きふみ句会抄

               第17回

今回の席題の天は、またまた「ふた月」さん。天のいつもの常連さん。

で、会員紹介は「ふた月」さん

JAGDA会員、ロゴタイプ、CIなどで広く活躍中。俳句は96年より和歌山の「狩」入会。めきめきと頭角を表し、鷹羽狩行さんの撰の句も多数。朋子の「朋」から「ふた月」の俳号は、夫君六さんのネーミング。



第17回 きふみ会 2000・5・26 於/銀杏
天  恋のこと将来のこと豌豆むく      三椒

地  立笛の練習中なり五月晴        波路

人  大甍真鯉緋鯉の大欠伸         団地

人  ぎしぎしの己が緑を濁しけり    紀三井寺

   携帯の電話は鳴らず更科         六

   並走の列車に手振る子供の日     ふた月

   ふきの葉の蔭で昼寝のかえるかな   かめ女
   
   緑陰や子らは元気にはしゃぎけり
   アベックの腕組む姿や若葉どき
   ねぎ刻み生姜おろして冷奴
   緊張の糸香水の香にほぐれ
   星一つ雷雲去りし峠かな
   銀色にふくらむドーム夏立てり
   花虻やけふは初戦の鉦太鼓
   持ち上げるジョッキの泡に夏映えし
   緑陰の石段高し山の寺
   なめくじのひとふでがきのあとたどる
   胸像の祝福されて花つつじ
   木立よりこぼれし陽光夏の色
   風受けてゆれる葉音のやさしけり
   ポケットのふくらみ気がかりサングラス

   
   
席題/亀鳴く

天  亀鳴くやひと日なずべきこともなく  ふた月

   恋やぶれ声を殺して亀の鳴き     かめ女
   亀鳴くや産湯の井戸の語りぐさ   紀三井寺
   未知数の飛鳥の水路亀の鳴く      三椒
   山中に古き寺あり亀の鳴く       波路
   亀の鳴くフェルメール展は人だかり    六
   亀の声平安絵巻に聞こえしか      団地

 

 

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