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第二四回 きふみ句会 二〇〇三・十・二十四 於/銀杏
天 人待ちのコーヒー冷めし初時雨 紀三井寺
地 月天心貨物列車の長き列 三椒
人 不意打ちの嬰の噴水秋高し ふた月
鳴き止んで何やら寂し秋の蝉 六
稲光音の来るまで数えをり べべ
犬達の会釈が行き交う畔の秋 金山
順延で父母来ずの運動会 団地
秋色の夕日傾く大通り 波路
秋冷のいっきに湖の深みどり 紀三井寺
ゆるること愉しむごとし秋桜 ふた月
園児等の赤帽白帽芋を掘る 団地
燃え尽し恋の終りか曼珠沙華 金山
なんとまあ朱の鮮やかな毛虫かな 三椒
鰯雲大漁旗の船帰る 六
コスモスや吹き荒れてなお咲き誇り べべ
石榴立つカーブを曲る散歩道 波路
お祝句(六さん「夜な夜な」出版を祝して)
男にも咲かす花あり星月夜 ふた月
赤もみじ「夜な夜な」待たれる次回作 けやき
螻蛄鳴くや夜な夜な通ふカウンター 紀三井寺
校正も自分自身の自主出版 団地
爺様となれど夜な夜な夜長酒 三椒
秋深し夜な夜なひねる妻のそば べべ
夜な夜なは栗ゆでながら立読みし 波路
夜な夜なのあやしい香り匂いたつ ハニー
「夜な夜な」をもっけの幸いバーで飲み 六