きふみ句会抄

               第20回

今回は新人がお二人。一人は、前回新年句会に参加していただいた、和大教授の佐渡山さん。「今日、作りました」という三句を持参されてのご出席。俳号はお名前の「佐渡山」から「金山」に決定。もう一人は、団地さんの紹介で、谷口真紀さん。フタバ・ビットの代表取締役。真新しい俳句歳時記と、「すいか」という俳号を持参しての参加となり、きふみ会も、新しい力を得て、益々楽しくなりそうです。
 


第二〇回 きふみ会 二〇〇一・九・七 於/銀杏
 

天  過疎の田にセーラー服の案山子かな     三椒

地  律儀なる信号待ちの赤蜻蛉         波路

地  落雷にこわさやさしさ握りしめ       康子

   すててこや飲まずじまひの父なりき   紀三井寺

   朝もぎの指紋残りて黒葡萄        ふた月

   夏草や我立ちぬここ関ヶ原         団地

   夏嵐傘をおちょこにやけ笑ひ        金山

   眠れずに寝返りばかり熱帯夜        団地

   団地前下車徒歩五分赤蜻蛉         三椒

   台風に安否気遣ふ帰るコール        康子

   母の寝る二階の窓や月高し         波路

   ゆで卵裂け原爆の日の朝餉        ふた月

   ベランダでぼーっと月見る一服の虚     金山

   朝顔のうなじのすつと白きかな     紀三井寺
 

席題 秋刀魚

天  父母の写真煙らせ秋刀魚焼く      紀三井寺

   愚痴きいて半身の秋刀魚裏がへす      三椒

   居酒屋の秋刀魚の匂ひのれん押す      金山

   恥ずかしきほど煙らせて秋刀魚焼く    ふた月

   箸先の秋刀魚の苦さ確かめる        波路

   涙目を笑顔でかくし秋刀魚出す       団地

   秋刀魚のまんま銀杏で          すいか
 
 

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