平成１２年１２月２０日

参加者尺八･土屋正道箏･照井環

２年ぶりに文京区本駒込の「区立昭和高齢者在宅サービスセンター」に招かれました。デイサービスの方もいらっしゃっての忘年会です。ビールやジュースで乾杯し、カラオケや詩吟などとても楽しい会です。私たちの出番は、乾杯の後すぐ。お互いちょっと緊張してました。次第にうち解け和やかな雰囲気になりました。邦楽の素養があるお年寄りもいらっしゃり、楽しんで聞いて下さっているのが感じられました。「六段の調」のあと、みんなで歌いましょうコーナー。「上を向いて歩こう」「サザエさん」「お正月」を伴奏に合わせて歌っていただきました。最後に現代曲の「壱越」。初めて聴く曲を一生懸命聞いて下さって有り難く感じました。

平成１２年７月２６日

参加者尺八･土屋正道箏･照井環

７／２６日再び（財）東京善意銀行のご紹介で、葛飾区の重度障害の方の施設「四つ木療育園」へ演奏に行ってまいりました。昨年に引き続き、みなさんに歓迎していただきました。今回は浴衣で夏らしさを演出。この日は２３度と気温が低く過ごしやすかったのですが、日頃の練習不足のためか大汗をかきました。

「サザエさん」、「上を向いて歩こう」などの曲は、みんな一緒に歌って下さいました。

平成１１年８月２５日

参加者尺八･土屋正道箏･照井環

８／２５

お客様は、隣接のﾃﾞｲ･ｹｱのお年寄りも含め５０名ほどでしたが、今回はまさに老若男女で、ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑを組むのが難しいものでした。御年配の方に好評の「皆で歌いましょうコーナー」も、２０代中心の障害をおもちの方は、"歌うこと"ができないと、きいておりましたので「どうしようか」と迷いました。職員の方より「私達が歌いますので、どうぞ」と、言われたことと、多少なりとも参加している気分をあじわっていただければと思い、いつものﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑでやってみることにしました。

施設に着いてお目にかかったとき、車椅子のかたは二、三人で十人ほどの方はご自分では首もあげられない、体を動かすこともままならない方ばかりだったことは想像はしていたものの「よろこんでいただける演奏を私はできるのかしら。」と、正直不安になりました。先天的な方がほとんどらしく、言葉にも障害がある方ばかりでした。

前日、中学時代の恩師から「こころはつたわるものだよ。まず、自分達が一生懸命やってごらん。そういう気持ちは、ああいう人達は敏感だから。」とのｱﾄﾞﾊﾞｲｽを思い出し「今日はどうもありがとう。たのしんでね。」と、念じながらの約３０分、なるべく皆さんのお顔を見ての演奏会でした。予想もしていなかった花束贈呈、そして拍手。「いつもはあきてしまうのか、ばたばたする人もいるのですが・・・」と、職員の方もびっくりされるほどの熱い視線が嬉しかったです。

２０代そこそこの職員の男性に「きっと皆珍しかったとおもいますよ。僕も、あっ本物のお琴だ、すげー弾いてるよ、って口をぽかんと開けて見ちゃいましたもん。」と、言われました。今や、和楽器は施設の方のみならず職員の方達にとっても珍しいものになってしまっている現実も回をかさねる度に感じます。土屋氏とも、「この活動は自分のできることで人によろこんでいただけると始めたことだけれど、尺八や琴の普及という意味も持っているのかもしれないね。だいだい８割方、生演奏は初めて、という方だから。今まで１０回ちかくやってきたということは５０名の８割で４０人×１０＝４００人以上の方にご紹介してきていることになる。おおいに意義あることかもしれないね。」と、帰り道ではなしあいました。

腕前がないのに・・・と活動を始める前は躊躇したこともありましたが、人間なんでもやってみることは大切だなと感じています。頭の中で、ああでもないこうでもないと考えているばかりでは前にも後にも進みませんもの。生きたお勉強をさせていただいているのかもしれない、と（財）東京善意銀行でのボランティア演奏３年目を迎えて感じています。