きふみ句会抄

 第21回
 今年初めての句会。
金山さんも、連休の帰郷を一日延ばせての参加。

第二一回 きふみ会 二〇〇二・四・二六 於/銀杏

天  手拍子も半ばをすぎし花の宴      紀三井寺

地  一枚の紙の閉店走り梅雨         ふた月

地  ひな人形昔話をしてあげる          六

   ががんぼの慌て片脚落としゆき      ふた月

   小鳥来て留守居の庭にさくらんぼ      泰子

   御手洗の柄杓にくみし花の屑      紀三井寺

   新緑に薄紅添える美濃の里         金山

   兄弟はいつも仲よし夏蜜柑          六

   ひらひらと花のひとひら盃で受け      金山

   杉の木とむつみあひけり藤の花       三椒

   四月馬鹿嘘も使わず恋泥棒         泰子

   老木にみなぎるちから松の芯        三椒


席題「蜂の巣」

天  蜂の巣のいつやら雨戸締められず     ふた月

   軒先の蜂の巣ひとつさびれ家       けやき

   蜂の巣や亡母のことわざ生き生きと     三椒

   蜂の巣やすすりて甘し密の味        泰子

   蜂の巣をしばし見上げて古戸開け      金山

   蜂の巣をほうきで落とすおとうさん    みつこ

   もぞもぞと蜂の巣何やら騒がしい       六

   蜂の巣や少年時代懐かしき       紀三井寺


 

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