ヘッダーイメージ 本文へジャンプ

アニばらワイド劇場


第8話「我が心のオスカル」 ~絆Ⅱ~




オスカル・・・オスカル・・・
心で幾度となく繰り返す。気がついてくれ・・・目を開けてくれ・・・


両手に包んだおまえの肌から・・・ひとの温かさが伝わる。
横たわったおまえの蒼白な顔を見つめながら、馬鹿な俺は怖くなって・・・おまえがこのまま永遠に眠り続けてしまうのが怖くなって・・・何時間もおまえの手を離さずにいる。おまえが起きたら、真っ先に「痛いぞ」と苦情を言いそうな程に強く・・・その手を握りしめている。

「俺は、永遠におまえを支える影になる」そう心に誓ったはずなのに・・・もろかったよ。
俺は支えるどころか、おまえの後にすがって溜め息をつく情けなしだ。
・・・おまえを独占できない事が辛いと思った。一心にアントワネット様に尽くすおまえを薄情だと思った・・・。
このうえなく幸運な自分の立場を忘れ、自分だけがいつしか取り残されていくような気がして・・・おまえを見失っていた。
・・・なんの為に存在していると思っていた?俺はオスカルの一体何なんだ!?

・・・・・・許してくれ・・・・・こんな役立たずでいた俺を・・・



人生にはある時突然、終わりが来る。
俺は今日がその時だと思った。やけに冷静にそう思って・・・諦めた。もう何も考えなかった。
・・・だがオスカル・・・おまえは来た。
俺がすっかり諦めて、すべて終わっても仕方がないと思った時に・・・おまえは来てくれた。

・・・信じられなかったんだ・・・。おまえが来たことが。俺の為に命をかけてくれたことが・・・咄嗟には信じられなかった。
それが馬鹿って事だよ・・・な?
オスカル・・・おまえなら、そうする。俺を救う為に、命をかける。・・・おまえはそういう奴だから・・・


俺は何にこだわっていたんだ?何を妬んでいたんだ?
おまえの心が見えなくなった・・・そう思ったのは自分自身を見失ったからだ。

・・・馬鹿野郎・・・自分に問いかけろ!オスカルにじゃない、自分の心に聞いてみろ!!


俺がオスカルを大事に思うなら、くだらない嫉妬はもうするな。

同じ想いでいる・・・。俺たちはいつも、同じ想いでここにいる。
・・・オスカルは絶対に死なない!


もうすぐ朝だ。太陽が昇って・・・新たな一日が始まるんだ。
オスカル・・・目を覚ませ・・・オスカル・・・戻って来い・・・!



「オスカル!!」



                

アニばらワイド劇場TOPへ戻る


フッターイメージ