きふみ句会抄

 第22回
 忘年会もかねた今年最後の句会。
今回は忘年会ということで飲み会に主をおき、
前もって投句っしてもらい、ワープロにて選句という形式をとった。
今回より、長岡生子さんが初参加。

第二二回 きふみ忘年句会 二〇〇二・十二・十三 於/銀平

天 ブルゾンに風ふくませて寒波来る    泰子
   粕汁に顔を赤らめむかい膳       泰子

地  嫁ぐ娘のドレスの試着萩盛り      波路
   寒月や外科病棟はしずまりて      波路

地 月日さえ我追いこしてはや師走     団地
   熊野路や秋をこぼして人の待つ     団地

  冬帽子鏡のわれは他人めき     紀三井寺
  夭折す枯木の巴里を描き惜しみ   紀三井寺

  こたつより添い寝の君がほしい夜  長岡生子
  着ぶくれを気にする娘送る朝    長岡生子

  冬かもめフェリーの窓に併走す     三椒
  団塊の世代まとめて冬に入る      三椒

  まな板の端にひとりの葱きざむ    ふた月
  下座はや盛りあがりたる年忘れ    ふた月

  牡丹鍋顔を火照らせ妻帰る        六
  牡丹雪女が男を追っかける        六

席題「クリスマス」

天 LPは過ぎし日の音クリスマス   紀三井寺

  丸太小屋模すオルゴール聖誕祭   紀三井寺

  ティファニーの広告クリスマス近し  ふた月

  クリスマス二人分だけケーキ焼き    泰子

  想い出はいくつありますクリスマス   波路

  白銀を滑るがごとしサンタ来る      六

  天皇と二日違いで生誕祭        三椒

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