■流石、老舗メーカー製のホーンです。このホーンとドライバーの組合せでは
ロードが100%後も反射による凸凹が見られ、ぎりぎり約800Hz/-12dboct〜
が使用限界の周波数です。1kHz以下はでは、反射のせいかキツイ音が顔を
出して来る感じがします。音質への影響やドライバーへの負担を考慮しますと
余裕のある周波数は約1000Hz/-12dboct以上が、お薦めです。
■JBL2420自体の再生可能周波数は、500Hz〜20kHzですが推奨使用周波数
は800Hz-12dboctになっています。JBL2420の特性で200Hz〜300Hzの間に
ダイヤフラムの影響で暴れが見られます。このフルサイズホーンとJBL2420ドラ
イバーの組合せではぎりぎりで600Hz/-18dboct以上で使用可能です。
しかし、ドライバー自体の負担が大きくなる為、音質やドライバーの負担を考慮
して余裕のある使い方が必要でこのドライバーの推奨通り約800Hz/-12dboct
以上がお薦めです。


<ホーンの周波数特性グラフの見方>

 ドライバー自体の性能にもよりますが
カットOFFが300Hzのホーン(中高音用)の場合
約2倍の周波数に相当する約600Hz位から高域の約8000Hz位
までの間の重要な周波数において
極力「大きなウネリ」がない事が重要です。
(鋭い多少の凸凹は聴感上気にする必要は、ありません)

上記、グラフの留意点>
弊社側定の周波数特性グラフにおいて
約10kH位から上の高域方向が急激に-10dB程
レベル低下しておりますが
これは測定用ソフトのスイープ信号や
測定用マイク及びマイクアンプ等の
計測機器の性能・特性が影響しています。

高域特性(10kHz以上)はホーンによる影響より
使用されるドライバーユニット自体の
高域特性に大きく依存します。


★Ryustechnica オリジナル W-300SDXホーン
           + Fostex D252ドライバー周波数特性



   【各種ホーンと各ドライバーの周波数特性】


W-300SDX

■有名なJBL4343に使われている純正のホーンですが、この円形ストレートショートホーン+ デュフュザーとドライバーの組合せでは、ロードの掛かり方も中高音の特性も中途半端です。ぎりぎり約1200Hz:-12db/oct〜が使用限界周波数と思います。

<有名な、金属製の円形ストレートショートホーンについて>
●このホーンはカットOFF周波数の値から見て短か過ぎのためか、低い周波数まで出しますと音は、メガホンの様なホーン臭さが出てしまいピークディップのあるキツイ音がします。
(4344等に使われているカットOFFを若干下げたやや長目のタイプも有りますが、基本は同じです。)

●音質の影響やドライバーへの負担を考慮しますと中低域の低目の周波数は出さないようにする使い方しかありません。

●一般家庭の”6畳から10畳”程度の広さで鳴らすと、音量は控えめでも時折、耳障りなキツイ音(粗く感じる)が出てきて長くは聴けませんが、ホール等の広い場所で鳴らすには、音がストレートにぶっ飛んでくるしホールやコンサート会場では、もともと粗いキツイ音がしていてもそれほど気にならないので音が遠くに届く事の方が重要なのでしょう。

●円形ストレートショートホーンタイプのには、必ず必要になるのが指向性を改善させる拡散器の役目をする音響レンズ(デュフーザー)が必要です。似た物に蜂の巣状の拡散器を取り付けた円形ストレートショートホーンタイプのものもあります。(上記写真は、スラントプレートタイプと言います)

●音響レンズ(ホーン出口に障害物を設ける)によって円形ストレートホーンの欠点である中央正面からキツイ音が出るのをブロックしたり、指向性の狭さを改善させたり、仮想音源を音響レンズ位置まで引き上げ、ウーハーやミッドバスとの位相を緩和したりする為に付けられたものです。

●今では、ホーンの解析技術も格段に進化しホーンの前に障害物のような音響レンズを付けるホーンは全く見かけません。本当に音が良いなら今でも音響レンズを使ったスピーカーが発売されていると思うのですが・・・?。

★スピーカーの基本原則は音が出るユニットやホーンの前面に障害物が無い事が理想です。

★このタイプのホーンは癖が強いので、このホーンを付けてドライバーの性能や音質を決めてはいけません。ドライバー本来の性能を引き出せていない様に思えるからです。




■流石、老舗メーカー製のホーンです。このホーンとドライバーの組合せでは
ぎりぎり約850Hz/-12dboct〜が使用可能周波数ですが音はホーン臭さが
出てしまいます。音質やドライバーへの負担と音質を考慮しますと、余裕のある
周波数は約1000Hz/-12dboct以上での使用をお薦めします。


H-320

★Ryustechnica オリジナル W-300SDXホーン
           +YL-4550DEドライバー周波数特性


W-300SDX+YL

★Ryustechnica オリジナル W-300FDXホーン
           + JBL 2420ドライバー周波数特性

★Ryustechnica オリジナル W-300Sホーン
           + Fostex D252ドライバー周波数特性


W-300FDX+JBL2420


W-300S

★Ryustechnica オリジナル W-300S/45°ホーン
           + Fostex D252ドライバー周波数特性


W-300S/45°

★タテマツ音工 HI−α380 ウッドホーン
           + Fostex D252ドライバー周波数特性


HI-α380

★Fostex H-320 ウッドホーン(H-300として復活)
           + Fostex D252ドライバー周波数特性

★JBL 2307ストレートショートホーン + JBL2308デュフューザー
           + Fostex D252ドライバー周波数特性


JBL2307


JBL2308

■この左右の開口角45°の「W-300S/45°」ホーンと「D-252」ドライバーの
組合せでは、左右の指向性は「W-300S」(開口角90°)より多少狭まりますが
ホーン設計のカットOFF 周波数は「W-300S」と同じ300Hzで作られております。
「W-300S」と同じぎりぎり、600Hz/-18dboct〜が使用可能です。
ただ、組合せたD252ドライバーへの負担が大きく、音質・ドライバーへの負担
を考慮して余裕で使える周波数は、約800Hz/-12dboct以上がお薦めです。
■このホーンとYL製4550DEドライバーの組合せでは850Hz/-18dboct〜が
ぎりぎり使用可能周波数です。このドライバーは低域側が苦手なタイプの様
ですが、特性は流石です。ドライバーの特性から音質やドライバーへの負担
を考慮して余裕のある使い方としては周波数は約1,200Hz/-12dboct以上が
良いようです。

■ドライバー自体の推奨周波数が800Hz〜ですが、この「W-300SDX」ホーン
と「D252」ドライバーの組合せによる周波数特性では、650Hz/-18dboct以上
が、ぎりぎり使用可能の周波数です。只ドライバーへの負担が大変大きく音質
やドライバーへの影響を考慮しますと、余裕のある周波数はドライバーの推奨
に合わせ約800Hz/-12dboct以上がお薦めです。

■このホーンとドライバーの組合せではぎりぎり600Hz/-18dboct〜が使用
可能周波数ですが、D252ドライバーへの負担や音質への影響が大きく・ドラ
イバーへの負担を考慮しますと、余裕のある使い方として周波数は約800Hz
/-12dboct以上が、お薦めです。