Salsa Dance Tipsについて(by JOE)
Step1 音楽を聞いてリズムを感じよう。
■サルサ音楽
サルサ音楽は、キューバやプエルトリコの音楽をベースに、1959年のキューバ革命以降、1960年代にNYの主にプエルトリカンによって生み出されたスペイン語圏の音楽。その音楽で踊るのがサルサダンス。プエルトリコはサルサの母と言われている。有名なサルサのミュージシャンも、プエルトリコとNYが多く、ほとんどはそこで録音されている。ほかではベネズエラ、コロンビアのバンドが人気を博している。キューバでもサルサ系の音楽が大流行しているが、独特なリズムを持っている。それぞれの国で特色がある。

■サルサのリズム
サルサのリズムは、1234、5678の8つのカウント。といってもどこでリズムを取るのかは、結構難しい。というのは、ロックやポップスのような分かりやすくリズムをキープしているドラムやベースがあまりなく、コンガ、ボンゴ、ティンバレスといったパーカッションの複雑なリズムのコンビネーションがベースとなっているためである。ベースもウラ乗りが多く、オモテのビートがなかなか分かりにくい。個々の楽器を細かく聞くのは難しいとして、全体の流れやボーカルを聞くと掴みやすい。

■4と8に当たるタメが重要
パラダイス山元風「ツク・パカ・ツク・ポポ」(1234)。コンガの刻むビートを口で表わすとこうなるのである。この言葉を呪文のごとく唱えよう。必ず音楽(CD)に合わせて、口ずさむのである。1234とカウントするよりは、リズムのノリを感じることができるし、コンガを演奏している気分になれる。音楽なしでただ1234とカウントして踊る練習ばかりすると、いざCDが掛かるとテンポをずらしてしまうことになり兼ねない。
カウント4(または8)に当たる「ポポ」が重要。このタメがパッションであり、ノリにつながる。ロスのサルサプロモーター兼ダンサーのアルバートトレスも強調していた。ここの4(8)で相手へのメッセージや回転をしていくのである。「ポポ」と口ずさむとその雰囲気が分かりやすく伝わる。ちょっと跳ね上がる感じ。

Step2 ステップをしてみよう。

■123(4)、567(8)
123(4)、567(8)。3歩踏んで1休み、3歩踏んで1休み。まずは、その場で足踏み状態からステップをしてみる。右・左・右・ポポ(右足に乗ったままタメル)、左・右・左・ポポ(左足に乗ったままタメル)が基本。内股ぎみにしてステップした足に体重が乗るようにしよう。スキーをやった人なら分かると思うが、体重移動でスキーを回す感じである。パラレル〜ウェーデルンをやっているあの感じ。

■タテではなくヨコノリ
ここで注意したいのが、サルサは上ノリではなく、横ノリであること。頭は上下しない。腰が横に振られている。日本人の踊りのルーツは盆踊り。リズムはン・パパ・ン・パパとタテにノリがある。このため、どうしても、123とリズムを刻むときに体がどうしても上下してしまう。このノリは、レゲエ!日本人に人気のあるレゲエは盆踊りにルーツがあるのではと思ってしまう。従って、上下しがちな日本人の癖を変えていくには、例えば、回転する椅子に腰掛けて腰をねじりながらステップをしてみるのである。そうするとステップをしているが、体は椅子から離れないので、上下しない。その感覚をまず身につけてからステップに入る。

■ステップと体の動き
ステップと手は逆の方向に動き、ねじりのバランスを取っていく。前後に歩いてみよう。その場でのステップが踏めるようになったら、前後に歩いてみる。前に、右・左・右・ポポ、左・右・左・ポポ。今度は同様に後に歩く。そのとき、歩くの同じように、右足が出るときは左手が前というか、みぞおちの辺りに手首が来る感じの位置におく。そのとき右手は右側面に出されている。同様に左足が出るときは右手がくる。分からなくなったら、普通に歩いてみること。

■クラーベを感じよう
クラーベを感じよう。感じることが大切。クラーベとは、ラテン音楽全般の中のベーシックとなるリズムパタン。特にサルサではこれが重要。ただ、最近のサルサはあまりクラーベを感じないサウンドも多いので、少し昔のを聞くとよく分かる。拍子木のような楽器である「クラーベ」でそのリズムを演奏中キープしている。基本的には、3―2クラーベと2―3クラーベがある。ミュージシャンはこのリズムパタンを意識して演奏している。管楽器、キーボードなど、打楽器以外もそうである。カウント、1234、5678を、3―2クラーベは、カーン・カーン・カーン、ン・カン・カン・ン。2―3クラーベは、ン・カン・カン・ン、カーン・カーン・カーンととる。これをステップしながら感じていくのである。曲をいろいろ聞いて、3―2クラーベか、2―3クラーベかを感じるのはちょっと難しい。音楽の分かる人といっしょに確認してみよう。

■いろんなパタンでステップを
基本ステップするときに、いろいろリズムパタンを感じながらスムーズにやってみよう。基本ステップは、123。567である。これをステップしながら、実際には、次のさまざまなパタンを口ずさむのである。@1234、5678。A123ン、567ん。Bン23、ン67。C1、5。Dクイック・クイック・スロー、クイック・クイック・スロー。Eツク・パカ・ツク・ポポ、ツク・パカ・ツク・ポポ。F3―2クラーベの、カーン・カーン・カーン、ン・カン・カン・ン。G2―3クラーベの、ン・カン・カン・ン、カーン・カーン・カーン。最後に、手拍子、本当はクラーベを使ってFとGをしながらステップする。この際、クラーベを叩いている手と足のステップが一致していないところがある。それぞれ3―2、2―3の3の部分である。これは感じるのであって、クラーベの通りにステップするのではないことを、理解しておく必要がある。
Step3 体の重心、バランスを感じよう。
■おへその下に意識を集中
おへその下辺りに意識を集中していると、自然と体のバランスが取れる。いろいろ考えながらやっていると、頭に意識が集中してしまいます。となると、体の重心が上にあるようになってしまい、バランスが取り難くなります。逆に、おへその下辺りに意識を集中するだけで、ちょっと横から押されたぐらいでは倒れなくなるほど安定します。

■体のバランスをチェック
体がまっすぐに立っているか。人に見てもらってチェックしよう。シャインのときも、ターンの時も軸となる足、重心のある足のところに体がちゃんと乗っていないと傾いてしまいます。体がまっすぐでない人や早く動こうとして、ステップした足に体の芯がまっすぐ立っていなくて、安定感がなくなります。これは自分や鏡ではなかなか分かりにくいため、人にも見てもらいましょう。片足でバランスを取って立ち続けて、手を上に乗せたりすると、手の位置でバランスが変わってくるのが分かってくると思います。体を棒と見たてるとまっすぐ立っていれば、回転しても倒れませんが、斜めだとすぐにでも倒れてしまいます。軸足に体重が乗り、体がまっすぐになっているか、重要なところですね。

■頭をチャンと乗せよう
頭を体に乗せよう。軸足に乗っているときに、頭がちゃんと足からまっすぐきたところにないと、バランスが崩れます。特に女性が回転するときとか、CBLのときなど、動いているときに頭も一緒に動かないと行けません。足の上にくるぶし、膝、腰、おへその下(丹田)、胸、肩、頭と順に乗っている感じをつかみましょう。

Step4 リード&フォローを感じよう。男女の駆け引き。
■リードは男性、女性はフォロー
リードは男性、女性はフォロー。サルサは、男女のダンスであるため、そこには、手を通じて、肌と肌が触れ合います。その触れ合いを通じて、相手の緊張感やリラックス、やさしさ、力強さ、感じ良さ、強引さ、一人よがりなど、いろいろ互いに感じることがあります。引き合ったり、押したり、回転させたり、まずは、男性は、女性の体を「やさしく」音楽に合わせて、体全体をリードしてあげます。女性は、男性の手や体の入れ方による、引き具合や押され具合を「自然に」感じて、音楽に合わせて、慌てずに任せて、体全体を動かせていきます。

■リラックスとは
手を取り合って小さく〜大きく動かしてみよう。サまずは手を取り合い、左右に振ります。そのとき力を入れずに、男性がやさしく、動かし、女性はそれについていきます。肩の力を抜いて体全体が腕に付いていく感じをつかみましょう。徐々にその動きを大きくしていきます。そのとき、手だけが動くのではなく、体全体が半円を描くように、手を通じて、腕がそして肩がそして体全体が左右に大きく動くことを、男女ともども感じましょう。それから男性が女性の肩辺りに手を乗せ半円を描く形で、リード&フォローを自然とできるようにしましょう。要はすべては手の感じで体が動き出します。決して足が先ではありません。

■引いてみよう
今度は、手を取り合って男性が女性を引き寄せたり、左右に歩かせたりしてみよう。このとき重要な点は、おへその下(丹田)を双方が意識をして、おへその下で女性を引き、女性はおへその下が動いている感じを掴みましょう。手が引っ張られて、足がタタタと出ていくのではありません。男性の体全体が、引き寄せてくれる感じです。体全体が動いていく感じを女性は掴みましょう。また、男性は大樹です。男性が安定すればするほど、女性は踊りやすくなります。双方の軸がしっかりしないとバランスが崩れます。身長や体重によってもその違いはありますが。次に、男性は女性を左右に歩かせましょう。男性はステップしません。女性を手と腕で左右に動くよう女性に指示しましょう。自然と動くように互いに感じることができるようにしましょう。それから音楽に合わせて、123、567でやってみます。

■大切な男性の右手
リード大切なのは、男性の右手が一番、そして女性が受ける左肩、そして男性の左手。一番男女が触れ合うのは、男性の右手と女性が受ける左肩。もちろん、男性の左手と女性の右手もありますね。でも、触れ合っていると感じるのは、肩です。そこで、女性は男性の懐に引き寄せられます。ある意味では親密ゾーン。恋人でないと入れないゾーンに入っていきます。そのとき重要な点は、恋人同士のような感じをそのゾーンにもつということです。最初は互いに緊張してしまいます。男性の右手は女性の下着の上に来たり、肌のぬくもりを感じてしまいますから当然ではあります。それは慣れてもらうしかありませんが、まずは、手のひらを女性の背中に当てて、互いにどういう感じが感じてみましょう。当てるといっても、さまざまあります。指先が立っているひと、申し訳なさそうに触っている感じの人、いろいろです。ちゃんと手のひらをピタット女性に付けましょう。女性がやさしくリードされていると感じてくれる力具合と、位置を掴みましょう。女性もちゃんと伝えましょう。それから男性はその恋人同士の状態で女性をいろいろ歩かせましょう。まっすぐとか、左右とか。女性は男性の手の平を感じて、そこに自分の第十をある程度預けましょう。押されたら歩きはじめます。押されなければ動きません。恋人がショッピングに行って、あちこち見ているので人とぶつかりそうにならないように、しっかり肩を抱いてあげて自然に人を避けるようにリードしてみてください。その要領です。それをステップしながら、男性の左手と体の入れ方で、女性をまっすぐ進ませたり、左に回らせたり、右に回らせたりします。女性は基本ステップを踏むだけであとは男性の押し具合だけで動かされている感じを掴みましょう。ただ、フォローというのは、ちょっとした男性の合図で、ちゃんとそれに従って動けるということで、リード&フォローは50%50%の関係です。

2001.05.01現在はここまでです。