Soloist



その心を解放する空
その心に満ちて行く海
その心に射し込む光


すべてを映し出し
あなたは歌う


その心を騒がせる風
その心に伝い降る雨
その心に咲き初むる花


すべてを震わせ
あなたは歌う


ただひとり
強い意志の如く
目を閉じて


その心に湧く涙も
その心を凍らす嘘も
その心を揺さ振る運命も


あなたは
ひといきに飲み干し
全身に駆け巡らせ


激しく美しい熱として
昇華させながら
歌う


天の楽園にまでも
届けとばかり
高らかに


細い指先に力をこめ
手繰り寄せるのは
果てなき憧れか


想いは奔流となり
時にゆるやかに変わり
切なさに澱み
あるいは逆巻き


いつしか孤独の水底に
沈むことをも怖れず


ただひたむきに
あなたは願い
欲するのだろう


どうか


どうかこのまま
歌い続けさせて


時空(とき)のかなたに漂う
真の魂を
呼び寄せるために


心を弱め
押しつぶそうとする
虚無や不安や絶望を


暁の扉の奥深く
封印するために


湧き出でる歓喜を
妙なる調べに
刻み付けるために


どうか


わたしに
歌い続けさせて



それは
己の存在を賭けた
祈り


聞く者の胸に
奇跡の芽生えを宿す
歌声


そう
きっと
わたしも望むだろう


いつまでも
この歌を聴いていたいと


永遠と言う響きを
藍色の宇宙(そら)に
奏でて魅せる人


未知なるこころの波動を
解き放たれ
人々は歌声に酔う


喝采の星屑
月光のスポットライト


ただひとり
立ち尽くす
銀色のSoloist


その頭上に
眩きミューズの祝福
無限に
降り注がんことを



Soloist ・・・・・・ 独奏者、独唱者 
   ミューズ・・・・・芸術を司る女神の一人

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