好き。

 

 

 オレは頭がおかしいんじゃないかと思う。
 弟のアルフォンスのことが大切で、大切で、大好きで。
 その魂が、その精神が、その肉体が。
 愛しくて愛しくてたまらない。
 その入れ物さえも。
 オレはもう、おかしいのだろう。
 無機質な鎧。それはただ、弟の魂を移しているだけのものにすぎないのに。
 愛しくて…本当に、愛しくて。
 どうしようもない気持ちになる。

 その腕が好き。力強い腕が好き。
 その背中が好き。広い背中が好き。
 その手が好き。優しい手が好き。

 首を傾げる仕草が、妙に幼くて可愛いらしい。
 表情は変わらなくても、全身で表す喜怒哀楽が微笑ましい。
 力が強くて、オレなんて軽く持ち上げられて。
 組み手でも、一度も勝ったことがない。

 強くて優しい。頼もしくて可愛らしい。
 一緒に居ると安心する。癒される。

 オレよりもはるかに高い位置から、優しく見下ろしてくる角度が好き。
 オレと目線を合わせようと、屈みこむ仕草が好き。
 大きな身体を精一杯小さくして膝を抱えている様は、抱きしめて包んでやりたくなるほどに可愛い。

 好き。好き。大好き。
 鎧の身体に魂を定着された弟よ。
 そんなおまえの姿を、オレがこれほど愛しく思っていると知ったら。
 おまえはどう思うだろう?
 おまえは怒るかな…。

 なあ、それでも。
 オレは、おまえのその入れ物も、愛しくて愛しくてたまらないんだ。

 世界で一番愛しい弟よ。
 いつか、この気持ちを伝えることが出来たなら。
 おまえは笑ってくれるだろうか。

 出来れば、生身の身体を取り戻したおまえに。
 告げてみたい。
 あの鎧が、こんなにも愛しかったのだと。

 

<あとがき >
2006.5.11作。鎧フェチなエドワードさんの独白(笑)。日記に載せようかと思っていたのですが、思ったよりも長くなったのでこちらに転用。
実は「鎧バトン」の回答を考えていて出来た作品。 そして肝心のバトンは回答してない。(ダメ人間)。
2006.5.26.up