戦  神

                     〜長坂坡〜



我をさえぎるなかれ


我が槍は一筋の閃光
その胸を紅に貫かん


我が馬は一陣の疾風
草をなぎ倒す如く駆け抜けん


濛々たる土煙あげ
押し寄せたる無数の刃とて
怖るるに足らず


嘆きのうちに
かすかな光明のみ我に託し


深き底へと沈める
美しき御方の最期の望み
叶えずにいられようか


たとえ
この身が修羅となろうとも


前へ 前へ
力の限り進むのみ


我をさえぎるなかれ


我が行く手阻む者
すべて討ち果たさん


思いはただひとつ


胸に抱きたる珠のいのち
必ずや君主(きみ)のもとへ