掲載日 2000.01.25

99,年度代表馬はエルコンドルパサー

であった。初めて聞いたときは正直、驚いた。もらってもおかしくない活躍を見せてくれた事は重々承知の事だったが、国内一走もしていない馬が選ばれたのだから。 私はJRA所属で国内レースを走った馬から選ばれるものだと思っていた。いや、思い込んでいた。それにこの年は国内でも素晴らしい活躍を見せた馬がいたのだから尚更の事だった。私は色々な所をあたった。 もちろん、国内レースを走らなかった馬は選ばれないと言う規定はどこにも存在しなかった。在ったのは「年度代表馬はJRA所属の競走馬から選ばれる」と言う事だけだった。 それならば、この馬が受賞するのは十分すぎるほど納得できる。競馬界最高峰の凱旋門賞で2着し、停滞しかけていた競馬ブームに光りを当て直したのだから。その功績はこれまでの日本馬の枠を遙かに越えているものであろう。 そこで問題になってくるのが、特別賞を獲った2頭である。昨年の国内GTはこの2頭のために用意されていたと言っても過言ではなかった。スペシャルウィークが最強馬の称号を得ようとするたびにグラスワンダーが立ちはばかり、 両グランプリはどちらもこの2頭で決着がついた。この2頭のどちらかを無冠にしていたら、より多くの人から不満が出ていただろう。そこで苦肉の策として特別賞を2頭に与えたわけだ。しかしこんな事をしているようでは、JRA賞の意義が薄れてしまうのではないだろうか? こんな事をするぐらいだったら、年度代表馬をエルコンドルパサー、最優秀5歳以上牡馬をスペシャルウィーク、特別賞にグラスワンダーという風に賞を分け与えた方がよっぽど良かったと思う。

最後に年度代表馬の選定方法について。
今回の投票では初回はスペシャルウィークが1位を取っていた。しかし過半数に満たなかったと言う事でエルコンドルパサーと決選投票をし、逆転され決定ものである。スペシャルウィーク陣営にしたら、一度与えられた称号を剥奪されたような感じであろう。 後味のいいものである訳がない。
またエアジハードに票を入れた方がおられるらしい。そりゃぁ、エアジハードもGT2勝を挙げた優秀な競走馬だと言う事は認める。しかしこれほど大物が揃った年にわざわざ入れる事もないだろう。 投票者は私たち一般の代表としてその場に行かれておられるのであり、この件だけに関して言えば、国会議員と同じ様な格好である。一般人の中にはエアジハードこそが年度代表馬に選ばれるべきだと考えている人もいるだろうが、そんなのはごく一部の人である。 博識のある投票者の方々の常識的な判断で、年度代表馬の選定を行って頂きたいものである。それが出来ないのならば、有馬記念や宝塚記念のようにファン投票にするべきだと言う意見もある。 しかしそこまでしなくとも、多くの人が納得する年度代表馬の決定は出来るはずだ。ミレニアムを代表する馬の選定には、このようなもめ事が起きないようにしっかりした判断を下して頂きたいと思う。


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