道しるべ

                           ― 星《The Star》―


砂漠に迷う旅人よ


さあ顔をあげて
その目で探しなさい
北天の星を


流砂に足をとられ
倒れこむ時


指先はむなしく砂を掴み
耳元には風のうなりを聞き
乾いた唇に祈りの声も失せ


潤いに満ちた
オアシスへの憧れは
あなたの意識から
遠ざかろうとする


絶望は
甘美な眠りで
あなたを虚無に誘うけれど


あきらめないで
顔をあげて


沈み行く足元を嘆くより
天上に広がる 無限に気づきなさい


どんな闇の中にも
星は生まれ瞬く


あなたが逃げることなく
ひたむきに探せば
運命の星は視線の先


冴え渡る瞳のように
煌きを放つはず


それこそが希望
不安をはらす ひとすじの光


瞳を据えて
一歩
また一歩


ひるまずに
目の前の砂丘を越えなさい


すべての力を
振り絞りなさい


傾く空に
星の導きが薄れ行く頃


歩き疲れたあなたの目に
どれほど美しく映ることでしょう


新しい夜明けに浮かぶ
街のシルエットが


たどり着いた
その地のぬくもりを


刻み続けた足跡を


今こそ
誇りに思いなさい