LYRA(琴座)



誰がつま弾くのだろう
あの天空の竪琴は


ひときわ煌く
ダイヤモンドを飾り付け


さあ手にとって、と
弦を張りつめ


愛しい人への調べを
奏でる時を


ひそやかに
待ちわびている


天の彼方から降り注ぐ
星のつぶやきを
 
 
銀の絃の五線譜に
並べて綴り


そっと口ずさむのは
誰なのだろう


ときめきながら
漂いながら


竪琴は傾き
夜も傾き
風さえ眠りにおちる頃

通りすがりの流れ星が
ぽろんとひとつ


弦をはじいて
あわてて消えた


ああ とてもいい音色だね


天の川のあちらとこちら
2羽の鳥たちがささやいた


誰かあの竪琴を
手にとっておくれ


天上の音楽を
もっと聞きたいのだから


  夜の静寂(しじま)が
薄れる前に


夢路の扉が
閉ざされてしまう前に  


もう一度


星の竪琴を
 かき鳴らしておくれ