラするが、猟師はキツネに化かされたと思い発砲、イトコの一人が死んでしまう。ところがこの猟師、実は大猿に父を殺され、その復讐に燃える九鬼一族の一人。こちらも同じ顔の男が次々に5人出てくるという、ちょっと安易な設定。

 5人を倒して安心したら、最後に「鬼姫」という少女が出てくる。これが可愛い顔してやることがえげつない。飲み水に毒を入れたり、サスケの可愛がっていた子犬の体内に爆薬を仕掛ける等々、怒ったサスケ、鬼姫を流砂におびき出して沈めてしまう。でも最後はちゃんと助けてやる。忍者のくせに甘いぞ、サスケ。(笑)
 
<白土忍法って・・・>
 実際は残念ながらほとんど作者の創作。本当に当時の忍術にあったのだと子供の頃は信じていたんだけどなあ。(笑)でも数々の秘術をもっともらしく?解説し、次はどんな技が出るのかと毎週わくわくして見ていた。「チャンバラごっこ」もとうの昔に死語となった今、日本特有の文化である忍術を扱ったアニメはこのまま消えていくのだろうか。
 
 
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