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アニばら観察日記


待ってました!フェルゼン伯爵!!
・・・僕ちゃん、ベルサイユを潤しにスウェーデンからやって来ました。



第7話 「愛の手紙は誰の手で?」



いよいよ・・・いよいよ・・・!世紀の色男、キングオブ愛人、北欧の貴公子ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯爵の登場で~す!!

彼に逢うため、いざっ!オペラ座の仮面舞踏会へ!!しかし・・・このように重大なエピソードのある今回、『愛の手紙は誰の手で?』と言うタイトルは少し意外な気がしませんか?

いきなり脱線しますが、アニばらは、この一話ごとのタイトルのつけ方が非常に巧いと思います。ファンならば全40話分丸暗記は必須項目ですが、ホント!どれをとってもダサくない。
中にはただのサブタイトルだけでは惜しいくらいにドラマティックなものもありますね。たとえば・・「アンドレ、青いレモン」なんかはその代表格ではないですか?他にも「フェルゼン、名残の輪舞」や「嵐のプレリュード」なんかも素敵な響きですし、「お前は光、俺は影」なんて直球も、それだけで泣けてきます。
学生時代、授業が暇だとおもむろに《趣味のノート》を取り出し、このアニばら全40話のサブタイトル、書き出してみたもんです。飽きもせず何回も。・・・するとです・・・不思議なもので確かに文字には命が宿っていました。
1話から40話まで、それだけで流れるようなドラマがあります。

サクランボのアニばらサブタイトル萌え・・・語り出したらキリが無いのでここでは自制しときます。あ!でもこれだけ!!アフレコ前の仮タイトルですと、・・・けっこう酷いのがありました。一番笑えたのは31話。仮のままだとタイトルは「女隊長大きらい!」だったようです。・・・子供か?本タイトルは皆さんご存知「兵営に咲くリラの花」という・・・とても趣のあるものになってますので、ホントに良かったです。

話を戻しまして、第7話。ただの気まぐれで夜の街へ遊びに行くアントワネット様ではないんですね。結婚以来、何かとヲタクな王太子殿下にまったく構って貰えず寂しく切ないアントワネット様。史実だと更に【王太子はインポ・・】なのですから、かなり不幸な結婚生活であることは否めません。で、この事を少しでも事前に説明しておく脚本は親切です。オーバーな言い方をするなら、不倫という難しいテーマに対して前置きがあって良かったと思います。まぁ、そこまでは深刻に書いてませんけど・・・
とにかくアントワネット様はどうしようもなくお寂しい。だから多少の我儘には目をつぶってさしあげた方がいいのだ・・というオスカル様の心理に対する説明にもなりましょう。


オスカル様は近衛隊長という立場で、実に様々な場面で王太子ご夫妻をサポートしていらっしゃるのです。

まずはアントワネット様の満たされない思いを慮り、一方では王太子ご自身からも悩みを打ち明けられている。

ひとは誰かれかまわず心中を吐露するわけではありません。なのでアントワネット様はともかく、王太子殿下がふとした時にオスカル様に話しかけ「こんなこと、ひとには言わないで欲しいんだ。」と照れくさそうに頼む場面を作った脚本家さんは素晴らしいと思います。ご夫妻はオスカル様にならなんでも話せるのです。


アニメのオスカル様とはそーゆー人。
人々の苦しい胸のうちを・・・そっと聞いて受け止めて、言葉ではない優しさで返して下さる方なのです。


細かいところで《オスカル愛》がヒートアップしていきますが、この回やはり注目すべきはパリ・オペラ座。本格的に三人が揃う運命の仮面舞踏会なのです!!


さぁ、好奇心パンパンで繰り出した生まれて初めての娑婆のパーチー!妃殿下は何でもかんでも新鮮で楽しくって仕方ないって感じです。そんなノリノリなお嬢さんに、斜から熱~い視線を送る一人の青年貴族。ここでフェルゼンが見せる北欧風キメの微笑みときたら~~~・・・
このキラキラ感、恥ずかしいです。
以前隣でこの場面を観てしまった旦那が、弾けたように、爆笑しました。更に仮面の下に隠された優雅なかんばせを一目・・・で恋に落ちる瞬間!ここのご両人の絵も相当・・・笑。運命のひとに出逢う時、ひとはこのように恥ずかしくキラキラしてしまうものなんですね・・・。
と言ったところで、オスカル様登場~!!

ああ田島令子さん、台詞の内容のわりに、やけに冷静な口調が素敵です。彼女のこれが・・・ツボなのです。

こーゆー重要な場面ほど、無駄に熱くなって欲しくないと私は思うのです!
シリアス劇の場合、くどい演技は客をしらけさせます。それはアニメーションだって同じ事。田島令子さん独特のこの冷静さ!アニメのオスカル様の魅力は間違いなくここにあるのです。

それはそうとこの第7話、運命の出逢いatオペラ座の場面は意外にあっさり終わるんですねぇ。
じゃあメインのエピソードは何なのかと言うと・・・はい、小休止を終えて再び登板!デストロイヤーデュバリーが企む
『愛の偽手紙事件』なのです。
あの女、まだ勢力衰えてなかったんですね・・。

さて今回の事件。解決への一番の功労者はジェローデルです。

前回のアンドレといい今回のジェロといい、アニメの彼らはなかなかどうして鼻が利き尾行も上手。非常に役に立つ男たちなのです。そんな優秀な部下たちの手柄で、今回も悪役の計画は失敗に終わるのですが、興味深いのは証人確保に乗り込む場面。オスカル様、ジェローデル、アンドレの三人は仕事中殆ど行動を共にしている雰囲気です。そして、フィジカルワークはやはり平民担当。ドアを蹴破ったり、窓ガラスを叩き割っての荒技はアンドレが自然とやらされています。思うに・・・火炎瓶が投げ込まれて「しまった!謀られた!」の時も・・ジェロではなくアンドレが体当たりすれば、開いたのです、きっと。

ジェロの品のいい当たり方で格段にハザードレベルが上がった三人は、揃ってセーヌへダイハード!!!

演出としては滑らかでした。

さて翌日、デュバリー夫人は三人を見て一瞬「幽霊!?」と思ったかもしれません。内心怒髪天を突いていながら、「あんたが犯人やろ!?」とハッキリ言わないオスカル様と部下二名。去ってゆく後ろ姿があまりにかっちょええので、デュバリーもそりゃ悔し涙、流しますでしょうってなもんです。

そんなこんなで、何も知らずにときめく胸を押さえきれない暢気な妃殿下・・・先がめっちゃ思いやられるーーー・・な苦労症オスカル様にビンビン共感したところで、つづく。




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