きふみ句会抄

 第23回
 

第23回 きふみ句会 2003・6・6 於/銀杏

天 村中の水走り出す田植どき       三椒

地 めだか飼ふ山一望の大庄屋      ふた月

地 和歌祭パパと呼ばれし鎧武者    紀三井寺

  燕の子娘は妊娠六ヶ月          六

  とりどりの祭装束夏燕         波路

  リズミカル青田に落ちる雨しずく   けやき

  花の雲見え隠れする青い空       団地

  雨あがりパラソルがわり薄暑来ぬ   松が丘

  新緑に包まれて飲むレモンティ     べべ

  万緑のどこかで父が野良仕事      三椒
  海を恋ふ瞳マネキン水着きて     ふた月
  マンションの泳ぎつたなき鯉幟   紀三井寺
  夏めくや十歳若く縞のシャツ       六
  公園のトランペットや梅雨晴間     波路
  雨上がり雛鳥巣立つ欅かな      けやき
  
兼題/しゃぼん玉

天 君の顔映して消えたシャボン玉     団地

天 シャボン玉手の平の夢こわれけり    波路

  あのひとの吐息のつまるシャボン玉   三椒

  屋上に子らの歓声シャボン玉     けやき

  ぼく好み緋色もあってシャボン玉     六

  世のゆがみ映してゐるかシャボン玉  ふた月

  すぐ生れてすぐにはじけるシャボン玉紀三井寺

  シャボン玉いろいろの夢とんでいけ   べべ

  不景気もシャボン玉に乗せ飛んでゆけ 松が丘


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