いちはつ

平成15年4月27日  里実福太朗

今日は天気もよく、汗ばむような暖かさだった。福朗夫人が「いちはつ」が咲いたと言うので、デジカメを持って庭に下りた。

福朗夫人が手を加えているので、我が家の庭にも、毎年いろいろな花が咲く。「いちはつ」もこの季節になると、白い花をつける。花にはあまり関心のない福太朗でも、いちはつが咲いたという声を聞くと、見てみようという気になってくる。それと共に、次の二首も思い出されてくる。

まず、亡母のうた。
    今年また一八の花咲きにけり しみじみ偲ぶ正岡子規を

正岡子規も、病床から庭のいちはつの花を見て、次の歌を詠んだ。
    いちはつの花咲きいでて 我目には今年ばかりの春 行かんとす(明治34年)

病床にある子規は、来年またこの「いちはつ」の花を見ることはできないのかも知れない、と思いつつこの歌を詠んだのであろう。子規は翌明治35年、短い生涯を閉じる。

「いちはつ」の花言葉は敬意。