きふみ句会抄

 第27回
 
忘年会もかねての句会。
今回は、県庁のすぐそばの「北京楼」にて。
二階へ初めて上がったが、なかなか立派な作り。
で、天を取ったのは、久々に団地さん。
席題も高得点で、終始上機嫌の一日でした。


第二七回 きふみ句会 二〇〇四・十二・十七 於/北京楼

天 黄昏を集めて燃やす落葉焚      団地


地 たっぷりの日差しにゑくぼ干蒲団  ふた月

人 短日の窓の外見ることもなく     べべ

  這ひ上る蔓のひとすぢ木守柿     三椒

  新聞にくるんで呉れし冬菜かな  紀三井寺

  虎落笛夫と二人四畳半        波路

  大通り枯木のオブジェ日に映えて  けやき

  木の葉髪そぞろ歩きのブラクリ丁   六歩

  湯豆腐の小鍋もつけて誕生日    ふた月

  ほふほふとほふほふほふと大根喰ふ  団地

  漱石に英世が混じる年の市      三椒

  聖夜くるパットブーンを丸暗記  紀三井寺

  うつ向いて思いに耽る水仙花    けやき

  木枯や空席目立つバス停る      波路

  冬木立立ち読み宮井平安堂      六歩


席題「湯気」

  風呂吹の湯気の逃げゆく廚窓    ふた月

  ただいまと帰るわが家は湯気の満ち  団地

  湯気立てて午前三時を猫とゐる  紀三井寺

  子を叱るすでに頭の湯気は消え    六歩

  店先の湯気に誘われおでん買う   おせん

  寒い朝マラソン人に湯気あがる   けやき

  湯気立てて生姜湯を飲む熱高し    波路

  ボイラーの湯気立つ音や露天風呂   三椒

  読書する半身浴の湯気の中        
べべ

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