ヘッダーイメージ 本文へジャンプ

アニばらワイド劇場


第2話「舞え!オーストリアの蝶」 ~手紙~




親愛なるお母様
これは遠く離れたフランスの地から、マリーが最初に差し上げる手紙です。
もっとも、実際にお母様がこれを読まれることはありません。心の中で・・・マリーはいつもお母様に語りかけます。

お母様とお別れしてすぐ・・・本当にすぐ・・・恐らくお母様が知ったら卒倒なさる程の振る舞いをマリーは致しました。・・・もうお耳に入ったでしょうか?それともマリーの巻き起こした騒動は永遠に隠されることになるのでしょうか?もちろん、わたくしは後の方を望みます!お母様の寿命を縮めたくはありませんもの。でも・・・お母様、わたくしはわたくしの我儘により、フランスの地に居るそれはそれは素晴らしい人物の活躍を目の当たりにする事が出来たのです!!
幼い頃に読んだ神話のニンフそのままの姿でわたくしを救い出したその人は・・・なんと若き近衛の隊長、この先、永遠にわたくしを守って下さる、わたくしだけの近衛の隊長だったのです。

女・・・なのですよ!その方はわたくしと同じ歳の凛々しく美しい・・・女の方なのです!!

お母様、フランスは何もかもが驚きに満ち、ただただ目を見張ることで一日が過ぎてゆきます。
誰もがわたくしに憧れ、誰もがわたくしを愛してくれる!!ベルサイユは素晴らしいところです。
・・・近衛の隊長オスカル・フランソワはそんなわたくしが少し心配な様子ですけど。
・・・でも大丈夫!マリーは絶対に傷付いたりしません。オスカル・フランソワが一番近くで守って下さるんですもの!

ああ・・・オスカル・・・!!なんて清らかで爽やかな・・・そしてほんの少しだけ冷たい響きが何度でも呼びかけたくなるお名前でしょう?
決めたのです。あなたはわたくしの一番のお友達。わたくしはあなたに守られ、あなたはわたくしに守られるのです!この先、ずっと・・・


お母様、フランスは、ベルサイユは素晴らしいところです!マリーは人々に愛され、きっと幸せな女王になれる事でしょう。
親愛なるお母様、マリーはいつもお母様のことを思います。お母様もマリーのことを思って下さい!!
心から愛を込めて・・・


                         マリー・アントワネット


アニばらワイド劇場TOPへ戻る


フッターイメージ