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3月・・・

そろそろ春だなあと実感できる日が増えてきたように思います。
昨年はとにかく天災が多かった。
そんな中でヒットしていた平原綾香さんの「Jupiter」。
おおらかなメロディーや祈りをこめたような歌詞に希望をもらった人も多いのではないでしょうか。

この歌を耳にした時、「あれ、この曲木星じゃない!」と、なんだかうれしくなったものでした。
すでにご存知かと思いますが、この原曲はクラシックの名曲、ホルストが作曲した組曲「惑星」の中の一曲、「木星」の一部です。
あまりクラシックに詳しくはない私が、とにかく大好き!と言える数少ない曲のひとつ(笑)
初めて「木星」を耳にしたのは、高校の時でした。
その頃、ちょうどブラスバンド部が定期演奏会で演奏していたのを聴いて感動したものでした。
なんて壮大で変化に満ちた、わくわくするような曲!
さっそくレコードを買いました。これまたあの頃私が持っていた数少ないクラシック盤のひとつです。

組曲「惑星」。レコードジャケットの表に木星(いや、土星だったかなあ?)の写真がどーんと載ったそのレコードは、私の宝物でした。
この組曲は、火星、金星、水星、木星、土星、天王星、海王星の7曲から構成されています。冥王星が入っていないのは、作曲当時まだ発見されていなかったからだのこと。
それぞれ副題もついており、さらにイメージを広げてくれます。

「火星 ― 戦争の神」、まさに戦いを表すような激しくて壮絶な感じの曲です。地鳴りのようなリズムや、まるで業火を思わせるような金管の響き。荒々しい戦いの神が降臨したような強烈な音の奔流に、呆然と聞き入ってしまいます。とにかく迫力満点!
「木星」と並んで、演奏会などでは人気の曲ではないでしょうか。

「金星 ― 平和の神」、打って変わって、静寂の世界。澄んだ空に希望の光を投げる美しい明星を見ている気分になります。どちらかと言うと、夜明け間近の少しずつ明るくなってくる空を、私は思い浮かべます。金星=ビーナスと言うように、美しい女性のイメージも・・・

「水星 ― 翼を持った使いの神」、かわいいキューピッドをイメージしてしまうような、軽快なスピード感を持った曲。すいすい、と空を駆ける白い翼が目に浮かびます。この組曲の中では一番短い曲です。

「木星 ― 快楽の神」、明るさと力強さに溢れたダイナミックな曲。
気分を高揚させるような朗らかなメロディーが鳴るかと思えば、一転「Jupiter」のもととなった部分のように穏やかな祝福に満ちたメロディーに変わる。全体に堂々とした、おおらかで陽気な神を思わせる曲の構成となっています。
たぶん、組曲「惑星」と聞いて、まずこの「木星」のメロディーを思い浮かべると言う人、多いのではないかなあ。

「土星 ― 老年の神」、この曲を占めているのは、寂しさ、孤独と言う雰囲気。メロディーも全体的に哀しげです。老年を表すイメージがこうなのかと思うと、ちょっとめげますが(^^;

「天王星 ― 魔法の神」、ちょっと風変わりでユーモラスな曲、と私は捉えています。ここで登場する魔法の神は、決して悪い魔法は使わないのではないか、と(笑)
むしろ、発明者とか錬金術師みたいなイメージを私は持っています。

「海王星 ― 神秘の神」、遠くまるで霞のようにぼんやりした光を見ているような、とらえどころのない曲。なんとなくオーロラのイメージもあったりするのですが(^^;
最後の方で聞こえてくる女性合唱が、なんとも神秘的な永遠の歌声のように聞こえます。

以上、私なりの組曲「惑星」の感想、でした(笑)
今はプレーヤーが壊れたために、残念ながら昔買ったレコードを聞くことができません。
じゃCDを、と思い探しましたが、あの時と同じものはなく、仕方なしに別の指揮者、オーケストラの演奏のを買ったのですが。昔聞いたままのイメージとは、微妙に違うような気がするのですね、これが(^^;
でも、ともあれ組曲「惑星」は、私の大好きな曲であることは間違いありません。
春の夜・・・私たちの地球の兄弟星とも言える惑星たちに、思いを馳せてみるのも、ちょっといいかもしれないですね。



平成17年3月1日
                                                        
涼    
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