落   葉



枯れ行く木の葉を
雨が打つ


ひたひたと
まるで氷のしずく


凍えて木の葉は
かじかんだまま
その手を離す


力なく落ちて行く


誰かの手に拾われるより
誰かの靴に踏まれる運命
たぶん


濡れてこぼれた葉は
風に運ばれることすら
ままならない


ひたひたと
せつなく痛い雨の音


けれど
それはどうしようもないこと


そんな季節が
巡って来ただけなのだよ、と


もう
役目は終えたのだから、と


枯れ葉は
ほほ笑むように揺れ


そして また


はらりと
落ちて行く


雨に押されて
地に張り付く


ささやかな満足は
ほんの少し寂しいから


きゅんと
胸にしみるから


せめてひととき
見守っていよう


眠りにつく木の葉たちの
静かな姿を


おやすみ
信じているからね


また新しい季節に
新しいきれいな緑となって


あの枝先で
笑ってくれることを