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先月のことです。
外出から帰ってきた母が、いきなり、「玄関に鏡を飾ろう」などと言い出したのです。
いったい何事?と聞いてみたら、どうやら知り合いの人から、「玄関の左側に丸い鏡を飾るといい」と聞いてきたらしい(-"-;)
それも「丸い鏡で、周りが金色になっているのがいいんだって」と・・・
そんなの都合よくあるの?(^^;
でも、玄関から入ってくる悪運を祓う、とか、金運上昇〜!とか言われてしまうと、そりゃ「ちょっといいかも」と思ってしまうではないですか(笑)

意志薄弱な私は、「運がよくなるなら」とお気軽に考えてしまい、さっそくネットで探してみました。
驚きました、けっこうあるものなのですね、いわゆる風水鏡と言うタイプ。
でも、ほとんど八角形の鏡ばかり。周りは確かに金色のメッキにはなっているのですが。
説明を見ると、まさに「玄関に飾れば、運気上昇」みたいな宣伝文句(^^;
まん丸と言うのも、いくつかみつかったけれど、どうも八角形の風水鏡の方が効果ありそうな気がしないでもない(笑)
で、母に確認。「まん丸でなきゃだめなの?」
母いわく「丸がいいんだって。だから丸!」
ふぅん、じゃ、まあいいや。と言うわけで、まん丸の鏡を注文しました。
周りに金色はないのですが、四つ葉のクローバーの模様で、ぐるっと飾られていて、なかなかオシャレです。
考えてみたら、玄関入っていきなり、いかにも「金運上昇願望〜!」みたいな鏡よりは、この方が自然に見えるかも(^^;

こうして、うちの狭〜い玄関の左側の壁に、丸い鏡がかかりました。
今のところ、何も変化なし。って当たり前ですよね〜(笑)
でも、出かける前や、帰ってきた時に、ふと鏡をのぞいてみたりします。
鏡って、考えたらすごく不思議だと思いませんか?
自分の顔を、唯一映すことのできるもの。
でも、それでいて、そこに映っているのが、本当に周りから見えている、自分と言う姿と同じなのかは、わからない。
ほら、鏡って反転するじゃないですか。だから、見えている自分も、反転した姿なのですよね。
そう思うと、不思議です。本当に本当の自分の姿って、自分では見られないのだな、って。
わかっていても、やはり鏡しか自分を見るすべはないので、つい見てしまいますが(^^;

以前読んだ本に載っていた言葉なのですが、「自惚れ鏡(うぬぼれかがみ)」と言うものがあるそうです。
実際の自分より、きれいに見える鏡のことだそうです。
そう言われれば確かに、かかっている場所によるのか、何かの光線の具合か、鏡によって、なんとなく「いつもよりいい感じ」と映って見えたり、「わっ、ひどい顔(-"-;)」と見えたりすることがありますよね。
良く映してくれる鏡が、自惚れ鏡なのですね。
人は気持ちの持ちようによって、態度や行動にも影響することがある。だとしたら、どうせ見るなら「うわ、やな顔」と思うより「あらま、けっこういいんじゃない」と思えた方が、幸せなのかもしれません。

童話「白雪姫」の中で、白雪姫の継母の魔女が言う有名なセリフ「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだぁれ?」
あの魔女が覗いていた鏡は、きっと自惚れ鏡だったのでしょうね。
ただし、白雪姫が現れるまでは(^^;
実は正直だった(?)鏡の「世界で一番美しいのは、それは白雪姫」の一言で、地獄に突き落とされてしまう魔女。
これも、女心の切なさ?・・・などと思うほど、生易しくも、しおらしくもない魔女は、さっさと白雪姫暗殺に乗り出すのですが(^^;
鏡の言葉を、もっと違うふうに受け止められたなら。
たとえば「あら、じゃもっと努力しなくちゃ」と前向きになるとか、「年なんだから仕方ないわ」とあきらめるとか(笑)、「いい年齢を重ねたと思えばいいわ」と大人になるとか。
ん〜、でもそれだと、主役は素敵な熟女の魔女さん、てなことになっちゃいますね(笑)

そう言えば、話は脱線しますが、子供の頃童話を読んだ時も、白雪姫と言うのは、どうも私にはあまり魅力的には思えませんでした(^^;
人よりずばぬけてきれいだ、と言うだけで、周りが勝手に騒ぎ、殺されそうになったり、助けられたり。本人、流されていただけみたい、と言う気がしてしまって。
童話の中で、断然好きだったのは、「人魚姫」でしたねえ。
人間の王子に恋をし、人魚としての穏やかな日常すべてを捨て、声もなくし、足の痛みに耐えても、王子の側にいたいと願う。
それほどのひたむき恋も、あえなく破れ、海の泡になり・・・とても哀しい運命だけれど、紛れもなく、人魚姫は自分の選んだ人生を生きたと言う気がしました。
もっとも男性を見る目は、いまいちだったようですねえ(^^;
おっとと、すみません、脱線しすぎですm(__)m

さて、鏡に話を戻して・・・
他人事でなく、年と共に、鏡を見ると自然にため息、と言うことが増えてくる今日この頃ヽ(´・`)ノ
鏡の中に、「よし!」と思える自分の顔を見るためには、何かと努力が必要にもなるのですが(笑)、それでもきっと、見ないよりは見た方がいいのでしょうね。
しっかり見て、少しでもいい顔でいられるようにする。
そんな前向きのために、鏡を使いたいものです。

さて、うちの玄関のまん丸鏡、はたして自惚れ鏡になって、いい運気を呼んでくれるでしょうか。
いえいえ、私次第ですね(^^;
みなさんは、よく鏡を見ますか? いい顔が映っていますか?


平成19年8月1日


涼      

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