Finding the Clave (クラーベ) By Manny Siverio
はじめに
私が最初に習ったのはON1でブレークするスタイルのサルサ/マンボでした。当時、ON2でのブレークが何なのか、クラーベがどんなものか、更に言えば、8拍子でカウントをとることが何を意味するのかさっぱりわかっていませんでした。その頃は、私のダンス生活のなかでかなりの挫折を味わった時期でした。頭の中を整理して考えなければならないことがたくさんあったし、また、気が付けばカウントばかりとっているため、フラストレーションがたまり髪の毛をかきむしる日々が続きました。レッスンでのステップにはついていけるのに、いざ音楽にあわせてダンスとなると、いつもタイミングがずれていると言われてました。

ご想像通り、最初はダンスなんて全然楽しくありませんでした。特に男性である私にとって予想以上に難しいものでした。ON2ブレークを覚えることに関しては、男性にくらべて女性の方が恵まれていると思います。なぜなら、女性はON2ブレークが既にできる男性と踊り、彼のステップにあわせていれば、リードの上手な男性であれば、常にON2のタイミングに保ってくれるからです。でも男である私にとってそんなにあまいものではありません。私と一緒に踊る女性が上手であろうとなかろうと、私にとってはどうでもいいこと。というのも、どちらであっても、常に私がリードをとることを期待されているのですから...ステップのタイミングがずれないよう、女性をリードするだけでも至難のわざなのに、それに加えて、ターンのパターンも考えなくてはならず、NYスタイルであればシャインも取り入れたほうがいいし、女性を持ち上げる前も降ろしたあともON2のタイミングに保ってないと........パートナーと楽しくダンスがしたい、ただそれだけなのに、私のはまるで、レスリングのタイトルマッチ。こんなはずではなかったのに、と落ち込む日々でした。

しかし、幸運なことに、時が経つに連れて、クラーベのとりかたのヒントをいくつか習得することができたので、それを皆さんと共有したいと思います。ON2スタイルのダンスに興味がない人でも、このヒントを知ると、"目からうろこ"が落ちるはずです。特に、NYスタイルではよく知られているシャインを取り入れようとしているON1ダンサーの方にはとても役立つヒントです。でも、そういったシャインの動きを勉強したり、真似したいのであれば、まずはカウントのとりかたを習得する必要があります。言い換えると、クラーベがどこで始めって、どこで終わるのかわかっておくことが重要です。さらに、クラーベを理解すると人がどのタイミングで踊っているのかもわかってくるし、ターンカウントのブレイクダウン(ターンをする時のカウントの内訳)が理解でき、ダンスフロアで思い通りに踊れるようになります。さらに、カウント(クラーベ)を習得すると、人のターンの始まりや終わりが理解でき、その方法までわかるようになります。

クラーベは、8ビートカウントのかたまりです。普通は、いわゆる「3―2」でビートをとりますが、クラーベを説明する都合上、ここでは単純にクラーベには、1-2-3-4-5-6-7-8のカウントがあるとします。8がカウントされると、その反復が何度も繰り返されます。。これを頭に入れて、クラーベの1つめのビートのとりかたを考えてみましょう。


ボーカルによる合図(キュー)

これはクラーベの1つめのビートを探すもっとも簡単な方法の1つです。なぜなら、歌手(あるいはコーラス)は通常1つめのビートで唄い始めるからです。そして、曲のテンポ(8ビートをカウントするスピード)がつかめたら、1から8までのカウントを開始してください。正しくカウントしていれば、曲のなかで、ボーカルが歌い始めるごとに、必ずあなたは1をカウントしているはずです。時に、ボーカルが、2フレーズ(8カウント×2)までの長いフレーズになる場合もあります。そういうことがあったとしても、動じることなく、ボーカルが歌い始めるときに、また、1からスタートすればよいのです。

そのコツがつかめれば、コーラスの始まりも常に1をカウントしていることに気付くはずです。そして、ボーカルとコーラスが代わりばんこに唄っているように聞こえてくるようになるでしょう。最終的に、曲の他のいろいろな面に気付くようになればしめたものです。例えば、楽器がクラーベからいつ外れまた戻ったかとか… 聞きとれるになるのです。

ビートをとろう

クラーベの1つめのカウントを聞き取る達人になったところで、他の7つのビートにも理解してみましょう。そして、理解するのとても単純で簡単な方法が、手をたたくことです。2ビートから8ビートまで1つ数を選んで下さい。ここでは、2つめのビートを選んでみるとしましょう。曲中のクラーベを理解し、カウントを始め、2をカウントする時には必ず手をたたいてみて下さい。そして、2つめのビートがどこで来るかがはっきりとわかるまで続けてみて下さい。2つめのビートがとれるようになれば、3つめ、4つめと進めていってください。そうすると、1から8までの各ビートを理解できるようになります。

シャイン
僕は単にターンのパターンが習いたかったので、最初はオープンフロアシャインが大嫌いでした。シャインは時間の無駄とさえ思っていました。ですから、シャインをすることがクラーベを聞き取る練習になるとは夢にも思っていませんでした。しかしながら、実際のところ、シャインはとても難しいものです。ある所定のタイミングにシャインをあてはめるのですが、全体的なシャインの流れのどこらへんを自分は踊っているのかを常に意識しておかないと、タイミングがだんだんずれてきます。これは簡単にできることではありません。でも、これを生徒たちに理解させるために、マンボーのインストラクターはどうするかというと、シャインもカウントにあわせて内訳をきめるんです(ブレイクダウンする)。そして、(時には曲を流している場合はそれにあわせて、)声にだしてカウントをとり、シャインを生徒に教え込むんです。先程も述べたように、このレッスンでは、無意識にクラーベを聞き取る練習をしていることになります。こんなのつまらない、と思う人もいるかもしれません。でも、シャイン−シャイン間にベーシックのステップを入れず、例えば5連続シャイン技をやるにはどれだけ上手にならないとできるようにならないかを想像してみて下さい。

練習あるのみ

クラーベを理解し、カウントができるようになると、残されたことはあと1つ、どこにいようともサルサが聞こえてくるとカウントととる練習をすることです。そして、その練習をすればするほど、カウントどりが上手くなるし、無意識にできるようになります。僕の場合、サルサでない音楽(ポップ、ロック、メレンゲ、民謡、演歌)でも、曲が流れていればクラーベを見付けようとしている自分に気付き、うれしいやら、悲しいやら複雑な気分です。

知っている曲で踊る
この記事の冒頭でも言ったように、On2のダンスは常に楽しいというわけではありません。タイミングがずれないようカウントをとらないといけないし、ごちゃごちゃになってしまわないか心配しないといけない...その結果、緊張し、肩がこってしまうんです。でも、それでいいんです。それが普通なんですから.....練習を重ねていくと、カウントをとらなくてもダンスができるようになっている自分に気付くはずです。間違っても心配しなくて大丈夫です。みんな間違ってるんですから.....(単に、経験を積んだダンサーというのは、ごまかすのがうまいだけなんです。)クラーベに関する不安がなくなればなくなる程、ダンス生き生きとしてくるだろうし、体で音楽を感じ理解できるようになってくるはずです。 しかし、始めたころは、不安はつきものです。そこで、僕からのアドバイスですが、まず知ってる曲で踊ってみましょう。うそだとおもったら試してみて下さい。何トンもの重いプレッシャーからすこしは解放されるはずです。家でやった宿題を次の日授業で発表するようなもの。さらにいえば、何度も何度もひそかに練習したカラオケを飲み会で会社のみんなに披露するのと同じなんです。つまり、すでに内容(歌・曲)は理解しているのですから、もうすでにクラーベもとれているはずだし、幼なじみと一緒にいる時のようにホッとするはずです。ですから、心配しないで、笑顔でフロアにでて、心のなかで唄いながら、思いっきりダンスを楽しんで下さい。