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アニばら観察日記


いよいよファイナルステージ!衛兵隊B中隊編に突入だ!!
今までお人形だったとは思いませんが、ここからウルトラハードデイズなのは確かです・・・涙。



第29話 「歩き始めた人形」



これを書いております2010年6月下旬現在、世界はFIFAワールドカップ・南アフリカ大会に燃えているわけです。
ということで、変化するオスカル様の軍服が・・・私にはどうしても“ジャパンブルー”に見えてしまう。
とは言え、ジジむさく、ふてぶてしい面構えのB中隊の奴らの中には「サムライ」と呼ぶにはやや品位に欠けた輩も数多く居てるわけで~・・・が、ええじゃないか!この際萌えられる要素があれば何でも利用し、感動の限りを・・・皆さん!!共に味わい、しゃぶり尽くそうではないですかーーっ!!!

もっとも、青いユニフォームをまとって闘うのは何も日本だけではありません。ベルサイユのばらの本場(つ~かなんつ~か)フランス代表のユニフォームにも是非注目してみて下さいね(って、彼らはグループリーグで敗退しましたけどね・・・)。フランス代表は3色のユニフォームを試合ごとに使い分けているのです。その3色とは当然『青・白・赤』、革命軍の帽章にちなんで青=自由、白=平等、赤=博愛の意味を持っているわけで。更に・・・ご存知の方も多いと思いますが、彼ら(代表選手たち)の愛称、これを『レ・ブルー(Les Blues)』といい、なんとフランス語で「青」の複数形・・・・・サッカー選手としての誇りと国の名誉のために、広いピッチを駆けずり回って必死に闘う、彼らも素晴らしき青獅子たちであるわけなのですよっ!!

うぉ~~~・・ん。日本、フランスに限らず大変ポピュラーな色ではありますが、今ちょっとセンシティブになっているので、青という色に対してオーバーに反応してしまいます。。。
Les Bluesの皆さん・・・試合での闘いぶりよりもチーム間の不仲や練習ボイコット等マイナスの部分で有名になり、スキャンダルにまみれたまま早々に姿を消してしまった今大会ではありますが・・・はよ立ち直って、いつぞやの勇姿をまた見せて下さいね。
と、現代のW杯ユニフォームでもその由来はいろいろあるわけですが、ベルばらのキャラクターたちが着用するお衣装にも、きっと明確な理由があるんでしょうね。それは・・・まぁ単純にトリコロールカラーだと思います。18世紀フランスの輝くスタァ、オスカル様のお召しになられる軍服が白から赤になり、最終的に自由を表す青へと変化。リバティーブルーとでも言うんでしょうか。
とにかく彩色さんが寒色系を大量に使うのですっかり地味になったアニばらワールド(苦笑)はこの先益々もって『革命』の色を濃くしていくわけなのです。

んで、改めて・・・アニばらってばどーゆージャンルのアニメなんだか解らない・・・。
私は再放送でこの物語に夢中になり、まもなくビクターから発売されたビデオを買って日々感動を噛み締めた世代なのです。で、当時4話収録全10巻(総集編別)だったビデオの、「歩き始めた人形」は8巻アタマの作品だったのですが~、この8巻。特に貪るように観まくりました。大好きな場面が満載です。でも一言でいうと「もー・・・なんだこりゃ!?」ですよ。

少女モノでありながら画面を支配するのはケダモノすれすれの厳つい男、男、男・・・・・雑に描き殴られた男まみれの渋いというか汚い群像劇に孤高の白薔薇が一輪・・・・・


後半に入り監督が変わって「このアニメのメインターゲットはいったい誰なのだ?」と思うところは多々ありましたが、ここまで荒れ放題になるとは連載当時の大ブームを知らない再放送世代も流石に仰天し、引っ繰り返ると言うものです。
しかし「嗚呼~・・・オスカル様の孤立無援の切ない御奮闘っぷり・・・とても見ていられない」なんてグダグダ言って感傷に浸っていると、遠く取り残されるので気をつけて下さい。オスカル様はそんなにヤワではないのです。事情はどうあれ、メインターゲットが誰であれ、気高きハートブレイカーは自ら望んだ修羅の道を険し~いお顔つきで一切めげる事なく、果敢に突っ走ってゆくのです。その雄姿ときたらケダモノたちの中にあって一層神々しく、女を捨てようとすればするほど何故だか破滅的な程にエロティックで美しい・・・も~辛抱たまらん。。。

と言うわけで私などの真性アニばらヲタクはどんなにデザインを簡略化されようが“蒼い軍服のオスカル様”に萌えに萌えてしまうわけなんですが、一方で解りやすいラブ要素が徹底的に排除される展開についてちょっとした懸念もあるわけで・・・。
(一応)少女モノというカテゴリーにあるという現実と極力リアリティーにこだわろうとする姿勢。これを天秤にかけた時に出崎氏のやり方は少し後者に偏ってしまったのではなかろうか。しかし私は「こんなの私たちの好きなベルサイユのばらじゃない!」と原作ファンが言うのなら、それでいいじゃないか。と思うのです。
意地やプライドが拮抗するも、世の中に対してはこれといって夢も希望もなく、ただ金の為に雇われてる雑魚の集団。そーゆー荒れた男の世界を描こうとしたら、間違いなく衛兵隊はこうなります。
現実的な恋に目覚めてドキドキするオスカル様や反発しながらも新隊長に惚れてってしまう若い隊員たち・・・のようないかにも女子好みの甘酸っぱいムードはALL削除といった殺伐とした画面の中で、こっちにはこっちの萌える場面がてんこ盛り盛り!分かる人には分かる!!のであるのですから♪

とにかく別ばらと割り切って、殆どオリジナルの衛兵隊編。まずは黙って、観てみよ~よ。
そーゆーわけなので、ここから先は1話1話毎のエピソードを細切れにして云々言うのではなく、ラストまで一気に流れる壮大な人間ドラマを、ただただ見守るのがイイと思います。もう「本当は○○は△△が好きなんだよ~!」とかって学園モノみたいなノリで胸をときめかせている場合ではない・・・キャラクターたちはエブリディ「生きるか死ぬか」の精神的戦場を果敢にサバイバルしているのです。「ばかやろーっ!色恋で飯が食えっかよーっ!!」という野次が飛び交う中、充満する粗野な男臭。男汁de大洪水警報は南アフリカ大会名物ブブゼラのそれよりも熱く、けたたましく・・・世界中に鳴り響いているのです・・・

さて、自分勝手に盛り上がったところでなんですが、アニばら鑑賞の醍醐味はまず第一に、「ひたすら静観することにある」と私は思います。
妄想の塊めが何を言うか?とお思いでしょうが・・・実際問題、落ち着いて最後まで観てみない事にはアニばらの制作者たちが何を言いたかったのか解らないと思います。ベルサイユのばらという素敵な作品を借り、それを汗水垂らして捻って捻って、新しくそこにどんなメッセージを込めようとしたのか・・・そこんところ、これから根気よ~く観察していこうではありませんか。
と、ここまでもしかして前置きだったのか?と驚かれるかと思うのですが、好き過ぎて簡単には前に進めない私の想い・・・というのをタップリ込めながら、改めて「歩き始めた人形」観ていきたいと思います。


黒い騎士事件で血圧上昇、だいぶ皺と白髪が増えたと思われるこの人、父ジャルジェ将軍の「オスカルーっ!」の呼び声から今回の物語は始まります。
日頃から何かとテンション高そうな人ですが・・・今日はまた、シャレにならない様子で娘を探しています。ところが、殺気を感じたのか一足先にオスカル様は馬に乗り出ていってしまいましたので、仕方ない・・・鳩に囲まれ妙に哀愁漂う娘の下僕、アンドレに詰め寄ったろう。
と、まぁ分からないではありませんが口調がいきなり喧嘩腰だったりするので(←いつもの事ですが)アンドレは口を割りません。
てか、「フェルゼン伯と決定的に別れる事になったオスカルはこれ以上ベルサイユにいる事が耐え難くなり、必然的に近衛隊を去る決意をしたようですが、そんなあいつを見ていたら俺の方もたまんなくムラムラしてきて~、我慢できなくなっちゃって~、なんか引っぱたかれたし~・・・無理矢理チッスして、とうとう押し倒しちゃいました!・・・そんな事があったもんだから、俺にはもう詳しい動向なんて話してくれやしませんよ。まったく、娘さん・・・何考えてるんだか、心配は尽きないですよね~・・・・・」
なんて、アンドレ口が裂けても、言えやしない、言えやしないよおやじさん。
言ったが最後、二度と鳩と戯れることは叶わないでしょう。その場でお手打ちか、よくてジャルジェ家から永久追放?むしろ、何も知らないでいるあんたは幸せだよなぁ~・・・。。。と、ジャルジェ将軍を見る度に私は複雑な思いでいっぱいになるのです。

そんな困った男たちをよそに馬で疾走する娘さん。一度スイッチが入るとなかなかどうして破天荒な行動を起こす方なので、いやホントにいろいろと・・・ベクトルの方向が間違ってると思うのですが・・・とにかく「激しい勤務先求む!!」の姿勢は強固なようです。
トホホ~・・・・・付き合うシロちゃん(馬です)はたまったものではなく、ヒヒヒ~・・・ン(溜め息)ですよ、まったく。


さて、オスカル様から頭を下げられたアントワネット様。流石に海軍や国境警備隊という無茶な希望はきけなかったようで、【フランス衛兵隊B部隊、部隊長】という任務を任す事になりました。これならまだベルサイユの範囲に居るわけだし、一応陸軍である限り様子も逐一チェックできるだろうという配慮があったのかもしれません。で、これはあくまでもついでなのですが、アニメのオスカル様は何か理想を持って転属を希望したわけではありません。なんせ行き先は海軍でも国境警備隊でも何処でもよかったのです。そこに「近衛隊よりも“国民”を守る為の軍隊へ!」等というホットな思いがあろうはずがありません。とりあえず目の前の辛い事から逃げ、衛兵隊に配属されたのはたまたま・・・まぁこれが後にたまたまではなかったという事になるのかもしれませんが、とにかく現時点では、原作オスカル様とアニメのオスカル様とでは転職におけるモチベーションに雲泥の差がある。と思って戴けると、これからの展開がより納得しやすいものとなるかもしれません。悪い意味ではなく、アニばらはそーゆーところが面白いのですから。

さて、・・・気の毒なのは深い事情を何も知らぬ部下たちです。
彼らは・・・恐らく突然、本当に突然、「今日、最後の閲兵式だから」と言われたのです。てか閲兵式の最中もひょっとしたら詳しい事は知らされてなかったのかもしれません。
あぅ~・・・そうせざるを得なかったオスカル様の心中を思うと・・・それも相当切ないのですが、やはり理由も告げられず突如去られる側はたまったものではありません。どーゆーわけなんすか!?と必死で詰め寄るジェローデル。彼なんぞはアップで映った顔色がもう土色になってもうて・・・内心「急性パニック障害!」のような状態なはずですよ。可哀想に・・・・・涙。
辛うじて平静さを保ってはおりますが、「あの!あのっ!!我々に何か落ち度でもあったんでしょうかっ!?・・・きゃー・・・隊長があんな低レベルで腐ったヤンキー揃いの衛兵隊に転属するなんて信じられないっ!!お~ジーザス、一体どうしたって言うのだ!?」なジェローデル。以下、そこまででないにしろやはり未練たっぷりでテンパり気味な名も無き部下たちよ・・・すまん・・・・・あまりに憐れで申し訳なくて、これ以上見ていられん。という感じでしょうか・・・「私の後任にはおまえを推挙した。あとはよろしく頼む」と精一杯ドライに必要事項だけを告げるオスカル様・・・哀愁漂いまくりの余韻を残して・・・静かに近衛の司令官室(かどうかは定かではありませんが)を後にします。

というところで、胸に鉛の弾を撃ち込まれたような心境のオスカル様。の前に・・・出たよ、鉛の元凶(アンドレ)が。

ところでこの場面って、例の出来事からどれくらい経ってるんでしょうか?
あれ以来、二人は初めて顔を合わせるんでしょうか?
お互いチラ見くらいはする機会くらいは、この前にもあったかもしれない・・・でも、がっつり待ち伏せされるのは、ねぇ・・・。あれ以来初めてだと思いますよ・・・だからこそのこの気まずさっ!!どうしようもない他人行儀感っ!!!・・・逆に萌える~~~・・・。
シカトすんのかと思わせて「アンドレ」と話しかけるオスカル様が極力平静を装っているのに対して、アンドレの「はい」って返事・・・そりゃないだろ。ここで・・・出来ればもっとカジュアルに「嗚呼よかった~・・・無視されんのかと思っちゃた~~~!オスカル、この間はごめんよ。反省してます、反省してます、反省してます・・・」と繰り返していれば、もしかすると仲直りできてノルマンディーにも連れて行って貰えたのでは?いや、それは無い(反語)。

この二人のこーゆーヘビーなムードに、アニばらマニアはとにかく萌えます。


キラキラと降り注ぐ春の明るい陽射しの中、背中越しの「今日から私の供はしなくてもよい」が絶望的な響きをもってアンドレを直撃。更に・・・この間のこと、オスカルは別に怒ってはいない。だが・・・記憶にも留めないんだってさー・・・・めっちゃズド~・・ン・・・・。

あの~、お互いイイ大人なので、こーゆー事はそもそも怒るとか怒らないとかの問題ではないような気もします。勿論ここには身分制度という鉄壁の障害が立ちはだかってはいるのですが・・・とはいえ、本人たちがその気になればいくらでも打開策があったはず!?特にアニばら世界では貴族の権威などこの時点で半壊しているも同然なので~・・・都合よく考えれば結ばれた二人は移民としてアメリカ大陸にでも渡っちゃえーっ!!てな話なのです。嗚呼メイフラワ~・・・♪(←時代考証めちゃくちゃですみません)
話を戻しまして・・・ここでショックなのはオスカル様から頑として「おまえの気持ちは受け入れられん」と宣言された事にあるわけで・・・鬼の形相で断固拒否ってわけではないんですが・・・記憶にも留めない=なかった事にしよう=決死の告白は完全玉砕ってこと・・・?という、アンドレにとっては悲劇的な図式が頭に浮かぶわけです。
ぅぉ~・・・もっと激しく怒ってくれればまだマシなのに(?)、氷のようなそのクールさが余計ハートに突き刺さる~・・・・・・しかし、彼らのことですから!・・・ただ素直じゃないだけ。心の奥では「私ひとりでは何もできない・・・」というえらく控えめな原作オスカル様の心境に近い想いだって、きっとあるはずなのです。でも、この人のケースはそーゆー事を言葉にしてる場合ではないの。涙。
返す返す、性格も状況も違うのです。
オスカル様もアンドレも、本当は溢れる想いで辛抱堪らないくせに~・・・言葉に出来ない歯痒さよ。てか、見つめ合ってしまうだけで、きっと張り詰めてる糸がまたもプッツリと切れてしまいますからね。

・・・馬に乗り、足早に去るオスカル様の後姿が今この瞬間も・・・愛し過ぎて、またも大きく咆哮してしまいそうだぜ・・・わ~~~オスカーーーッル!!!。

嗚呼・・・苦しい。嗚呼・・・切ない。この時、何処までもひとりぼっちのアンドレ。なのでした。


という展開で、次の場面ではピンで思い悩む二人の様子が交互に描かれます。
先ずはノルマンディーの海岸をひとり歩きながら自分とアンドレの愛の形を重ね合わすオスカル様。・・・こわいくらいに似ている~~~・・・似過ぎていて逆に気付けなかった、と言うか気付いちゃいけなかった私たちの恋、恋、恋。波打ち際の難破船は一体なんなんでしょうか・・・かつて栄えたと言われるバイキングが乗り捨ててったんでしょうか?何気にドラマチックな演出満載なこの場面。今度はしゃがんで通りすがりの野良犬に「おいで」とやってみるも、何かの暗示なのか「ぷい」と返され、ノルマンディーの海に太陽は重た~・・く沈んでゆくのです。
私が犬だったら、猛烈なついて、その後パリまで連れ帰って貰うのにな~・・・ァオォ~・・・ン・・・

さ、お次はとっぷりと日が暮れた、こちらはパリです。
画面を盛り上げる(あるいは盛り下げる)絶妙なキャラクター、・・なんか、このおっさん、久しぶり・・?で謎の吟遊詩人の登場です。メインキャラとのこのまさかのガッツリ共演に「おー・・・」となりますね!傷心のアンドレ、アコーディオンの泣き声につい吸い寄せられちゃったんですねぇ・・・。でも一期一会の語らいに救われる事もあるわけで・・・てか、この二人、これまでもこれからも結構なニアミス人生なんですけどね(笑)、とにかくこのおっさん、てっきりネガティブサイド担当なのかと思いきや~土壇場でなかなかのポジティブシンキング、しみじみイイこと言うのよね~~~・・・アンドレ見て若かりし頃の自分なんかを思い出しちゃったりもしてるのかしら?ねぇ、おっさん・・・いつも眼帯してるって事は、足だけじゃなく目ぇも悪いんでしょ・・・?見れば分かるけど、あなたも辛い事をたくさん抱えて生きてるんだよね・・・・・

一升瓶(?)を後生大事に抱え、じっと固まる恋わずらい中の兄さんの横で、自らの言葉に感極まり、しまいにゃ~涙ぐんでしまう猛烈ナルシストな吟遊詩人のおっさん。。。
そんなおっさんを一人残し、おやおや・・・酒が切れたのでしょうか・・・アンドレはまたもフラフラと、場末の酒場へ向かいます。そして、運が向いて来たのか再会したのはこの男っ!佐々木功もビックリな程に真っ赤なスカーフを靡かせたアラン・ケツアゴ・ド・ソワソン。勝手にミドルネームを足して申し訳ないのですが・・・この人のこと、こー呼んでる人って物凄い多いと思ふ。。。
嗚呼~・・・フランス衛兵隊のアランさん・・・貴方のその、ケツのように割れた魅惑のアゴ、アゴ・・・・・なんちゅ~か、吸い込まれてしまいそ・・・。

というわけで、急激にデスティニーを感じるアンドレ。特別警戒中に突如入隊をキボン!!!是非とも力を貸してくれーーーっ!!!

となるわけですが~・・・この時酒場の入り口から「おい、アラン。いい加減にしろや~」と声をかける同僚の後ろに居るのって、ダグー大佐じゃないんですか?おぉ~大佐自ら夜勤に・・・って、それだけ衛兵隊は人手不足なのだと思えば納得できるのですが・・・大佐の目の前で仕事をサボろうとするアランって一体・・・。もともと冗談だったと言うのなら分かりますが、マジならダグーちゃん、ちょっとナメられ過ぎです・涙。ちゅ~かですね、これがダグー大佐ならばアランに頼むより直接ダグー大佐に「入れて下さい」と志願した方が、早い気がします。
・・・細かいプロセスはともかく!その夜アンドレに舞い降りた幸運の王子様、ケツアゴが堪らなくいなせなアランさんよ!酔いも焦燥感も吹っ飛ぶ、アンドレにとっては恐らく・・・これも運命的な一夜だったに違いないのです。


数日後。あれ~~~!!
なんて新鮮、ブルーにモードチェンジしたオスカル様の、それは1日早く、殆ど奇襲とも言える着任のご挨拶から始まります。


オスカル様といえど、この時はきっと緊張なさっていた事でしょう。初めて足を踏み入れた衛兵隊。その内部には異様な男臭が立ち込め、宿舎ともなれば・・・乾く暇のない男汁で床や壁はじっとり湿り気をおび、今まで嗅いだ事のないような臭気でパンパンに満たされ、流石に「うっぷ~・・」だったに違いない。しかし、いやだからこそ!!いい感じやんか~~~・・・な想いがあったんではないかい!?

オスカル様が転職先に望んだのは一番に「他のことが考えられなくなるくらいに厳しく劣悪な環境であること」なので(そうか?)、「キケン、キツイ、キタナイ」を超え「クサイ、ケダモノゾロイ、ケンカゴシ、コロサレソウ」等の要素を追加した6K、7Kの職場は、オスカル様にとってさぞや「トレビア~・・・ン♪」だった事でしょう。


そーゆーわけで、やって来た新隊長♪この突然の顔見せに酒気帯びの隊員たちは大慌て!なんとか整列するも寝癖がついていたり軍服の前が中途半端にはだけていたり酒臭かったり丸めたティッシュがそこらじゅうに散乱していたりと、恐らく近衛隊に比べて散々な光景だった事でしょうとも。

うわぁ~・・・まさにアウェイっっ!!!

扉を開けた瞬間襲い来るこのむあ~~~・・・っとした空気!歓迎する気ゼロですと言わんばかりの殺伐とした隊員どもの眼つき!!おぉー・・・思い切ってとらば~ゆした甲斐があったわ・・・。と改めて気合が入った瞬間、「はっ!!」なんつって、ちょっと不自然なとこ見せちゃいましたよオスカル様。・・・・・だって、この男がいてるから・・・・・。

もう供はしないアンドレ・グランディエ。
除草剤撒いてもどうにも出来そうにないくらいの雑草の中にあって、彼の佇まいはすこぶるノーブルではありますが・・・ストーカーと化した内面はもう今までのアンドレではありません。さっそく呼び付けられた司令官室にて、若干声殺し気味に激昂するオスカル様に向かって「どんなことがあろうが、おまえになんと思われようが、おまえを守れるのは俺だけだ」と宣言する、この男のタフさに先ずは乾杯。
てか、うっひょーーー・・久しぶりに目ぇを合わせて貰った喜びで「パワー・フル充電!!」というところなのでしょうね
「まぁまぁオスカル、そう興奮しなさんな。従僕ではなく、俺のことは隊員のひとりだと思ってなさいよ。その間にがっちり守ってやるぜっ」という主旨のことを一方的に伝えるとご丁寧に敬礼までして去るアンドレ。
オスカル様にしてみれば「てか・・・私のキモチ・・・分かってんのか?」という場面でしょうが、ここで「おい、こら!まだ話は終わっとらん!!」と引き止めたところで、無駄。彼とて、がっつりスイッチオンしているのです。

はぁ~・・・雨降って地固まる。と言いますが~・・・絆ブッた斬って強引な程のプラス思考に転じたアンドレ。その異様な程の迫力と言うか、ミステリーなくらいに自信満々な態度に流石に引かざるを得ないオスカル様。振り上げた拳をおろし「勝手にしろ」と呟いた彼女・・でもね、こういう展開ならば実際そんなに悪い気はしなかったはず☆

・・・アンドレ、なんか知らないけど“とりあえず勝った”って感じが良かったですよ。。。



で、ケダモノもとい隊員たちの反応なのですが、案の定“女隊長”の就任について文句たらたら、オスカル様の今後に早くも暗雲が立ち込めてる様子にアンドレの心は痛みます。そんなアンドレをじわじわと問い詰めるケツアゴアラン。「おめぇにゃ~俺のでぇ嫌いな貴族の臭いがする」と絶妙な一言でもってビビらせて来るこのスタイルがアニメのアランの持ち味、とってもキレていて、痺れます。
追及され、動揺する心を悟られまいとあぶら汗カキカキなアンドレを眺めてニヤつくアラン、彼はなんとなくですが酒場でアンドレがグダグダになっていた理由というのが読めて来たようで・・・面白がってんのか?う~・・む、こーゆー展開になるんだろうなとは思っていたけど、アランというキャラクターの一言一言がとにかく魅力的なので予想を上回るドキドキ感があります。

出崎監督は男の心理を描くのがとても巧い人だと思うのですが、そのせいもあってか今回の衛兵隊編の滑り出し、すっごく面白い♪
(ちなみに29話の脚本を担当しているのは男性です)
少女モノの雰囲気から逸脱すればする程に、アニばらのうまみ成分は視聴者のココロにぐんぐん染み渡って来るようでありますよ!嗚呼~なんて頼もしいっ~!!

で、場面展開。ご出勤前の朝のジャルジェ邸の風景です。
最近アンドレの姿が見えないと心配そうなばあやさんにお嬢様は「当分帰っては来ないと思う。アンドレは兵舎で寝泊りをしているからな」と微妙な言い方・・・なんでそうなったかは言えないし子供じゃないからこそいろいろと大変なんだけど、とにかく心配するな。というオスカル様が優しい“いつものオスカル様”のお顔をなさっているので・・・ホッとします・・・。

といったところで本日のハイライトシーンに行ってみましょう。
記憶に新しい南ア大会『Les Blues』の練習ボイコットでありますが、こいつらのそれはその何倍もタチが悪いと言えましょう。だってね理由が単に「女にあれこれ命令されたくねえ」という・・・てか、我々視聴者はこれまでの経緯があるのでオスカル様の実力について絶対的な信頼感を持っているのですが、普通に考えれば新隊長が女って・・・・・冗談でしょ?っていうか、有り得ない事態だと思いますよ。とにかくバカにされているとしか思えないのでボイコットする気持ち分かるなぁー・・・。
というわけで、「B中隊全員、新隊長の閲兵を拒否するそうだ」と、この人が唯一伝えに来る訳なんですが・・・アンドレ・グランディエよ、しょっぱなからそんな目立つ行動してて大丈夫なのか?それとも新人なのでみんなから「おめぇが行って一言状況を伝えてこいや」とでも言われたのでしょうか?更に「閲兵式が中止なら俺も兵舎に戻りたいが」って、・・・う~・・・む・・・。従僕を解雇され一兵卒になってからというもの、な~んか掴みどころが無い感じで、困るのう。
ちゅうわけで、オスカル様、再び単身で不潔な宿舎へと向かいます・・・。

B中隊は全体で50名くらいいるらしいので部屋もいくつかに別れているはずなのですが、リーダー格が居るのはだいたいこのへんだろうという事で・・・オスカル様がドアを開けた途端、猛スピードで凶器が飛んで来るのだから嗚呼~サバイバル!!近衛では考えられない状況に流石のオスカル様も汗たら~・・んと言う場面にナイフを投げた張本人の男は更に冷や汗ダラダラ。閲兵式をボイコットするのはいいけど出会い頭に隊長の顔面を刃物で突き刺したとなれば極刑は免れません。「いけねえや~隊長さん」等と言って、たどたどしく言い訳する様子が笑っちゃいますね。貴様が凍りつくのはこれからだっつ~の!!

「ドアをノックしろだと?そういう言葉は礼儀をわきまえた者の言うことだ」の台詞とともに、抜いたナイフを今度は衣服を引っ掛けながら男のベルトわずか数ミリのところへブッ刺すオスカル様。
勢いよく振り下ろされたナイフはあとちょっとで男の腹をえぐって、その下のお○ンチンを直撃するところだったわけで~・・・どっひゃーーー・・・つくづくおっかねえ女です。しかも物凄く冷静でいるところが、怖ひ、ぶるぶる・・・。
というところで、いよいよ声を荒げるオスカル様♪服装を整えて練兵場へ来い!というわけなんですが、ケダモノたちが言うこと聞きそうな気配はなく・・・班長のアラン氏が答えます。いやー、アニメの場合は皆が一斉に「女、女、女」と言ったわけではないのであれなんですが、もしそうだったとしても・・・こちらのオスカル様は「あっはっは☆嬉しくなってしまうではないか」というような爽やかな対応をして下さるイメージでは、ありゃ~しません。不敵な笑みを浮かべているのは原作様と似ておりますが・・・とにかくアニメの進行の仕方は徹底的にシリアスです。荒っぽいのが売りと言うならそれがどの程度のものなのか見せてみろと言い放ち、いきなり決闘モード。彼女はケダモノどもを練兵場へ連れ出す事に成功します。

で、練兵場。臭気漂う宿舎の薄暗がりで見るツラもあれだけど、青空の下で見るB中隊の連中の汚さよ。
「女は相手にしねえ主義」←これって一番屈辱的ですけどね・・・というアランに代わって目の前に立ちはだかった男(名前わからん・・・)、こいつが醜いうえに「ぬりかべか?」と思うくらいの巨体をしており、まったく憎々しいったらありゃ~しない。あんたオスカル様を相手によりによって剣を選ぶなんて・・・命知らずなヤツ。悪いこと言わないからアームレスリングくらいにしとけばよかったのよ!と唾を引っ掛けたくなりますが・・・こいつ、動き出したら意外と俊敏で、荒っぽいというか~無駄にアクロバティックな戦法にオスカル様も一応納得。「腕は確かだ」なんて、だいぶ甘口ですが好評価して貰えたんだから幸せ者です。でも、決着はつけとかないとね。右手の甲をビシュッ!!と斬り付け静かに剣をおさめるオスカル様。そこで止めときゃ~いいものを・・・素手で背後から襲い掛かって、それでどうする気よ?飢えた熊のような男の殺気に反応したオスカル様は振り向きもせず・・・今度は男の右頬ッツラをドスッ!とやります。鞘に入ったままだったからいいようなものの、抜いていたらばこの男、頭部を串刺しにされ死んでいたことでしょう。その凶行を見てビビリながらもキレるその他大勢の隊員たち。ルールを無視し集団で襲い掛かろうとするそいつらを、アラン班長が制止します。

こうして、どうにか閲兵式を行うことが出来たわけですが・・・式の間中、オスカル様の頭には「俺たちは貴族や、ましてや王宮を守る為に軍隊にいるわけじゃねえ。ハッキリ言って給料の為さ。食う為さ」という極々シンプルなアランの言葉が繰り返し響いていたことでありましょう。

というわけで転職第一日目。正直疲れました~・・・なオスカル様が帰宅すると、意外なお客様が待っていて、Aパートに続いてジェローデル登場~♪
わ~癒される・・・泣。
客人の顔を確認して思わずオスカル様だって笑顔になります。あんな辞め方しちゃって実際「すまん!」と思っていただろうし、何よりケダモノとすったもんだして来た後なので尚更、おぉ・・・おまえのノーブルさに心が洗われるようだ!というような感覚でありましょうか?しかし・・・ジェローデルが現れた=真っ先に「近衛で何か困ったことでも起きたのか・・・?」と心配してしまうところがアニメのオスカル様ならではの母心というか、まだまだ近衛に対して想いを残していらっしゃるあたりが、なんとなく泣けてきます。この人の為にジェローデルよ、もっとしっかりせいよーーー・・・・・

オスカル様って、ジェローデルのこと、好きなんですよね・・・・・会えば凄い安心感があるし、人として、絶対好きなはずなんです。くぅ~~~・・・しかし、軍服以外の格好をしているジェロって、えらい新鮮ですね。。。今まで見た事ありましたっけ・・・?いや~、私服の彼が自分の帰りを待っていたってだけで、オスカル様にとっては予想外のレアな出来事なわけですが、更に驚くべき事に・・・彼はとんでもないお願いを父上にしたようなので。

「お嬢様をいただきたい」って、・・・またえらくカッ飛ばしてきたもんだのうっ~~!!

荒れ狂う野獣に早速手を焼き疲労した後、待っていたビッーーークサプライズ。詳細がごっつ~気になるよってところで・・・第30話につづく!!!


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