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弥生3月・・・


その季節になると、なぜか思い出す歌と言うのがあります。
たとえば、クリスマスになると街角に山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れるように。
自分の中ではこの季節にはこれがスタンダードだ、と思える歌が誰にでもあるのかもしれません。

3月、この時期のマイ・スタンダードは・・・やはりユーミンが作った「卒業写真」。ハイ・ファイ・セットが歌っていたバージョンが好きでした。
すみません、すっごく古いですね(笑)
実際に自分が体験した卒業式は、もうはるか記憶の彼方ではありますが。
あちこちで卒業式と言う声を聞くと、どこか心の隅で「卒業写真」の歌がプレイバックして来ます。
なつかしい、切なさ甘さと共に。

きらきらした春の陽射しや、制服で歩いた通学路や、下校時間の校庭のざわめき、校門の前にあった大きな銀杏の樹、部活の薄暗い部屋、友達とのおしゃべり、好きな男の子の噂、夕暮れの街角など・・・
そう、「卒業」と言う言葉のイメージで、一番印象に残っているのは高校時代なんです。
古い映画の1シーンのように思い出され、そうすると歌の歌詞のように「人ごみに流されて変わって」しまったのかもしれない自分をも振りかえり、なにやら甘酸っぱいような寂しさをも味わったりして。

特別すばらしい出来事があったわけでもなく、ごく平凡な高校生活で、卒業アルバムに写っている自分もなんだか冴えないんだけど(笑)
それでも、あの頃を振り返ると、不思議にまぶしい光に彩られたような気持ちになります。
それはたぶん、淡い可能性のようなものだったのかもしれない。
先の見えない不安と共に、何かが起こるかもしれない、何かが始まるかもしれないと思える、そんな可能性・・・

今はだいぶ失ったしまったようです(笑)
私には、残念ながら「卒業写真の面影」そのままで、「やさしく叱って」くれる人はいないですし(^^;
いえ、もしかするとその人は、自分の中で守り続けたいと思う、あの頃のピュアな気持ちの分身なのかもしれない。
そんなことを考えながら、ふと古いカセットテープでも引っ張り出してみたくなったりする今日この頃・・・

みなさんの「卒業写真」には、どんな自分が、どんな思い出が写っているのでしょう?



平成16年3月1日
                                                        
涼    


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