きふみ句会抄

今回、三椒が広島転勤となり、お別れ句会。
贈答句も詠んでいただき感謝、感謝。
次は、年末年始の忘年・新年句会となりそう。
第三十二回 きふみ「三椒」送別句会 二〇〇六・六・十三  於/銀杏

天 句敵に謝すことあまた含羞草   紀三井寺

地 幼子の拳骨の中天道虫        波路

  麦秋や二段積みして文庫本     ふた月

  冷奴お酒と揉めたことがない     六歩

   栄転の辞令賜り夏は来ぬ      団地

   夏服の胸の谷間のお辞儀かな    三椒

   水田の水玉模様雨蛙       けやき
   満水が映えて棚田の緑増す     金山

   網戸入れ六月の風入れにけり    べべ

   古里へとんぼ返りの夏祭り     六歩

   制服の丈のちぢまる更衣     ふた月

   青時雨卓と離れて椅子ひとつ  紀三井寺

   梅雨間近駅舎に人の疎らなる    団地

   梅雨の街利休鼠に染まりゆく    波路

   妻と子が話すわたしの更衣     三椒

   紫陽花を初めて詠みし俳句かな   べべ

   さわさわと青い風ゆく植田かな  けやき
 

席題「父の日」
   父の日の父夕食に間に合はず   ふた月

   父の日に飲み干すスープの温かさ  六歩

   父の日の蝶々結びを解きにけり   三椒

   父の日の過ぎてその日と気付きけり 紀三井寺

   父の日に墓前に供えるホットコーヒー けやき

   父の日やまだ現役の父なりき    波路

   いくたびも父の日を尋ねけり    団地

   いつまでも若いつもりの父の日や  べべ




きふみ会へ

Home