無  双



我が力
天下にならぶもの無し


我はただ
目の前に立ちふさがりし者を
倒して行くのみ


それが何のためか
どこへ向かう道なのか


考えるより早く
我は走り出す


先のことなど
わからずともよい


迷い疑い生ずれば
立ち止まるしかないだろう


光が見えて
走っているのではないのだ


無我夢中で走り続けるうちに
どこか光あたる場所へ
出られると信じて


たぎる血のままに疾駆し
怒りのような戟で
敵をなぎ払う


天から与えられし力なれば
それを使うは天の意思


行け赤兎馬
思う存分駆けよ


おまえだけが
この胸に湧き上がる激情を
旋風に変えてくれる


怒涛のような敵のただなかへも
怖れることなく
我を運んで行く頼もしき相棒


赤き稲妻にも似た
誇り高き野生の王者


赤兎馬よ


おまえとともに天駆け
今こそ我は
無双の名をほしいままにしよう