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10月・・・

秋もこれからますます深まってきます。
秋にしてみたいことも、いろいろあるけれど。とりあえず、手っ取り早いところで「読書の秋」かな(笑)

先月は、ものすごい前評判で売り出された『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』に、すっかり頭の中を占領されてしまいました(^^;
最初の頃は、楽しくて夢と冒険のファンタジーとばかり思っていたハリポタも、巻が進むにつれて、だんだん深刻なストーリーとなってきて、今回の「不死鳥の騎士団」に至っては、出だしからいきなりダークな世界に引き込まれた感がありますが・・・

さて、今日はハリポタではなく、実はそのもっと前に読もうと思って買っておきながら、そのままになっていた1冊について。
確か7月初めでした。
刊行を知って「これは絶対読まなきゃ」と即買ったのだけど(^^;
夏の忙しさで、それどころではなくなっていました。
京極夏彦さんの『百器徒然袋―風』。
これは以前に『百器徒然袋―雨』と言うのが出ていますから、いわゆるシリーズものです。

ファンの方には、今更説明も無用かとは思いますが(^^;
京極さんと言えば、「京極堂」と呼ばれる、古本屋にして陰陽師である中禅寺氏が憑き物を落として事件を解決するシリーズが人気です。
主な登場人物(お馴染みのメンバー)は、上記の京極堂の他に、作家の関口、財閥の御曹司で探偵の榎木津、刑事の木場。
個性豊か、と言うにはあまりに強烈な個性の持ち主ばかりな気もしますが(^^;
この4人の組み合わせは一見ちぐはぐでありながら、実は最強であり、それぞれが自分の持ち味を発揮しながら、おどろおどろしくも複雑な事件を見事に解決して行きます。

『百器徒然袋』は、その番外編と言ったところの短編集です。
ですから、本編でお馴染みのメンバーがぞろっと出てくる(笑)
ただし、ここでの主役は京極堂ではなく、探偵の榎木津です。
外見は誰もが見惚れるほど眉目秀麗でありながら、その言動は奇天烈で破壊的、常に周りをめちゃくちゃに振り回す(^^;
たぶん本編でも極めて人気が高いのであろう、この探偵氏が主役の短編となれば、ファン垂涎。読まなきゃね、ってところです。

京極さんの本編の小説は、とにかく長い、本が重い(笑)
独特の雰囲気だし(表紙も怖いし)、内容も複雑に入り組んでいて、読み応えがありすぎ?(^^;
それに比べると、この短編はかなり気楽に読めます。
でも謎はしっかりあって(おまけに京極堂氏のうんちくもいつも通りあって)、最後にどんでん返しのような真実が見えてくる。
そして、とにかく笑える! しかも快刀乱麻(?)に犯人をやっつける榎木津の痛快なこと。
いつもはちと暗めな京極堂氏も、ここではむしろ楽しんで事件に顔を突っ込んでくる感じ。榎木津、京極堂の絶妙なコンビネーションに、本編とは違った可笑しさが堪能できます。
1冊目の『百器徒然袋―雨』でも、思いきり爆笑させて頂いた私としては、このシリーズ化は嬉しい限りです。

と言うわけで、今読み始めているところなのですが。
まずはその本の帯に書かれていたことを読んで、仰天してしまいました。
なんと、京極さんの本編の1作目『姑獲鳥(うぶめ)の夏』の映画化が決まっているとか(^^;
情報に寄れば、京極堂には堤真一さん、榎木津には阿部寛さん、関口に永瀬正敏さん、木場に宮迫博之さんだそうです。
この本編の映画化は、まず叶わないだろうと思っていた私は、とにかくもうびっくり!
えっ、映画になんてできるの? どんなふうになるのだろう?と・・・
どうやら来年の夏にロードショーらしいので、わくわくしながら待つのみですが。
おっと、それでは真面目に、本に取り組むことにします(笑)
みなさんは、この秋にどんな本を読むのでしょう?


平成16年10月1日
                                                        
涼    

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