光の鯨



とろりと青い
空と海の 真ん中に


たくさんの陽射しが
舞い下り 集まって


ハレーション!


まるで
大きな 鯨の影が
きらきら
発光しているみたい


広がって行く


寄せて来る


ぴちぴちと 目を射る
トビウオの波


水面下に
ゆったりと君臨する
海の王者のように


眠る青を
ゆうゆうと かき分けて


どこへ 行くのだろう


その 輝く背中の向こうに
幻の王国が
見える気がして


手をかざしたまま


人魚になれない私は
うっとりと見惚れていた


黄金にゆらめく
光の鯨