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アニばら観察日記


出来れば叩きたくないthe door of destiny!!
なのですが・・・蹴破る勢いで観察日記書いて行きたいと思います。




第38話 「運命の扉の前で」


観察日記の場にようやく戻って参りました。
思えば遠く数千マイルの彼方・・・・実生活という名の戦場で闘い、熱病を患い、気が付けばアッという間に2年の月日が流れました。その間、もしかすると観察日記は第37話で打ち止めなんじゃないの?と周囲の方々に心配されたりもしましたが、そんなわけないでしょうが!
私はF伯とは違います・・・したがって「もう燃えない。燃え上がらない」なんて台詞は絶対に吐きません。それどころか4年に一度の今年は五輪イヤー・・・チャレンジする気持ちを大切に突き進んで行きたいと思っているわけなんです。
というわけで、残る3話、「運命の扉の前で」「あの微笑はもう還らない!」「さよなら、わが愛しのオスカル」を・・・観察日記ですからね、なんと笑いに変換していこうというwww

あ、これはね、無限にあるベルヲタク作業の中でも間違いなく最高難易度を誇る荒技であろうかと思われます。
アルティメイト級です。
無理ゲーです。その前にどこにそげな需要があるのかも分かりません。


・・・嗚呼、久しぶりのホームグラウンドで舞い上がっちゃったなぁー・・・

笑いに変換なんてね、・・・出来るわけないんですよ。。。
でも、でも、我が観察日記の意義は『重過ぎるアニばら世界を少しでも軽く!面白く!!』を実践しているところにあるのだと信じているので、命をかけて、そこらへん頑張っていきたいと思います。
と、うわずった声で開会宣言をしたところで・・・予告編、さっそく奈落の底へ突き落されてもいいですか・・・?

――すべての苦難を越えて、いま結ばれたオスカルとアンドレ。新しい世界の扉を開けるために立ち上がった二人だったが王室側の兵士の撃った一発の銃弾が、いまや愛する夫でもあるアンドレの胸を貫いて・・・――

って・・・考え得る限り、もっとも起きてはならない事が起きてしまうことを蛍の直後に知らされ・・・あなた、どうやって一週間過ごしてたんですか・・・?リアル放送ご覧になってた皆さま、どうか教えて下さい。。。

すべての苦難を乗り越えた矢先に・・・
そんな未来が待っているのなら運命の扉なんてものには近づかないで引き返して来なはれっ!今すぐにーーー!!と、私ならばブラウン管がひび割れる程 泣き叫んだに違いない。
ですが、私は再放送世代なので次回予告はなく、よってブラウン管もひび割れることなく第38話、無事に観ることが出来ました。はい、まだ原作を読む前です。ストーリーを知らず、アニばらだけを観ていた小学生は低学年の時分です。

アニメのベルサイユのばらって、凄まじいお話しですよね・・・。

私はこれを夕方6時くらいからのアニメ再放送枠「マンガの国」だかで観ていたわけですが、アニばら・・・そんなところで流していいあれじゃないよ・・・受ける衝撃がデカ過ぎて、お夕飯、まったく喉を通らなかったです。。。

で、アニばら。
いくら最初のコンセプトで“スタッフ一同、壮大な映画を創るような感覚で”とかってのがあったとしても、実際はテレビアニメですからね。1話20分かそこらに詰め込める情報量には限りがあるんです。なので、展開も速いですよ。でも、観終わった後の充実感、高揚感、ぐったり感、・・・とても今のテレビアニメのそれじゃ〜ありません。
アニばらは本編どんなに急ぎ足だったとしても振り返った時には必ず余白がある。
異常な程に妄想をかき立てる絶妙な空白が、この作品にはあるのです。
原作がマーガレットに連載されていた時もそうだったのでしょう?
実際紙面に掲載されたページ数以上の興奮と感動が、ベルばらにはあったはずです。
で、それを生み出しているのがアニメの場合、音楽だったり声優さんの絶妙な演技だったりするのですが・・・ナレーションの本山さん、この人の力もね、結構、大きいと思いますよ。

現在の状況を手っ取り早く説明する為にナレーションが入るアニメは多いと思います。専門の人がやったり、キャラクターがその都度必要に応じて務めたり、主人公の一人称スタイルで展開する作品もあるかと思います。で、本山さんがアニばらの語り部であるわけなのですが、・・・独特のトーンなのです。なんて言ったらいいのかなぁ〜・・・薄暗い洞穴で、遥か太古に描かれたであろう壁画を前に固まっていると、伝説の魔女がいつの間にか隣に!?そして、おもむろに「これは・・・」と語り出し・・・といった感じなのです、私的にはですがね。
もう、とにかく本山さんの存在感は凄くて、彼女が喋り出すと緊張感がいや増ますのですよ・・・ナレーションなのに、もはやその役割は手っ取り早く状況説明とかではないのです。思えば第1話から・・・彼女はアニばらの妄想かき立て人であり続けました。その独特のニュアンスでアニばらという物語を牽引する様は、見事という他ありません。

で、前回、今回の予告編、そして第38話の冒頭部分も・・・やってくれてます。
皆さまも大好きな場面だと思うので なかなかね、此処から去り難いので、蛍〜・・・長居しちゃってるんですけど、いいでしょうかね?
この場面、恐らく制作者が意図した以上に、私にとってはエロティックで神秘的だったのです。それは何故か?
ナレーションで「妻になった」とか「今や愛する夫でもある」とか言うからですよ。


オスカル様とアンドレは好きという気持ちを確認し合ってキスをした。
これは観てれば誰でも分かります。たとえ幼稚園児だって「恋が実ったんだ〜良かったね!」と思うでしょう。しかし、どうやら状況は両想いとか恋人とか彼氏彼女とか・・・『そういったものを超えたものになっているらしいぞ・・・』と・・・。
はい、ナレーションのおかげでこの場面、ただのラブシーンではなくなっているのですね。

妻・・・夫・・・・? じゃあ二人は結婚したってこと?結婚式とかしてないのに・・・どうして?
という小学校低学年が抱いた素朴なこの疑問!!


これに対してどう答えますか!?そこのあなたに訊いてみたい・・・。
で、私は本能で「こ、これは・・・親にはうかつに訊いちゃいけない事なのだ」とテンパり、何をすれば結婚して妻や夫と呼ばれる存在になるのかを友達同士で、それはもぅ真剣に考えました。そして・・・お二人が森の中でSEXと呼ばれる行為をなされたのだと判明した時の衝撃ときたら!!
何度も言いますが、小学校の授業で中途半端な性教育なんかを受けてる暇があったらベルばら8巻およびアニばら第37話をよくよく検証してみた方がよっぽど為になるのですよ〜。

小学校〜中学校くらいの目覚めの時期に、もう本当に第37話はねぇ・・・いろいろ役に立ってくれたと思います(そして、これは本当に楽しい思い出♪)。
作画に関しても、この場面の妙な生々しさは脳裏に焼き付いて離れません。
出崎監督いわく「とにかく綺麗なラブシーンを!」なんですけどね・・・いや、綺麗です・・・綺麗ですけど・・・・・そのものを描いた原作よりもエッチでしょうが、どう見ても。
幼き日の私は二人の服が消えたところで、その男女の身体つきの違いにビックリしましたしね。肌の色の違いにも。

あー・・・性差というものをアニメのワンシーンでここまで端的に表したのは、凄いなぁ〜〜〜・・・(興奮)!



そーゆーわけで、第38話になってもまだ蛍まつりが続いてしまっている観察日記なのですが、そろそろ本編Aパートの方へいってみたいと思います。

「運命の扉の前で」、衛兵隊の宿舎のゲートをバックにサブタイトルが出ました。
まずは、はい。結ばれたお二人にとっては此処が最初の運命の扉なんでしょうね。・・・ってところで、いろいろ考えてみましょう。
オスカル様はアンドレがほぼ失明状態であることを知っています。そして、それは死に直結する大問題であるわけですよね。それなのに、戦場に連れて行くのはいかがなものか?あぁ、アニメオスカルの気が知れない!!とかって言う人が、よくいます。原作原理主義のひとの発想なのであまり気にしなくていいとは思いますが、一応の決まり文句を私も言っておこうと思います。
事前にアンドレの失明を知っていたら、原作オスカル様は彼を残して自分だけ行くのですか?だとしたら、オスカル様の気が知れませんね〜。
この部分については革命の描き方が違うとかキャラ設定が違うとか、そんなことは関係なく、
『最期一緒にいないでどうするんだ?』と主張したい私としては一生話の合わない人々がいるわけで、そーゆーところ、非常に面白いなぁと感じています。


で、今回はそこのところは置いておくとして・・・アニメのオスカル様とアンドレの13日、夜明けの行動が凄いことになってますので見ていきます。

これ、オスカル様はここへ来ないでベルサイユ宮の陸軍総司令官ブイエ将軍のもとへ行き、 バシッ―――ン!と辞表を叩きつけ、「結婚したので軍隊もう辞めます!!」と宣言したら、どうだったでしょうか?
要注意人物として既に徹底マークされているのでしょうから、案外「うわ〜・・・そ、そうなんだ?うん・・・その方がいいかな・・・お疲れ様でしたー!」とあっさり辞めさせて貰えたかもしれません。
で、寿退役が叶ったら、後は出来るだけ安全な場所へアンドレと二人で逃げるとします。それならば、二人はもうちょっと長生き出来たことでしょう。
でも、残念ながらそんな展開にはなりません。

アンドレと結ばれようが結ばれまいが、オスカル様の中に“逃げる”という選択肢はありません。
暴徒化し、テロリストと見分けがつかなくなってるような市民が多数いようとも、それでもここは国民を守ってこその軍隊、命令に従って市民を死に至らしめるなどの行為は彼女の中では最初から有り得ないわけで、おおかたの視聴者もそのへんは理解できているはずなのです。

ですが、アニばらは隠れキャッチコピーが
<ベルサイユのばら:男のロマン編>であるので、ひとつ大変なパフォーマンスをオスカル様にはして頂くことになります。

部下たちを前に、普段無口なオスカル様が真摯に語られるこの場面。
あぁ・・・これこそがアニばらの真骨頂。アニばらを不朽の名作たらしめている超名場面ですので全神経を集中させて聴いて頂きたいと思います。



諸君も、もう知っていると思うが我がB中隊は午前8時、パリ、チュイルリー広場へと進撃する。
目的は武装した民衆への牽制であるが、暴動となった場合は民衆に発砲。これを鎮圧せねばならない。
民衆の中には恐らく諸君の親か兄弟がいる事と思う。たとえ私が発砲を命じても君たちは引き金を引かないだろう。それが当然だと思う。
私の考えを言おう。いや・・・私は自分のとるべき道を述べる。まったく個人的にだ。
私は今、この場で諸君の隊長であることを辞める。何故なら、私の愛する人、私の信ずる人が諸君と同じように民衆に対し発砲しないと思うからだ。私はその人に従おうと思う。その人が民衆と共に闘おうと言うなら私は闘う。
諸君、私はアンドレ・グランディエの妻となった。
私は夫の信ずる道を、共に歩く妻となりたい。
アンドレ、命じてくれ。アンドレの行く道は私の信ずる道だ。



空間の広さ等を感じさせるリバーブの効いた声が凝ってます。そこへ途中から屈指の名BGMが流れ出し、烏の鳴き声や羽ばたきといった吉兆とは言い難い効果音も加えつつ・・・なんといっても田島令子さんのこれでもかというくらい丁寧なこの語り口調っ!!

運命の日の朝焼けと、昨日、明日、そして未来永劫続くであろう自然の風景をバックに・・・
なんちゅ〜〜〜ことを宣言してるんでしょうか、この人は!?

アニばら第38話にしてオスカル様、驚きの長台詞。とんでもなくオリジナリティーに溢れた展開に心が折れた人だって・・・当然いたに違いない。
分かります、私だって原作読んでます。だから、そーゆー人たちが何をおっしゃりたいのか・・・もちろん、分かってますとも!ですが、ここはもぅ黙っててくれませんか!?
私などのアニばら人間からしたらこの場面・・・オスカル様のお言葉を聴きながら殆どトランス状態です。異様な興奮を覚え、「アニばら万歳っ!!」と狂喜乱舞したいくらいなんですから。

*あぁ、この場面をね「こっぱずかしくて聞いていられない〜・・・」とか言ってる人がいたとしたら、まだまだ子供ですね。最初から観直すことをおススメします。


あのですね、アニばらを語る際に、前半:長浜監督と後半:出崎監督とで作風がガラッと変わったからどーのこーのとおっしゃる方が非常に多いですが、私はそこのところを特に気にしたことはないです。
むしろ、第1話のあのオスカル様が、今この場面のオスカル様ですよ。
「急に立ち止まって足元を見た時、ふと自分はどこへ行こうとしているのかと思う・・・」と思い悩まれたオスカル様。
「大勢の前であなたに恥をかかせたくない」と言ってジェローデルに場外で挑んだオスカル様。
葛藤する心を持て余しアンドレと殴り合った末、彼の想いに触れ、軍服を着たオスカル様。

結局のところ、誰が監督を務めるのかよりも先に、オスカル様が田島令子さんであったという事の方が何百倍も重要なことなのです。
よってアニメのオスカル様、その人生がただ果敢なく翻弄されているだけに見えるよ〜って言う人がいたならば、その人たちは何も理解していない。アニばらは
『オスカル様の人間性』という一本筋の通ったまったくブレのない作品なのだという事を私は此処に強く書き記しておこうと思います。

で、「第1話のオスカル様が・・・こんなことを部下の前で宣言するまでになったとは〜・・・」と、魂が震える想いでいるわけですよ、私は。

本当にねぇ、ただただ、真っ正直な人なのです。そして、どこまでも愛するひとに優しく忠実な人なのでしょうね・・・思いが通じ合ったとなったらハッキリ言って恥も外聞もありませんwww
と、いろいろと突き抜けちゃったことで【今この瞬間、自分がどのように感じ行動したいのかをこうまで明確に説明できちゃったオスカル様の勇気】について考えてみようと思うのですが、これってね、先ずは「諸君の隊長であることを辞める」という事を伝えたいわけですよ。理由は“命令に従えないから”ですよね。で、それは何故なのか?なんでこの土壇場に来てこの人は隊長を辞めるとか言い出すのか?部下が抱くそーゆー疑問に対し、最も納得して貰えるであろう理由がこの長台詞であるわけで、同時に全編を通してオスカル様一番のパワープレーでもあるわけです。

ところでアニメの制作者、出崎監督や脚本家さん、そして何よりオスカル様役の田島令子さんですが・・・彼らは原作に対してそれほど強い思い入れがあったとは思えません。アニメ化するにあたって、もちろん読まれたでしょうが、もともとファンでした〜という人は、いないのではないでしょうか?それで良かったのです。中途半端に「原作の世界観が・・・」とかって言う人がいなくて、ホントに助かりました。

視覚で感動する台詞が聴覚でも同じ感動を呼ぶかといえば、そうではありません。原作にあるような文学的な台詞をアニメの中で実際ひとが喋ってみたところで上っ滑りして何も頭に入ってこないと思いますよ。それに全国放送のアニメを観るのは少女たちばかりではありません。週刊マーガレットの読者層よりも遥かに幅広い年代の視聴者に『フランス革命のさなか、愛に生き、死んでいった若者たちの物語』を届けなくてはならないのです。そして、これは重要なことですが、アニメというコンテンツである限り、男性にアピールしなければ生き残れません。いつの時代もサブカルチャーに対し女性よりも真剣に向き合い、的確な評価をしてくれるのは男性というのは一般的な意見ではないでしょうか?まぁ、生物学的にヲタクの度合いが濃いってことですねwww
というわけで、アニばらも随所で男性視点を意識した原作からの改変がみられるのですが・・・そこを気に入らないとおっしゃる方はもぅ、しょうがないんです。気に入らないばかりかこれが好きだと言ってる人間に「感性が間違ってる」とばかりに説法を説くような人って・・・私に言わせればパリのレストランで「お箸を出して下さらないの〜?」って駄々をこねてる人と同じです。
*今はそんな人いないと思いますよ。過去には多少イヤな思いをしたことがありましたが・・・

そーゆーわけで、私の勝手な観察日記は文字数のことなどはお構いなしに、どんどん続いて参ります。

話を15行くらい前に戻して・・・B中隊の中に妻帯者あるいは彼女持ちが何人いるのか知りませんが、いたとしても戦場に向かう前夜に女を抱いて来たなんて男はただ一人、アンドレだけなんです。しかも、その女というのは目の前の隊長だって言うんだから、
妄想で世界はカーニバル♪
更に、私はあなたの信ずる道を共に歩く妻になりたい。だから、さぁ命じてくれとかって言っちゃって、すっげ〜〜〜キラキラキラキラ・・・・☆彡 
愛するアンドレの為にこそ反旗を翻すのだと言わんばかりのやり過ぎ感のある台詞が、かえってアニメのオスカル様らしいよー・・・www


んで、ここまで台詞は「オスカル」ただ一言ですが、なんのその!
大気圏くらいまで一気に持ち上げられちゃって、アンドレ〜・・・酸欠状態にならないか心配です。

ちなみに、ここでオスカル様がこんな事を言ってくれちゃうなんてことはアンドレ、知らないんですよ。
結ばれて、堂々とオスカル様よりも前を走って来た彼は『二人で革命に身を投じよう』と誓ってはいるでしょうが、まさかそのことをこーゆー形で妻が発表するとまでは考えてなかったはず。ついでですが、田島令子さんと志垣太郎さんは事前に打ち合わせをすることなく、ほぼぶっつけ本番のような状態でアフレコをしているので鮮度が違います。恐らく、この場面もそうなのでしょう。台本はあっても、実際相手がどーゆー芝居をしてくるのかは分からない。なので新鮮な感動、驚きがあったに違いない。
も〜〜〜〜驚いたなぁ・・・オスカルーーーー・・・・☆彡てなもんです。

一方、隊員たちはと言えば・・・だから言わんこっちゃない。この二人が衛兵隊にやって来た時からなんかこーなる予感がしたんだよなぁ〜〜〜・・・!!って思ってるんですよ、きっと。
何処までも浮いている二人の結婚宣言にそりゃー驚きはしたでしょうが、「はぁ!?」という感じではない。むしろ「やれやれ〜・・・」という雰囲気なんですよね!そこがまたっ・・・!!
で、さすがにねぇ、ケツアゴ。止めに入っちゃいました・・・。ここ、もう少し黙って見てれば盛り上がってチッスのひとつも見せてくれたような気もしますが、まったく残念です。。。

Aパート冒頭でどれくらい行数使ってんのか、我ながら凄いと思いますが、アニばら史上最高に美しい場面なのでずっと語っていたい・・・。

で、オスカル様プレゼンツの早朝宿舎ラブラブ劇場を目の当たりにした隊員諸君。
特にケツアゴなんかは親友、アンドレの秘めたポテンシャルに期待感いっぱいだったに違いないと思うのですが、最終ラインでまさかここまでの愛されっぷりを見せつけられるとは・・・もぅな〜・・・笑うしかないwww

はい!皆さん、いろんな事が吹っ切れました。

満場一致で“命令に従うつもりなし”ということで、全員衛兵隊を辞めることになった皆さんはこの瞬間から決死隊としてオスカル隊長のもと、力を合わせ共に闘うことを誓います。
そう・・・オスカル
『隊長』のもとで、です。

アンドレを振り返り、ケツアゴの提案に「彼はこう言ってますけど、それでよろしいでしょうか?」的な反応を見せるオスカル様・・・それ以前に「命じてくれ」なオスカル様・・・。アニメオスカルの主体性とかって、どうなってるの?っていう部分で論争が巻き起こりそうですが(って実際巻き起こりましたが)、そーゆーこと言いたい人は表面上の出来事しか目に入らない方なのでしょうか?それか、断片的にしかアニメを見ていない為、そういった単純な発想に至ってしまうのでしょうか?
いずれにせよ、真にアニばらを愛する人はこの場面のオスカル様に不可解さを覚えたりはしませんし、ましてやガッカリするようなことは絶対にありません。オスカル様の謙虚さ、真っ直ぐさに心打たれ、「隊長!」と叫ぶのです。B中隊のモブ隊員たちのように。

ぐだぐだ言いましたが・・・結局は愛で満たされた昨夜の余韻が、彼女にこう言わせたということです。
理屈抜きに、このように言いたくなったんだな〜・・・と思えば、それって素晴らしい事じゃないですか!!
・・・.+゚*。:゚+( ノ∀`)ポッ.+゚*。:゚+・・・

オスカル様の話を黙って聞いた後、「アランの言う通りだよ」と言って微笑むアンドレ。あくまで頼りない感じではありますが、志垣のアンドレはそれがいいんだよ〜。
アンドレは亭主関白なわけでもフェミニストなわけでもない。出逢いの時から今日まで、二人のパワーバランスは常に一定に保たれ、お互いがちょうどいいところで影響を及ぼし合って来たのです。まさに理想のカップルといったところでしょう。
そして、この二人・・・巷では「お次はご夫婦はじめての共同作業で〜す」とかいってウェデイングケーキ入刀とかシャンパンタワーにお酒注いだりするところ、命をかけて民衆と共に闘おうと言ってるのだから・・・満身創痍でありながら、その愛のエネルギーたるや筆舌に尽くしがたいものがあるわけで、
神よ〜〜〜!!と絶叫したい感じです。

アニばらの「民衆と共に闘う」・・・これは決して革命という輝かしい偉業に参加し、祖国の名もなき英雄になろう!というニュアンスではありません。一言でいえば人命救助です。王室が国民に対し大量虐殺をはかるその時、その場にいて盾になろうと言っているのに過ぎない。

先ほどおっしゃったようにオスカル様は「民衆の中には恐らく諸君の親か兄弟がいる事と思う。たとえ私が発砲を命じても君たちは引き金を引かないだろう。それが当然だと思う」なわけですが、アンドレと結ばれた今、実感として物凄く胸に迫るものがあるのでしょうね・・・
人それぞれに愛する人がいる。その人を奪ってはならない。戦火の中で彼らを死なせるわけにはいかない。たとえ自らを犠牲にしてでも、救える命は救わねばならない。それが自分たちに選ぶことの出来る
最善の道だと、そういった感覚なのだと思います。そして、その決断に部下たちを巻き込むつもりもないのですよ。彼らだって誰かの支えにならなければいけない命を持っているのです。生還は十中八九望めないミッションに道連れにする事などは彼女の性格上できないでしょう?なので、自分は隊長を辞める。だから、君たちもそれぞれの思想のもとに自由に行動しなさいと・・・こういう意図があったので、衝撃的なくらい“まったく個人的に”考えを述べたのです。
職務放棄でもなんでもない、究極の心遣いです。だって、命よりも大事なものはないのですから。

アニばらのオスカル様だからこそ出来た最高の心遣い。
ここで感動せずにどこでするのか?という・・・超名場面である理由がそこにあります。


いやぁー・・・原作のこのあたりね、オスカル様はかっこいいですよ!
私も、本当に好きなので・・・読む度にテンション上がって凄いなぁーって思うのです。でも、オスカル様ひとりが凄いようにも思えるのですね。抜きん出たひとりが燦然と輝く物語よりも、私は群像劇っぽい方が好きだな〜・・・これまで振り返ってみても、自分が主役って人よりも周りを引き立たせる為に頑張ってる人の方に萌えを強く感じたからなぁ〜って、まぁ、趣味の問題ですけどね。

そーゆーわけで、私はアニメのオスカル様にはもっと崇高な想いをもって革命に参加して欲しい等とは思いません。
むしろ、これより先は愛するアンドレのことだけ考えていて下さればいい。


太平洋戦争末期、召集令状が届いて死を覚悟した時、死地に赴く若者には崇高な想いなどよりももっともっと現実的な糧が必要だったのではないですか?母を、姉を、妹や弟を・・・そして汽車を必死に見送る見ず知らずの女学生を守るために自分は戦いに行くのだと、そうやって自らを精一杯奮い立たせたというエピソードはたくさん耳にします。そーゆー心境に、恐らくオスカル様はいるのだと思って・・・アニばらを観ております、私はですがね!

あの今更ですが、私の観察日記はアニばら考察ではありません。あくまでサクランボのまったく個人的な見解を述べてるに過ぎませんので・・・ご理解お願い申し上げます。

さて、そーゆーわけで話がまとまり、改めて「隊長!」「隊長!」「隊長!」と連呼されるオスカル様なのですが・・・奴らがこんなにしっかり「隊長!」って呼んだことってないからwww
嗚呼でも、今こそ全力で呼び掛けたい・・・隊長〜〜〜っ!!って。。。
それで少々複雑なお顔をされるオスカル様が、愛しいのです。。。

そして「よろしく頼むぜ、隊長!」なケツアゴ・・・もはや握手さえも「オスカル様に気安く触ってくれるな〜」とドキドキするのですが、その後は一気に照れが襲って来るのではないでしょうか!?
正々堂々と私たちはデキています!!と宣言した為に当然「おめでとうよ、お二人さん」とかって言われるのですが・・・・・
それに答える言葉がないよねwww さっきもぅ全部言っちゃったしねwww
しかし、この場面、あーこいつらも結構いい顔してるじゃないかぁって思えるくらい綺麗に描いて貰ってるんですよねぇ。みんなハンサムですよ!荒んだ心が和らいで、優しいイイお顔になったのは・・・きっと、オスカル様の魔法♪アニばらの演出、随所でグッと来るなぁ〜・・・。

んで、一連の流れをアンドレ以上に黙って見ていたお方が一人・・・ダグー大佐であります。
彼ねぇ、すっごい妄想の源なんですよねぇ・・・。この話を聞いてる間、ダグー大佐の頭にあったのは「やっべ―――・・・」とかって感情ではない。それはただ観てるだけでも分かります。顔色ひとつ変えず、またあのような性格なので、オスカル様のように突き抜けた台詞は出て参りませんでしたが、「お身体を、くれぐれもお大事に」と敬礼・・・それだけで、たっくさんの事を物語ってくれています。。。

前回から続くオスカル様とダグー大佐の、これも素敵な愛のエピソード。


彼が一旦お屋敷に帰してくれなかったらアンドレに告白する機会はなかったかもしれない。オスカル様の心はダグー大佐への感謝の想いでいっぱいなのですよね。
うわ〜〜〜・・・・もぅマジで恩にきる・・・金輪際ダグー大佐の墓に足を向けて寝られない程に!!

去ってゆく後姿が切ないダグー大佐・・・彼はこの後、どこへ行き、何をするのでしょうか?
皆さまの妄想力が試されるところです。是非、何かいい案がありましたら・・・教えて下さい、こっそりとwww


装備を整えた元衛兵隊B中隊は練兵場からパリ・チュイルリー広場へと出撃・・・ってところで、つくづく思いますが、「薔薇は美しく散る」という主題歌は本当に素敵ですねぇー・・・劇中様々なパターンの変奏曲が流れますが、どれをとっても痺れます。。。
ここでの使い方も、とってもいい。緊張感と悲壮感と、ほんの少しの高揚感・・・・・

そして、これは大事なポイントですがB中隊はもうブルボン王朝の紋章であるフルール・ド・リスをしるした旗を掲げてはおりません。例えば第31話のアルデロス公護衛事件を思い出して頂ければいいのですが、普段このような形で出陣する際は必ず“我々はフランス王家の軍隊である”と高々と宣言するように百合の紋章を掲げているのです。それが、ありません。・・・はい、細かな演出に気付いて下さいよっ〜!!見逃したらもったいないですからね☆彡

パリ・チュイルリー広場 午前8時―――
あの〜・・・これって史実なのでしょうか・・・?王室側の軍隊が放った一発の銃弾によりフランス大革命の凄惨な戦いの火蓋が切って落とされたって・・・・・多かれ少なかれそんな感じだろうとは思うのですが、この始まり方はマジ最悪です。こーゆー場面を、オスカル様は最も見たくないはずなんですよ。なんで子供を背中から撃ち殺しちゃうの?あんた、ド・ゲメネなの!?って言ってるうちに広場は発狂したような大混乱に陥り、その状況を部下の一人が伝えに来ます。
これ、パシらされていたこの部下ですがね、この人はきっとオスカル様の爆弾アンドレラブラブ宣言を聞けてないんでしょうね?・・・気の毒だなぁ〜・・・後から、まぁ・・・混乱が収まってからだとして、その頃にはもぅアンドレ生きてないのかもしれませんが、仲間から「実はこーで、あーで・・・」って、聞く機会があったでしょう。で、「えーーーー・・・!?」つって・・・「なんだかなぁ・・・涙。。。」で・・・
妄想に浸るのが早いですね、はい。次いきます・・・。

はっ!?こんなところにあの人たちが居ました!ベルナールとロザリー・・・
地獄絵図のような状況にあってこれ以上怪我人を出さないよう一旦退却を〜みたいな台詞に違和感。。。
怪我人どころじゃないだろ?広場には累々たる死体の山が築かれているんだろ!?
って、なんかテンションの違いを感じるのですがー・・・引き上げて来る民衆の様子にも。でもまぁいいか。完全に正気を失ってるような状態だとオスカル様としても交渉も何も出来ずお困りになるでしょうから、ここはこのくらいの描写で・・・って、オスカル様、「待ちたまえ。我々には諸君と戦う意思はない」から始まる態度が非常に冷静で素敵です・・・一方の、市民に発砲した糞な軍隊ですが、こいつらはドイツ人だったらしく王室が乏しい財源でヨーロッパ各国からかき集めるだけ集めた軍隊のうちのひとつです。たいしたことない指揮官なんだろうなぁってことは想像がつきますが、それにしても・・・他人の国へ来て何やってるんでしょうか?「8時にフランス衛兵隊がチュイルリー広場で合流するからね」って事前に聞いてるんだろ!?なら、それまでおとなしく待ってろよっ!?と言いたい。単なる助っ人外国人がなんでフライングして暴れてるんだー!?と、怒りで打ち震えていたら、ほら・・・オスカル様に「落ち着け」って注意されちゃいますよ〜・・・

ドイツ人将校に対し「名はオスカル・フランソワ。しかし階級と称号はない」と言い放ち、部下に一斉射撃の体勢を取らせるオスカル様。流石!我らが(元)フランス衛兵隊B中隊の隊長はカッコイイなぁ〜・・・♪

しかしここ、「名はオスカル・フランソワ」で止めておいてくれて良かったです。いくらなんでもその後にグランディエとか付けられたら抗議しましたよ、私もwww まぁ、おかしな台詞なら田島令子さんが自ら削除されると思いますがね。



ってところで、ようやくBパートです。
・・・ドイツ人のこいつらからしてみたら、狂ってるのはフランス衛兵隊なわけで、脅しではなくマジで一斉射撃して来る雰囲気に圧倒されすごすごと撤退して行きました。そして、オスカル様にしてみればこれで本当に後戻りできなくなったわけで・・・階級章を捨てます。
巧いのですよ、田島令子さん。力を入れて引き千切る際の「んっ・・」っていう部分までしっかり演技してくれます。そしてこの場面、とってもあっさり描かれているところがアニばらっぽいのです。穏やかな「この階級章は、もう要らないな」に込められたオスカル様の気持ち・・・横にいるのがアンドレではなくケツアゴ、というところもきっと拘りなんだと思う。ケツアゴー・・・オスカル様の一挙手一投足をしかと記憶に留めておくがよい。あ、でも・・・これ昨夜の森の中に捨てて来ちゃったとしても、別に良かったのかもなぁ〜・・・急いでたからそこまで考えなかったけど、慌てて着て来たし。とかって妄想始めたところへ今度はどやどやと民衆が・・・先ほどの民衆が押し寄せて来ました。

うー・・・む、今回の脚本、篠崎好さん女性ですが・・・この方のセンスは凄い・・・
ちなみに担当された回はこちらです。
1,2,8,9,14,15,20,21,26,27,32,33,34,38,39 
第1話、そうなんですね、Aパートで一貫性があると申し上げましたが当然です。
そして8話、20話!!が・・・この方です。
(ですが15話(偽妊娠エピ)もこの人だったりするんだよな〜www)

こーゆー展開にしちゃうなんて・・・ここまでシビアだと、子供はまず付いて来れないと思います。また大人でも、原作に深く感動した方々は「やめてくれ〜」ってなりましょうよ、そりゃ。彼らの言うことはもっともだと思う・・・一足先に台詞をパクッて気持ちを落ち着けよう。。。
でも・・・民衆をここまでの人間不信に陥らせたのはこれまでの政治であり、特権階級の振る舞いであり、なにより直前の惨劇なのだから、彼らが悪いわけではない。そうは言っても、覚悟を決め、何もかもを捨て、市民と共に闘うのだとここまで来たのに・・・『受け入れて貰えないの!?』という状況をどうすればいいのか?
はい、焦ってどうにか説得しようと頑張ってはみますが銃を突き付けられーの、男たちは呆然とするばかり。何の手だてもありません。そこで、本日2発目のオスカル様のこの長台詞です!!


「彼らのいう事はもっともだと思う。我々の考えは少し甘かったようだ。だが、ここはどうでも、とにかく信じて貰わねばならない。アラン持っていてくれ(身に着けていたピストル、サーベルを渡す)
私の言うことを聞いてくれ!私は、貴族だった・・・。それだけでも今ここで銃を向けられ撃ち殺されても文句は言えない。
だが、これだけは信じて欲しい!私と共にあり、私にこうせよと命じた隊員諸君は私とは違う。皆さんと同じ心を持った第三身分の出だ。衛兵隊で給料を貰いながらも、首を長くしてこの日が来るのを待っていた男たちだ。
彼らを、せめて私の隊員たちは信じてやって欲しい!信じて、そして一緒に戦ってやって欲しい!!その為に必要ならば私は此処で撃たれよう」


オスカル・フランソワほどの隊長はいない・・・と、全隊員が思ったことでしょう。


人生の最期を全力で生きようとするオスカル様は今朝がた自分を認め、「隊長」と呼んだ隊員たちの期待に見事に応えました。

少し前に“個人的”な考えを静かに優しく語った女性が、今はこうも凛々しく体を張って、部下たちを信じてやって欲しいと叫んでいる―――
隊員たちは驚愕し、胸を打たれたことでしょう。
(アンドレは・・・TPOをしっかりわきまえているオスカル様のスピーチ力に惚れ惚れしてるんでしょうねぇwww てか、まだ大気圏外にいるんでしょうから、高いところから「うわ〜〜〜さすが俺のオスカルっ、最高だぜ〜!!」ってな感じなのかもしれないですよね。そういったところが、彼女にとっては昔も今も究極の癒しであるわけなので☆彡)

いやぁホント、オスカル様という人の振り幅の凄さが第38話で炸裂してるじゃないですか・・・。
朝の語りと、ここでのそれはもぅまったく違います。どちらも誠実で真っ直ぐなオスカル様には違いありませんが、今は完全隊長モード。
嗚呼、アニメのオスカル様は何もアンドレのことばっかり考えているわけではない・・・当たり前ですが、今更ですが、本当に、優秀で素晴らしい人なのです。。。

素晴らし過ぎて、もぅ他になんて表現していいか分からないほど、です。


観察日記を書くため第38話を観直してみて・・・これはひょっとすると第20話を超える奇跡なのかもしれないなと思ってます。

*アニばら一の神回はコレなんじゃないの?

で、神回の観察日記なので、またも最長記録を更新の予感!


ここらでひとつ出崎監督のアニメーターとしての言葉をご紹介したいと思います。

俺の作品は興行収入がいいわけでもないし、大ブレイクしているわけじゃない。
それでも見た人が「なんか違う体験ができた。面白かった」って言ってくれる。それだけで作れているような気もするんです。
こんなもんでいいんじゃないの?って作り方をしたことは一度だってない。俺はこう感じました。こう思いました。それでだめだったら「すみません」って言うしかない。そういう意味では、作品に対してきっちり責任は取れると思う。キャラクターたちに対してもしっかりひとり歩き出来るくらいの思いを込めて作っている。だから、作っている時はキャラクターたちに一生懸命ラブレターを書いているような感じですよ。ラブレターって、本当に真剣に書かないと通じないじゃないですか?


出崎監督が心を込めて書いたラブレター、オスカル様のハートにしっかり届いたようです・・・涙。。。


中断してすいません、現場にお返しします!
隊長オスカル様の魂の叫びといってもいい必死の訴えかけを前に民衆は引き金を引くことを躊躇・・・している間に、この人が人波をかき分けてやって来ました。というより、先ほど姿を確認してハッとしたんでしょうから、一言一句をすぐ近くで聞いていたのでしょう。

「私は衛兵隊の皆さんを信じます。そして、あなたを。ようこそ、オスカル・フランソワ」

革命家として(何故か)人望の厚いロベスピエールの直弟子であり、自身もこの頃には有名な演説家だったのでしょう。ベルナール・シャトレの劇的な登場により元B中隊の皆さんは民衆に受け入れられることになりました。彼が現れなかったら・・・どうなっていたでしょうか?撃ち殺されないまでも、交渉にはまだまだ手こずる面があったのだろうと思います。

あー・・・助けてやって良かった・・・黒い騎士とかいって大迷惑を被ったけれど、生かしといて良かった〜・・・。
と、私は『情けは人の為ならず』という日本のことわざをこの場面でしみじみと噛み締めたものです。


(しかし、オスカル様が終始敬語であるのに対し、なんでおまえはタメ口きいてんの?というちょっとした疑問・・・あ、オスカル様そのへんの使い分けとか面倒臭くなっちゃって、あまり馴染みのない人にはまとめて敬語使う事にしてるって感じかな?)

てか、アンドレとベルナールがやけに熱いムードで手を握り合うのはいいんだけど、ロザリーはオスカル様に会うの何年振りなんですか?
第35話でロザリーに会いたいとおっしゃってはいましたが実際そんな暇はなかったと思いますので、黒い騎士以来ですよね?・・・となると、物凄く感極まった再会の場面という事になりますが、なんせそれどころじゃないのでサラッと済ましますwww

で、晴れて民衆側についた元フランス衛兵隊B中隊の皆さんは迫りくる危機から市民を守るべく圧倒的軍事力差のある王家の軍隊に立ち向かってゆくわけですが・・・いきなり500対50らしいです。
てか、確かパリには10万を超える軍隊が集結してるってことですので、単純計算で1人が2000人を倒さないといけないわけで・・・世の中には劣勢を覆した奇跡の勝利というのが多々あれど、無理だろー!?と今後の展開を想像し震えが止まらなかった当時の私。しかし軍籍に身を置いて20年、選り抜きのプロフェッショナルであるオスカル隊長はテキパキと今後の行動をベルナールに指示すると感傷に浸ることなくすぐさま全隊率いて飛び出して行ってしまいました。

・・・おい民衆・・・信じる信じないでごちゃごちゃ言ってる場合でなかったことがこれで分かるだろ?オスカル様が来てくれなかったらあんた達は正午の鐘を聞くことなく一網打尽にされてたんだってば・・・。

少ない部隊・物資で戦果を上げる為にはどうすればいいのか、戦闘力を最大限に運用する術をオスカル様は即座に考え出し複雑に入り組んだパリの路地を移動、よそ者には思いつかない角度からの奇襲攻撃により最初の500名は難なく排除できた模様です。そこで、考えてみたいのですが、オスカル様は敵ならば殺していい等とは決して思っていないのです。命令にただ従っているだけの彼らが悪人かといえば、そうではない。出来れば誰の命も奪いたくないというのが本心でしょう。なのでここからの戦闘シーン、必然的に難易度が上がってるような気がしますが・・・だからといって敵の集団に爆弾投げ込んで片っ端から血祭りに上げてゆくような残虐な戦法をオスカル様が選択するはずはないので、も〜黙ってあなたに付いて行きます!!

ってところで、アンドレが人知れず大ピンチに陥ってます・・・
(てか、逆に「今までは結構見えてたんだね!じゃ〜昨夜は・・・良かったじゃんか、アンドレー!!)と思える不思議な場面です)


此処でこーなるのはアナタのせいじゃないっていうのは分かってるんだけど、でもなんでなの―――!?
オスカル様は隊長である限りアンドレひとりに気を配るわけにはいきません。パリ市民の前に隊員の命を預かっているのですからその緊張感たるや想像を絶するものがあるでしょう。とにかく危険な箇所には先ず自分が先頭で突っ込んで行く気でいるので余計な心配をかけるわけにはいきません!ってことでケツアゴ〜!おまえがなんとかしろ〜〜〜!!
ああ・・・以前この場面のアンドレとケツアゴの絵を荒木伸吾回顧展で拝んだことがありますが、セル画じゃなく紙の・・・ラフスケッチの段階みたいな・・・とんでもなく良かったです。。。緊迫感、半端なかったです。。。

いつの間にか時刻は午後3時を回っているようで・・・元B中隊の皆さんはなんと7時間のあいだ王家の軍隊を撹乱し続けてたって事らしいんで、たいしたもんじゃないですか!?

謀反を起こしたフランス衛兵隊B中隊の討伐命令は全連隊へ通達されパリ全域敵だらけ、四方八方から命を狙われる状況でどうやって市民を守ったんかな〜・・・って思ったりもしましたが、要は囮になってやってる感じなんでしょうね。暴民を殲滅する勢いで銃撃して来る軍隊に「ホラホラ〜こっちだよ〜!」みたいな。そーゆーことされたらイラッときて追っかけて来ると思いますし、ましてや武装してますから襲われる危険もありますし、何より軍の規律という部分で裏切者は殺せーって事ですよね。で、挟み撃ち・・・絶体絶命か〜ってところでラサールが特攻をかけ、死にます。それまでにも多くの隊員が死んでいますが彼の最期がこれほど印象的に描かれているというのが・・・・・
まだ坊やと呼びたいくらいに幼い風貌のラサール。一度はオスカル様に命を救われました。その時から彼はオスカル様に並々ならぬ想いを抱いていたに違いないのです。最後の瞬間、やられるくらいならこっちから突っ込んでやれというキレた感情があったのかもしれませんが、私はそれよりも、オスカル様をかばったのかな・・・と思いたい。無謀とは言い切れない彼の行動がオスカル様や他の隊員たちを救ったんですよ、きっと・・・。。。 アーメン・・・・

そーゆーわけで、今回多用される『マスケット銃』=銃身ライフリングが施されていない先込め式滑腔式歩兵銃。このため、散弾も発射可能であった。について荒木伸吾さんの拘りをほんの少しご紹介したと思います。

荒木さんはモデルガンが大好きだったそうで、お仕事をされる時には傍に置き、息抜きによくいじってらしたそうです。
銃が出て来るアニメの時の荒木さんは凄いですよ!って関係者の方がおっしゃるように、そこへの拘りは相当のものだったらしく、今回のマスケット銃も本物そっくりのモデルガンを見ながら描かれていたそうです。


そうなんだぁ〜・・・<マスケットフェスティバル>と呼びたいくらいにマスケットが大活躍だった今回、荒木さんは喜々として机に向われていたのだろうな〜と考えると、また何か違った側面が見えてくるようですよね!


場面展開、地下水路のような場所で一時体を休める皆さん・・・普段なら此処に吟遊詩人のおっさんがいてナイスな鬱ソングを孤独に弾き語ってたりするんですけど、居ないってことは・・・・既にあれかもしんないですね・・・。
って、そんなことより!ケツアゴはオスカル様にアンドレの目のこと言わなくて良かったの!?
今なら言って良かったんじゃないのかよ!?って思うのですが、言っちゃ駄目なの?アンドレが黙っといてくれって頼んだの?男の考える事は分からないのですが・・・とにかく、もっとしっかり守っとけよ、アンドレを!!!と私はケツアゴをマスケットでブン殴りたくなります。。。
あ、それと、舞台進行上しかたのないことなので「完全に陽が暮れるのを待って移動した方が良かったのでは?」とかって突っ込むのもやめて下さい。全軍からターゲットにされているあなた達が合流したら、それこそ市民が危ないんじゃないの?とかってのも、やめて下さい・・・。
いろいろと、いろいろと事情を含んだ展開で、はい、第38話のラストです・・・



荒木さん渾身のマスケット銃から放たれた一発の銃弾が、二人の運命を打ち砕きました。

失明し、完全なる闇の中にいたアンドレには何が起きたのか分からなかったのかもしれません。
心臓を貫いた鉛の熱さと愛する人の絶叫だけが感覚の全て―――



驚きの長さですが、読んで下さった方・・・ありがとうございます!
全然笑い取れなかったけど、次回も頑張って参ります★





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