虫ピンとシート
 人形の足は虫ピンで止めます・・・・
コレではタイトルで話が終わってしまうのでウオレスとグルミットのアードマンスタジオの話から。昔、彩工房のスタッフがアードマンのスタッフに会った時に(*1)イギリスでは人形をネジ(ボルト)で止めるそうですが坂道の時はどの様に止めるのですかと聞くと、人形は坂道を歩かないと言う答えだったそうです。さて虫ピン(*2)の止め方ですが初めに虫ピンの頭を切ってから(*3)切った部分をL字かU字にラジペン(ラジオペンチ)で曲げ、カメラの死角(*4)に軽く虫ピンを立てます。一気に刺しても曲がってしまうので足から数ミリ上をラジペンで挟み押し込みこれを数回繰り返し最後はラジペンの腹で押し込みます。この技、美術はもちろん照明もレフを止めたりします。

(*1)逆に日本のTVコマーシャルはどの位の予算で作っているのかと盛んに聞かれたらしい。しばらくして日本でプリンのCMが流れました。なんだそれでか!

(*2)手芸屋に行くとシルクピンと言う物が有りますがこちらは小さい人形などにお好みで

(*3)長さは何度か止めて感覚で覚えて下さい。足に止めてからニッパで切ると人形は動くわピンの頭は飛ぶわでかえってたいへんです。

(*4)死角に止められない時は虫ピンに色を塗ります。

 
鳥取博のサンヨー館の3D人形アニメーションの時の舞台はリアルサイズの机の上と言う設定なので人形はネジ止め、机に開いた穴はモデリングクレイで埋めました。

虫ピンはウエイトにコルクを張り剣山の様に立てて置きましょう。折れピンを捨てる為の磁石や空き瓶もお忘れ無く、アニメーションに集中できる環境作りも作品の一部です。
ウエイト・・・・・ある程度の重さのある安定感のあるものなら何でもいいです。鉛や、鉄の板や、煉瓦など。
 
シート(スクリプト用紙)
 
カットの秒数に制約が無い作品で有れば必要無さそうですが、だらだらとしたメリハリの無いアニメに成りがちなのでやはり、キャラクターの気持ちを理解するのも大切ですが計算もしなくてはいけませんのでシートは書きましょう。たとえ計算通りに行かなくても勉強に成ります、セルアニメのシートを使っている所が多い様ですがソレはあくまで出来上がった動きを線画台で撮影するための物です。慣れればソレで十分ですが初めの内は動きを分散して詳しく書く方法をお勧めします。

用紙の左端から右端までを1秒とします。正方形のますを30個(フイルムは24個)それを三段を付けて書きます升目の上に数字を書いたり5升置きに縦線を太くするなり工夫しましょう。それを1ブロックとして余白は書き込みしますのですきまを多めに取り何ブロックか書きます。初めの内の書き込みは動きのパーツを出来るだけ分割して升を何段でも使って書きます。書き込み方は自由ですが、例えばうつむいている人が声を掛けられて振り向く芝居は、@目を開ける A頭上げ B目線 C振り向く D体回す、と分解すると下図のような書き込みになります。

 
慣れて来れば自然と書き込みも減りますが全て2駒撮りや3駒撮りと決めつけないで動き始めや終わりは(つめの部分)触った位で1駒撮りなど工夫しましょう。ビデオやフィルムを駒送りで見ると解るのですが、一つの動作が終わる前に次の動作が始まっているものです。(ダブリや予備動作)
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