掲載日 2000.01.30

歴史の課題

歴史で「レポート書いてこい!」って宿題が出た。書いた。
そのまま消すのも勿体ないからページにUPする事にしました。(^^;)
以下、内容には手を付けずレポートとして出したものをそのまま掲載してます。



【はじめに】
 
 今、日本は国際社会になったと言われている。しかし日本にはアジアの中にも国交が結ばれていない国がいくつか存在する。その中でも最も代表的な国と言えば北朝鮮、正式名称:朝鮮民主主義人民共和国であろう。では何故、北朝鮮と国交が結ばれていないのだろうか?
 今のような南北の対立は朝鮮戦争があった事によるものである。しかし私はこの隣国で起こった戦争が日本にどんな影響を与えたかを良く知らない。湾岸戦争が勃発したときには、石油の値段が高騰した事をニュースで知った。しかし隣国で起こった、たった50年前の出来事が日本にどんな影響を与えたのかを知っていないのである。変な話だ。そんな事ではいけないのでこの機会を利用して朝鮮戦争が日本に与えた影響について調べる事にしたわけである。
 
 
【朝鮮戦争の背景】
 
 まず朝鮮戦争はどのような理由から起こったのか調べることにした。朝鮮戦争が起こる前までは日本が朝鮮を支配下に治めていた。(こう言ったら語弊があるが、朝鮮戦争が起こる根本的な切っ掛けが出来る前までは日本が統治していたと言う事を言いたいのである)しかし日本は第二次世界大戦で敗れ去り、アメリカの占領下に入る事となった。当然、支配下に治めていた朝鮮は独立したのであるが、第二次世界大戦が起こる前から朝鮮大陸への進出を狙っていたソ連と中国は彼らを影響下に治めようとした。この時には既に社会主義国と民主主義国との間で対立が始まっており、アメリカはこれに対抗しようとした。この時に中国・ソ連と関係が深い北側は社会主義国として、一方アメリカと繋がりが深い南側は民主主義国として国を建設したのである。共産国のソ連と中国が北朝鮮を唆し、韓国に侵入させたもので、中ソとアメリカの代理戦争となった。
 
【朝鮮戦争の内容】
 
 朝鮮戦争は、1950年 6 月25日、勃発。
         同年 6 月28日、北朝鮮軍が首都ソウルを占領。
         同年 7 月 1 日、アメリカ軍の上陸が始まる。
         同年 9 月14日、北朝鮮軍が最南下。
         同年 9 月15日、国連軍が上陸。
         同年 9 月26日、ソウル奪還。
         同年10月20日、首都平壌を占領。
         同年10月25日、中国義勇軍の介入。
         同年11月26日、国連軍が最北進。
         同年12月 5 日、平壌奪還。
       1951年 3 月 7 日、再びソウル占領。
         同年 7 月〜、  休戦会談の場が板門店で設けられる。
       1952年 6 月23日、米空軍による水豊ダム爆撃。
       1953年 7 月、   休戦協定が結ばれる。
         同年 7 月27日、軍事境界線が決定する。
         同年10月、   米韓相互防衛条約が結ばれる。
                     
                       以上 参考文献より
 
【朝鮮戦争による日本に対する影響】
 
(1)経済効果
 「朝鮮戦争が始まると、日本は連合国軍の兵站基地となった。兵器・車両の修理、建物の建設など特需が相次いだ。1950〜55年の特需契約高は16億ドルを超え、戦後の経済不況に落ち込んでいた日本経済は活気を取り戻し、急激な経済発展の景気となった。〈特需景気〉」(参考文献より)
 日本は朝鮮戦争によってもたらされた特需が、経済復興の契機となった。と、考えてよいだろう。これにより日本は高度経済成長への足がかりを掴み、現在の経済大国としての地位を築く要因となった。
 
(2)自衛隊設立
 「朝鮮戦争が起こると、連合国最高司令官マッカーサーは吉田首相に書簡を送り、警察予備隊の新設を指令した。そして8月には警察予備隊が創設された。」
 「警察予備隊令が公布されると旧軍人3250名の追放が解除された。翌年には特別募集が開始され、旧将校約1万人への追放も解除された。」(文献より) 警察予備隊は「在日米軍の朝鮮半島出動後の日本基地と在日米居留民の安全のため」と言う目的で創設された。この時、マッカーサーの占領政策が、敵対から途中で同盟に大転換した事は明らかである。日本に警察予備隊の創設を認めた事により、防衛の協力者にすることに方針が一変したものと思われる。
 
(3)サンフランシスコ平和条約
 「米国は朝鮮戦争の勃発により、対日講和条約の締結を急いだ。吉田首相らが全権を受け、1951年9月8日に48カ国との間に平和条約として調印された。これにより連合国による日本占領は終了し、日本は主権を回復した。」
 アメリカが締結を急いだ理由としては、次のような事が考えられる。
 @,米国はそれまで中ソは連合国で仲間と考えて北に対して何の防備もして
  いなかった。しかし社会主義国が攻め込んできた事により日本を社会主義
  への防波堤としての役割を担わせようとしたのではないだろうか。
 A,この戦争でマッカーサーは、かつて日本が戦った日清戦争、日露戦争を
  一緒にしたものを、日本に代わって米軍が戦わされていることに気が着い
  たはずだ。そしてマッカーサーは日本の過去の戦争がすべて中ソに対する
  自衛の要素が含まれたものであったと、初めて確信したのではないだろう
  か。これによりアジアの防共の一大勢力となっていた日本を米国が潰して
  しまった結果、中国大陸はすべて共産圏に編入された事から対策を急いだ
  ものと思われる。
 B,日本の独立を急いだアメリカはサンフランシスコで対日講和会議に戦闘
  中のソ連の参加を拒否し、日本への賠償要求も放棄した。これにより日本
  は多額の賠償を払う手間が省かれ、戦後のわずかな年月で戦前ほどの力を
  持つ国に生まれ変われたのだと思う。
 
【朝鮮戦争の裏側で】
 
 朝鮮戦争における中国軍の介入で国連軍は苦戦を強いられていた時に、マッカーサーの原爆使用発言があった。実行されはしなかったがこの時、既にソ連は核兵器を使用段階まで研究を進めており、使用されていれば核兵器を用いた第3次世界大戦が朝鮮半島を中心に行われた可能性があったわけである。またこの時の大統領トルーマンとの意見の食い違いで、朝鮮戦争における国連軍最高司令官に任命されていたマッカーサーは職を解かれ、アメリカへ帰国している。
 
 
【終わりに】
 
 南北朝鮮の対立は今でも続いている。現在ではアメリカを中心に国際的関係を朝鮮民主主義人民共和国と結ぼうとしているが、まだ実現はしていない。北朝鮮は現在のところ、金正日を崇めて国政を執り行っている独裁軍事国家で貧困にあえいでいる。国際的な食料援助などが行われているが、国民全体に行き渡っているようには思えない。多くは軍の食料庫行きだと聞くが、情報の流出を妨げている国で正確なところは伝わってこない。日本は隣国と言う事で多大な援助をしていたが、現在は関係の緊張化から一時的な停止をしている。ソ連の崩壊や、中国の民主化政策により孤立化を深めている中で過去のドイツや日本のようなファシズム的主義になることも考えられる危険な国家である。日本はGNPが世界2位の経済大国と成長した今、アジアのリーダーとしてこの問題に積極的に取り組んで行く必要性があるはずだ。
 
・参考文献
 
(1)シドニー・ポラード編、竹内宏監修、當眞洋一監訳
   20世紀の歴史 (第4巻)
   平凡社、1992年
(2)浜島書店編集部
   新詳日本史図説
   浜島書店、1999年