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4月、新しい生活をスタートさせる方もいらっしゃることでしょう。
新学期、新年度、新生活・・・最近は、あまり縁のない言葉となってしまいましたが(笑)、振り返ってみると、どれも不安と期待で落ち着かなかったことを、思い出しました。

人生の中で、きっと何度か巡ってくる、新しい始まりの月。
みなさんが、一番記憶に残っているのは、どんな4月でしょう。
私は、やはり初めて社会人として、仕事についた4月かな(^^;
まったく何もわからず、本当に仕事を始めるのだと言う覚悟も、どれほどあったか知れぬままに迎えた、新しい4月。
ちょうど、初めての一人暮らしとも重なり、すべてがそれまでとまったく違う生活になりました。

一人暮らしの始まりは、わくわくの方が大きかったなあ(笑)
殺風景な部屋に、少しずつささやかな家具が増える喜び。
デパート等のインテリアコーナーを見て回る楽しさを、覚えました。
もっともそれは、小さなガラスのテーブルとか、木製の椅子とか、ホントにささやかなのですが(笑)
一人きりの暮らし。今だったら、とてつもなく寂しく思えるかもしれませんが、あの頃は若さゆえか、何もかもが新鮮で、楽しかったのです。

それに反して仕事は・・・実に、実に不安だらけ(^^;
今の若い人は、きっともっとしっかりしているのでしょうが、あの頃の私は、まったく現実性がなく、頼りなく、世間知らずでした。
本当に自分がしたい仕事はどんな仕事なのかも、よく考えないまま、運よく決まった仕事に飛び込んでしまいましたから。
当然、覚悟も準備も予備知識も、皆無なわけです(自慢にならないなあ)
もっとも、すべての仕事は、実際にその場に入り込んで始めてみないと、何もわからないのだと言うことは、この年になって、さらにひしひしと実感しているわけですが(笑)

初めての職場では、まさに右往左往、と言った感じ。
先輩たちに教えられるまま、おろおろと動いていただけでした。
わからない、難しい、不安だ・・・そんな思いで心はいっぱい。
そんな情けない気持ちと裏腹に、あの時の春の美しさは、なぜかとても印象に残っているのです。
通勤電車の中から見た満開の桜、そして電車を降り、駅から歩いて行く途中の道沿いに咲いていた桜。
うららかな青い空、穏やかなそよ風、のどかな風景。
都会ではなかったので、自然もたくさん残っていて、とても美しい春だったことを覚えています。

不思議なもので、あの頃、職場でどんなことから始めて、どんなふうに仕事をしていったかは、ほとんど覚えていず、美しい春の風景だけが、切ないような懐かしさと相まって、いまだに鮮やかに記憶に残っているのです。
それより前にも、後にも、きっと美しい春をたくさん見ているはずですが、「春」と聞いて、一番思い出すのは、やはり仕事を始めた年の春です。

あれから、信じられないくらい時は流れました。
年だけは重ねても、あまり精神的な成長はないようです(笑)
今年も桜をはじめ、春の花が美しく咲き、空は澄む、穏やかな季節。
4月になったとは言え、特に仕事上も変化はなく、平凡な日々がただ過ぎて行きますヽ(´ー`)ノ
変化がないのも、まあ、悪くはないかな、なぁんて考えはネガティブなのでしょうけれど、それは仕方ない(笑)
せめて、春の美しさをのんびりと味わいたいと思います。

さて、みなさんの中で、一番思い出に残っている4月は?



平成20年4月1日
                                                          
涼   
  
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