ブラジル500年祭
「千田わっしょい祭りブラジル500年祭」を終えて
Reported by Senor Obata
Photos taken by Mr.Nozaki
Home Page made by Mr.Joguchi

 6月18日、CRIひろしま、ファシナシオン・ラティーナ広島、 SWING LATINO(ブラジル人グループ)の共催で、 「千田わっしょい祭〜ブラジル500年祭」を開催しました。 前日までの天気予報が嘘のように晴れ上がり、日本人・ ブラジル人スタッフのパワーと個性が結集して、にぎやかに 行われ、大好評を得ることができました。
 毎月1回、ステージと屋台、県内最大のフリーマーケットを軸に 開催している「千田わっしょい祭」の場を借りて行いました。普段でも、 朝から夕方までのべ2万人くらいの客を集める大きなイベント なのですが、今回はいつもをはるかに超える来客がありました。 何たってブラジル人が多い!客とスタッフを合わせたらブラジル人は 300〜400人くらいいたのでは。

■ステージ



 広島で活動しているブラジル人のカポエラチーム「カポエラ・ ナチーバ」(写真上左)、サンバチーム「SWING LATINO DANCE GROUP」(写真上中)、 サンババンド「セン・ヘボリッソ」(写真上右)に出演してもらいました。平日は 工場などで働き、週末に活動している人たちです。  ブームになっていることもあり、特にカポエラの注目度が高かった ですね。黒人奴隷が「これはダンスだ」と支配者に偽って格闘技を 練習したのが起源で、華麗な回し蹴りや、ふわりと宙に浮く独特の バック宙などに歓声が上がりました。  女の子達のサンバも、手作りのきれいな衣装と華麗な踊りで、 客の目を惹き付けていました。炎天下、3ステージを違う衣装で こなしてくれました。  他に、日本人のボサノババンド(写真下左)と、アフリカンパーカッション グループ「SAYAN」(写真下右)にも特別出演してもらいました。多彩で中味の 濃いステージには、人だかりが絶えることがありませんでした。


 
■料理

 パステウ(ブラジル風ギョーザ)、コシーニャ(ブラジル風コロッケ)、 ポン・ヂ・ケイジョ(チーズパン)計約600食とガラナジュースなど 飲み物200本を用意しましたが、あっという間に売り切れ。 CRIの濱本さんや、SWING LATINOのナターシャをはじめ、多くの 人たちが前日までの仕込みから当日まで、大変頑張ってくれました。 とても好評でした。


■フリーマーケット・物品販売・生活相談

 ブラジル人たちと協力して品物を集めたフリーマーケットや、 ファベーラ(スラム)などで作っている人形販売も好調でした。 ポルトガル語での生活相談コーナーも、専門の相談員の方に ボランティアで来ていただき、相談に来た数人のブラジル人の 役に立てたようです。


 ■第1回移民船「笠戸丸」乗船者の息子、下田さん登場

 6月18日は、1908年、日本からの移民第1号の笠戸丸が サントス港に到着した日でもあります。お母さんが笠戸丸の乗船者 という、広島在住の下田明雄さん(81歳)も来てくださいました。  会場でも紹介させていただきましたが、マイクを持って 「ブラジルは誰でもアミーゴになれるのがいい」などと、魅力を 強調されていました。会場の反応もよかったです。下田さんは、 「広島で、ブラジルのためにイベントを開く人たちがいるのがすごく 嬉しい」と喜んでおられました。


 ■構想から・・・・

 500年という機会に豊かなブラジル文化や社会を紹介すること、 その歴史の結果、移民の「逆流」で広島に多くのブラジル人が 隣人として暮らしているということを知ってもらうこと、そして収益を サンパウロのファベーラ団体、「モンチアズール」に寄付して貧困 地域の子どもたちに役立てることが大きな目的でした。
 ブラジルから日本に来て7年になるナターシャと「500年を 記念して何かやってみよう」と話をしたのが昨年末。ただ 記念するだけでなく、歴史を考える意味を込め、さらに 今後につながるものにしようと、ブラジルの子どもたちの ための寄付、広島で暮らすブラジル人のための相談コーナー 開設、ステージに歴史の紹介を含めるなど、半年かけて 構想を膨らませてきました。
 企画段階で、カポエラチームに出演のお願いにいくと、 「ブラジルの子どもたちのために頑張るよ」と快諾して もらえるなど、嬉しいことが多くありました。
 結果、収益の方は、食べ物・物品販売や寄付(下田さんからも いただきました)、ステージ出演料などを合わせて、利益を 20万円ほど出すことができました。さらに5万円の寄付の 申し出を受けています。
 「千田わっしょい祭」主催の山根さんも喜んでくださって、「また やりましょう」と言ってくださいました。客の感想には「初めて ブラジルのことを感じた」という嬉しい声もありました。ご協力、 応援してくださったみなさんに感謝の気持ちが絶えません。
 今回の企画は、司会の団ちゃん、フリーマーケットの ベテラン藤川さん・本橋さん、チラシ・展示物の倫子ちゃん、 料理の濱本さんをはじめ、メンバーそれぞれの個性、持ち味が 存分に発揮されて、ハプニングも多々ありながら、最高のものが できあがったと思います。そして、ブラジル人のまとめ役、 ナターシャにも拍手を送りたいです。みなさん、本当にお疲れさまでした。 ありがとうございました。

Swing Latino ナターシャからのメッセージ
 オバタ、祭りの1日の疲れはもうとれた?
 片づけの手伝い、とても疲れ切っていたので、最後までいられなくて ごめんなさい。あなたに「おめでとう」と言いたくて、そして、今日の 活動を通じてチャンスをくれ、手伝ってくれたことに、SWNG LATINOと すべてのブラジル人を代表して、敬意を込めて感謝したいと思い、 メールしています。
 こういった企画は初めてではないのは知っているけど、私や 多くのブラジル人たちにとって、ここ日本では唯一の経験でした。
 この文章を訳して、ファシナシオン・ラティーナのみんなに 送ってもらえませんか?準備からイベントの実現まで全力を 尽くしたみんなに、感謝の気持ちが膨らむばかりです。  
 特に、ブラジルの貧しい子どもたちのための寄付が実現 できたことを、心から感謝します。それで問題が完全に解決 するわけではないことは知っています。でも、変化を起こす ための大きな一歩だと思います。
 ブラジルのこの500年の努力の多くは、ブラジルの次の 500年を考えることにつなげなければならないと信じています。 すばらしい文化や国民、巨大さや美しさがこの国に存在 すること、それにもかかわらず、持続しえないことが行われて いるということを。
 リーダーシップと努力に拍手を送ります。
                         ナターシャ 

 みなさんの感想もお待ちしています。

  小畑 浩
  crihiros@bronze.ocn.ne.jp