きふみ句会抄

ふた月さん、
あの鷹羽狩行主宰の「狩」の同人に推挙されました。
先月は伊勢神宮奉納の観月会の優秀句に選ばれ
観月会に招待されたとのこと。
おめでたいことがかさなりました。

今回は、ふた月さんのお祝いもかねての句会です。


第二九回 きふみ句会 二〇〇五・十・十四  於/喜千

天 秋蝉のプラグ抜きたるごとく止み 紀三井寺

  抱えたるニーチェの重み秋深し    団地

  こぼれ萩茶席へ曲がる緋毛氈     三椒

  綺羅星をこぼして雨の金木犀    ふた月

  秋の日のいよいよ暮れて薪能     波路

  秋空に飛びゆくかりのめでたさや  けやき

  銀行の建て替え工事秋の空      六歩

  紅葉を待ちわびて行くバスの旅    べべ

  山の端の月のいつしか海の上    ふた月

ふた月さん「狩」同人お祝句

  佳きことのうち重なりぬ菊日和 紀三井寺

  丹精の花を咲かせて秋高し     波路

  お祝いは伊勢神宮に満つる月    六歩

  名月は夫と俳句の月ふたつ     三椒

  羽ばたきてやがて大鵬月に雁    波路

  新米の光輝き炊きあがる     けやき

  障子貼りノラにはならず句を詠みて べべ

席題「手袋」

  手袋のなまじ片方ある未練   紀三井寺

  新婦いま白き手袋はずしけり    三椒

  手袋は丸く丸くと母は編み     団地

  若き日の手袋求めしローマかな  けやき
 
  黒手袋出し細くて白い指      六歩

  手袋をさして一枚着し心     ふた月

  切り通し手袋に息吹きかけて    波路

  初めての手袋編みてプレゼント   べべ


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