境 界



光の向こうには影


金色に照り映える水面に
降り立たんとする
紫紺の気配


光は
まだ衰えはしない


けれど
支配者の杖は
すでに闇へと傾き


いつしか


音もなく
すりかわるであろう
光と影の境界線


少しずつ


吸い取られるように
弱められて行く
金色の光


それは まるで
鎮魂の静けさ


刹那に
瞳を震わせ


薄れ行く残照を
心に焼き付ける


再び蘇る明日へと
記憶を繋ぐため


光の向こうには影


悠々と
時を待っている


ひそやかな
夜の使者




(壁紙素材)