翼の記憶



こんなふうに
晴れた冬の日


風の冷たさより
陽射しの暖かさが
ほんの少しでも勝っていると


それだけで
なんだかシアワセな
気持ちになれる


キミの笑顔が
明るい声が
さりげないやさしさが


わたしを包む
ほわほわの
真っ白い
翼に思えてくる


ねえ
この世に生まれ出た時も
こんな穏やかなぬくもりに
くるまれていたのかな


誰もが
祝福と言う両腕に
抱き取られて来たのかな


人ってみんな
ひとりのはずなのに


でも
ひとりじゃない


そんな気にさせてくれる
淡いひととき


キミのまなざしが
ふっとなごむ


ひとりでも歩けるよ
だってほら


みんなひとりで
がんばって
歩いているんだもの


周りを見渡したら
それぞれの道を歩く
たくさんの誰かがいるよ


暖かなキミの翼は
わたしにそう教えてくれる


どれほど
風に吹きさらされても
まっすぐな陽射しは
どこにも逃げない


顔を上げれば
いつでも照らしてくれる


わたしの目の前の道を


これからもずっと
歩き続ける道を


ねえ
キミは
どこへ行くのだろう


わたしは
どこへ辿り着くのかな


答えの代わりに
空がまた
青さを増した


こんな晴れた冬の日
キリッと澄んだ空気の中


わたしはきっと
何度でも思い出し


そして
何度でも頷き
抱きしめるだろう


キミが教えてくれた
翼の記憶を

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