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「エド」
「エドワード」
「エドワード・エルリック…」
その名前を、口の中で何度も呟いてみる。
それは、間違いなくボクの兄の名で。
けれど、その名前で呼ばれている彼は。
ボクの知っている「兄さん」ではない。
否。
兄さんなのだろう。確かに、彼は。
面影はある。けれど。
長く伸ばされた、美しい髪の毛。
すらりとした身体。
憂いを含んで、どこか悲しげな瞳。
こんなに美しいひとを、ボクは知らない。
このひとを見ると、ボクの心臓は激しく音を立てる。
死んでしまうのではないか、と思うぐらいに。それは息苦しい。
兄さん。
ボクの兄さん。
短い髪の毛が、太陽にきらきら輝いていて。
同じように、瞳も明るく輝いていた。
小さな身体は、全身でその勝気なやんちゃさを表して。
明るくて、元気で、意地っ張りで、意地悪で、でも優しくて、頼りになる兄さん。
あの兄さんはどこに行ってしまったんだろう?
皆は、目の前に居るこのひとが、兄さんなのだというけれど。
「エド」
「エドワード」
「エドワード・エルリック」
ボクにとってその名前は。甘い響きを持つ名前になっていた。
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