「葉桜」について




沖田総司と藤堂平助。
同い年と言われる二人です。
やはり同い年と言われる斎藤一は、「え、嘘(^^;」と思うほど(すみません)、渋いイメージがあるのですが、藤堂平助は、おそらく年相応の若々しい青年であったろうと思うのです。
しかも、新選組の中でも、なかなか美男だったか。

闘いの時に、真っ先に突撃するので、「魁(さきがけ)先生」と呼ばれていたそうです。
小柄で、機敏に動き回る剣士だったのだろうと、想像します。
尊皇攘夷の思想を、しっかり持っていたと言いますし、きっと聡明でもあったのかな。

そんな藤堂ですが、もとの師であった伊東甲子太郎について、新選組を後にし、御陵衛士となった辺りから、悲劇へとまっしぐらに進むことになってしまいます。
新選組から分派した伊東は、ひそかに近藤の暗殺を企んだらしい。
けれど、すでに土方の命で(おそらく)、スパイとして、伊東のもとに入り込んでいた斎藤一が、そのことを告げに戻ってきます。

こうなると、新選組としては、伊東一派を斃すしかない。
なんとも陰惨な、油小路事件へと繋がります。
先に呼び出した伊東甲子太郎を殺し、その遺骸を油小路に放置し、駆けつけた御陵衛士たちを襲うと言う、やりきれない事件です。
この時、藤堂の将来を惜しんだ近藤は、永倉に「藤堂だけは助けろ」と命じていたとか。
それに従い、永倉は藤堂を逃がそうとしたのですが、事情を知らなかった新入隊士により、藤堂は無残な死を遂げることになってしまいます。

この油小路の闘いに、沖田がいたのかどうかは、ちょっとさだかではない。
すでに、病気がだいぶ進んでいたのではないかとも思うので。
いずれにせよ、試衛館時代からの友を、また一人失ったことには変わりありません。
運命の冷徹さを、沖田はどう思ったことでしょう。

まだ悲劇が起こる前の、二人の複雑な別れの場面を、書いてみたいと思いました。
この八ヶ月ほど後には、油小路事件が起き、藤堂は命を落とすのですが、そんな運命は、この時の二人は知らない・・・

拙いものですが、読んで頂けたら、とても嬉しいですm(__)m


                                 管理人  翠蓮


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