きふみ吟行句会抄

 第28回
 
きふみ会始まって以来の初めての吟行。
場所は、桜の満開の和歌山城。
和歌山に住みながら花見の和歌山城は初めて。
和歌山に、こんなに人が居たのかと云うほどの賑わい。
3時集合、5時半から、城の近くの「まつや食堂」で句会。


第二八回 きふみ句会吟行 二〇〇五・四・九 於/まつや食堂

天 綿飴のぐんぐんはらむ花の下   紀三井寺

地 振り向けば二十歳の頃の桜道     波路

人 春うららシャツのボタンの掛け違ひ  団地

  石垣の上に人垣花の宴        三椒

  百年の樹から出し桜花       けやき

  振り向きもされずに崖の桜かな    六歩

  一面の桃色景色人の酔ふ      おせん

  吟行におしゃべり弾む桜の下     べべ

  二の丸をうずめ尽くして花筵   紀三井寺

  待ち合はせ桜の下の一の橋      波路

  賑わいや花見客みる花見客      団地

  一升瓶さくら見上げてらっぱ飲み   三椒

  お花見の陣取りシートで昼寝かな  けやき

  三年坂岡口門の桜かな        六歩

  お気に入りブローチ買って桜色   おせん

  桜舞ひ往時をしのぶ城壁に      べべ


席題「卒業」

恋心伝えられずに卒業す     三椒

  卒業や母の背を越し門出ずる     団地

  自転車のかごに卒業証書あり     波路

  カナリヤの餌を最後に卒業す   紀三井寺

  卒業は自分で決めて大人とす    おせん

  ほどほどに裾が乱れて卒業式     六歩

  卒業式母子そろって一張羅     けやき

きふみ会へ

Home