迷子の星
今夜の空は
ぼんやりと
くすむような鈍色
ゆるゆると重なり合う
雲の波間
こんな夜は
星たちも
迷子になっていないかしら
まわりの仲間が
見えなくて
地上の灯りも
見えなくて
うろうろ
とまどってはいないかしら
振り仰ぐと
ぽつっ ぽつっ、
小さなしずくが頬に
まるで
はぐれた星たちが
泣きべそをかいているよう
だいじょうぶ
ここにいるよ
たとえ見えなくても
ずっとここから
あなたたちを
呼んでいるよ
![]()
想いをこめて
雲の彼方に
目をこらす
この気紛れな雨が
どうか
明日は上がりますように
小さな星たちが
迷うことなく
にこにこと
輝けますように