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アニばら観察日記


アニばら後半戦に突入~!で、主演女優が一旦交代です。
ロマンの絶頂から・・・ようこそダークな世界へ。



第21話 「黒ばらは夜ひらく」




はい!アニばらワールド、この回から後半戦となります。
第21話「黒ばらは夜ひらく」・・・タイトルからして、いかにもよくない感じですね。原作を知らない人が聞いても、「あー・・・なんか嫌な予感がするね!」ってなもんです。
で、想像通り、よくない要素てんこ盛り盛り~で後半戦の火蓋は切って落とされるのです。


首飾り事件勃発。・・・ひえぇぇぇ~~~~~・・・

あーさてさて、涙涙のグランドロマンから物語は一気に暗転・・・・・超デンジャラスモードで己が『少女モノ』であることをガンガン忘れて突っ走っていく『アニメ・ベルサイユのばら』!!・・・大丈夫なんでしょうか・・・?

まず・・・主演女優が一旦“白ばら”から“黒ばら”へ。つまりはオスカル様からジャンヌ姉さんへとバトンタッチされます。この二人・・・両者ともに激しい星のもとで逞しく生きる美しい女人ではありますが、いかんせんタイプが違います。
ちなみに原作だと二人の年齢、どういう設定なのかよく分かりませんが・・・アニメでは同い年です(必殺断定)。どっちが年上でどっちが年下ということはない。オスカル様とジャンヌ姉さんはタメです。同じ時間を全く異なる環境で生きてきた女たちの、これから苛酷な戦いが始まります・・・もちろん、アントワネット様も含めてでございますよ~・・・。


ジャンヌというキャラクター。私は彼女が大好きです!
当然彼女はヒール。ことごとく真っ当な生き方を選ばないので彼女に近寄った者は長生きできません。ある者は踏み台にされ、またある者は道連れにされ~・・・うっかり僕となったものは漏れなく、その人生を蝕まれます。
危険極まりない・・・そう!ジャンヌは“美しい悪魔”なのです!!
それなのに、ああそれなのに!!私はベルファンの間で「わたしジャンヌって嫌い」と言う人を知りません。ジャンヌ・・・恐ろしい女です。どうしようもない悪女であるにも関わらず・・・貴女にたまらなくシンパシー・・・チンパンジーではありません。シンパシー=同情、共感です。・・・馬鹿にすんなよ?・・・すいません・・・(汗っ)

くだらない事を時々織り込んで、息抜きしながらやりましょう。でないとここから先のアニばらはTooヘヴィ~・・・とても身がもたないんですけど出崎さん。という展開なのです。

で、ジャンヌです。ここから先何話かは、まさしく彼女のためのヒールの花道・・・「レディ~ス アンド ジェントルメ~ン!ジャンヌ・オン・ステーーージ!!!」と叫びたくなる程の画面は黒ばらモード!!
神をあざ笑い、道徳を無視し、君よ走れっ!!!・・・調子よく盛り上げてる場合ではありません。オスカル様に怒られます。しかしですね、ジャンヌのこの存在感、人気の高さは怒ってどうなるものではありません。この人は人を惹き付ける。どう見ても彼女は魅力的です・・・背徳の香りに包まれ、眺める物語はジャンヌこそがヒロイン・・・(束の間の)!

という事で、その魅力についてぼちぼち検証していきましょう。
まずは21話導入部、こーゆー妖しくアンニュイなムードは前回、前々回から引き続いての感がありますが、出て来る人に雲泥の差があります・・・。アントワネット様にのぼせ上がってしまったのは同じですが、哀しいかな、このキャラクター設定の落差よ!
フェルゼン伯遠征につき、今回からローアン大司教を投入します。
テンション下がりますね・・・そりゃ当然、無理もありません。
しかし、この男・・・こいつってアニばらを議論する上では相当重要な人物なんですよ。ベルばらというストーリーの中、与えられた役割は同じはずですが・・・こいつってば原作のそれじゃない。どんなに滑稽な仕草も、アニメのローアンは怖いです。全然笑えない・・・。
首飾り事件、原作から受ける印象だとサスペンス半分、ユーモア半分。ローアン大司教ってコロコロとした結構可愛らしいキャラクターですよ。ところがどっこい・・・アニメのこいつは病的です。女帝陛下が毛嫌いしたくなる気持ちも分かるわぁ・・・。
ぁ~あ、らんぱっぱ♪らんぱっぱぁ♪ルイ・ド・ローアンよ!あんた、ユーモアのすべてを何処へ置いて来た?
アニばらの冗談通じない世界観が、ローアン大司教には如実に表れています。ゆえに、萌え。
こーゆーダークな画面が好きで、私は舐めるようにアニばらを観ております・・・。


賭博場を近衛の制服で歩き回るという・・・まったくTPOをわきまえないダメダメな夫を従え、「勝負!!」と一発気合いのジャンヌ姉さん。OP映像をはさんで、ローアンとの密談はあろうことかステンドグラス美しい神聖な教会内です。こんな煩悩じゅくじゅくのお願い事を、神様が聞き入れてくれると思ってるんでしょうか?こんな男が“僧侶としてフランス最高の地位にある男”と言うのだから、世も末ですね。

場面変わりまして~・・・涼やかな潮風を感じて、やって来ました・・・・・ここって何処!?
ノルマンディーです。

ノルマンディー・・・ジャルジェ家はここに別荘があるらしく。この設定はアニメのオリジナルです。

何故ノルマンディーなのでしょうか?これについては1979年のアニばら放送開始の少し前、公募で実現されたルパン三世『ベルサイユに愛は燃えた』が大いに関係していると思うのです。あの作品で・・・相当印象的な形でノルマンディーは出て来ましたから。同じ制作会社ですからね、いろいろと関連することがあるのでしょう。
で、ノルマンディーですが・・・ネットでチラッと調べました。そしたらですねー・・・けっこう複雑な意図があるのかもしれませんよ。海・・・確かに海を出したいのならノルマンディーは都合が良かったかもしれません。パリからまぁまぁ便利で近い距離に位置しています。フェル伯が軍艦ジャゾン号に乗り、出征したブレストの港よりも、別荘は至近にあるという事になります。

更に・・・ノルマンディーという名前からも分かるように、この地は北欧と深い関係があるのです。長くこの地を領有していたノルマンディー公は、北欧のバイキングの末裔だそうですよ。それとここは地形的、気候的にぶどうが収穫しにくい地域らしく、代わりに『りんごのお酒』が名産ということで!
・・・ビンゴ。
別コンテンツの劇場にて、勝手にこじつけ、妄想しちゃいました♪

で、まとまった休暇でも取れたのでしょうか、やって来たノルマンディー。「オスカル様、お茶が入りました」の声で、なんだお前も居たのかロザリーよ・・・ややガッカリしますが、そりゃそうですね。傷心のオスカル様とアンドレを、こんなところで二人っきりにしては・・・あと大変なことになりましょう、大変なことになるのはもうちょっと後に取っておきましょう。てか、今は駄目です・・・オスカル様の頭の中にあるのはフェルゼンのことのみ。どんな気分転換を試みたところで、ふとした瞬間に、彼女のココロは遠く数千マイルの彼方へブッ飛ぶのです・・・。
ひゅ~るり~~ひゅ~るり~~らら~~・・・・・

それはそうと、海岸を馬で駆けるオスカル様とアンドレ。
・・・これこれ、これですよ・・・(涙)。やや逆光の海岸線を馬で疾走するオスカル様とアンドレに、早くも目頭が熱くなります。・・・ホントにロザリーが邪魔じゃのう(怒・・)。

ってところで、前方に負のオーラ全開で佇む黒い女発見・・・。・・ジャンヌ姉さん・・!?髪質変わっての登場です。
賭博で儲けたお金で縮毛矯正でもほどこしたんでしょうか?見事なストレートヘアーです。ブロンドもいいけどブルネットもええなぁ~。で、ベルサイユからわざわざ、賄賂をお届けに来ました。なジャンヌ姉さん・・・自分では持てないくらいの金貨の量なので、ロバにしょわせています。渋いのう!
でも・・・まったく歓迎されず鞭でブッ叩かれてしまうのだからロバも気の毒です。フガッ~~~(啼き)!!

この場面、いいですねぇ・・・明るい陽のもと雄大な自然をバックに、ジャンヌの堂々かつエレガントな賄賂贈呈。拒否するでしょう・・・そりゃ当然オスカル様は拒否するでしょう。しかし「お上品ですこと・・・」から始まるジャンヌの捨て台詞もなかなか魅力的です。「貴女みたいな人はよくいるけど、あたしが一番魅力を感じない種類の人だわ」って・・・贈賄に失敗した姉さんはバカ笑いです。開き直るの早っ!!
その後も魅力的なジャンヌの独壇場は続きます。
まずは久し振りに再会したロザリーに・・・・・姉さんってば酔っ払ってるんでしょうか?燦燦と降り注ぐ太陽などものともしない気だるさぶりに、ロザリーはタジタジです。「お腹を空かせたあのみじめな昔を思えば・・・あたしたちが何をしたって神様は許してくれるわよ」って・・・やり手姉妹の愛憎劇に溜め息が出ますね。
場面は転換し、次はカモの本命、ローアン大司教がお相手です。面白いほど簡単に騙される男なので、あまり騙し甲斐もないような気もしますが・・・こんな奴にオスカル・フランソワは金で動く人間だと誤解されるのは、流石に腹が立ちますね。まぁ・・・しばらく様子をみることにしましょう・・・。

ジャンヌ・・・彼女ほどの器量があれば、もっと正攻法で・・・裕福な男を捕まえてフツーに優雅な暮らしができたはずです。しかし・・・要はギャンブラーなのでしょう。常にスリリングな展開を求めてやまないのです。
で、そのパートナーは・・・安定していますね、ニコラスです。この男のどこがそんなに使えるのか分かりませんが、ご夫婦のことですから。きっといろいろと、離れ難い理由があるんでしょうね。悪態つきながらもピッタリ一緒に居る二人を見ていると・・・“ベストカップル”と思わなくもない。髪を結い上げながらオスカル様をソフト罵倒するジャンヌ姉さん・・・とってもセクシーでございました。

はい。次はマークされてるらしいオスカル様のご登場、近衛の訓練風景が見られます。
こっちがマークしてるっちゅうねん。あの男=ニコラスに注目するオスカル様。ジェローデルに軽くプロフィールを訊いて頷きます。ニコラス、ジャンヌ、ローアンが~・・はい、繋がりました。オスカル様の中で、亡きブーレンビリエ侯爵夫人の葬儀の時に感じた嫌な予感が、再び鎌首持ち上げた音がしましたね。
ところでニコラス・ド・ラモット氏・・・妻の作戦が失敗し、注目だけ浴びる結果になりましたが、これも恐らく想定の範囲内だと思います。ジャンヌは悪事を働く際にあまりコソコソしませんし、むしろ賄賂の一件は宣戦布告だったといっていい。ニコラスは何が起きようと何も分かってない男なので、まぁどうでもいいんですけど~。

その後もオスカル様の名を語り、ジャンヌはガンガンローアンを騙していきます。ヒール人口も増え続け、偽レターを書きにレトー登場!貴女のためなら何でも致します。な面子の見栄えが明らかにオスカル様のそれより劣るジャンヌ陣営ですが・・・レトーの気持ち悪さも私はキライではありません。けっこう仕事人みたいですしね。

とんとん拍子に騙され、じゃんじゃん金を放出するローアンに、ジャンヌはなんだか退屈そうです。ウォッカをラッパ飲み~で豪快&色っぽい彼女ですが・・・そろそろスリルが欲しくなってきましたね?そんな時、アホなローアンが行動してくれましたので・・・次のステップに進む良い機会となりました。てか、「は?」なオスカル様ともっとお話していれば・・・あるいは首飾り事件は避けられたかもしれません・・・「は?」なオスカル様・・なんかいいですよね(萌え)・・

さて、次のステップへの準備をしましょう!妻の豪快さにビビッてつべこべ言うダメ夫を連れて・・・てか、こんな時にも近衛の制服で来ちゃうニコラスってどうなんでしょうか?他に服持ってないのかよ~・・バカですね。そりゃまぁいいとして・・・扉を開けて、衝撃のご対面です!
ようこそ!!いらっしゃいました。どうぞゆっくり遊んでらして下さい。一晩でたったの10スウ。先払いが決まりです。それだけを人形のように繰り返す盲目の娼婦はなんとアントワネット様そっくり。大変痛ましい場面ですが、ドッペルゲンガー!?な鮮烈さで物語のなかなか美味しいスパイスです。

そして経つこと4週間。いよいよ、後戻りできない段階へとジャンヌは突き進みます。
アントワネット様の扮装をさせた娼婦にローアンを引き合わせ、決定的にローアンの財布を骨抜きに・・・ってところで、邪魔者登場ーーー!オスカル隊長です。流石のジャンヌも焦ったようですよ・・・走った先が行き止まりと分かると、ニコラスと偽王妃だけを逃がし、自分は近衛連隊長に挑む覚悟で引き返していきます。しかし残念・・・ここで詰問する理由が(あまり)ありませんでした。
運河で水音がしたようだが・・・。さぁ?魚でも跳ねたんじゃ?おのれ、隠し事すんなっーーー!!でいきなり拘束は・・・いくら天下の近衛連隊長といえども過剰反応だと責められましょうから。オスカル様を責めないで下さい。いきなり短剣で襲われなかっただけでも、この場面はよかったです。
しかし・・・ラスト止め絵のジャンヌの怖さときたらっ!!
ホラーです。ナイトメアーなんとかのキャラクターです、これじゃ~。

どきどきどき・・・首飾り事件にきて若干テンションが下がるかと懸念しましたが・・・やっぱアニばらは面白いです。次回以降も張り切って突っ込んでいきますので、皆様後半もどうぞよろしくお願い致します。
つづく!!


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