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  石ころ 〜 涙 〜



哀しい時は


涙を流してしまう方が
いいのかもしれない


こらえた涙は
しくしく
こころの壁を伝って


ちゃぷちゃぷ
こころの奥底に流れ着いて


しょっぱい水たまりをつくる


それでも留まらずに
ひたひたと


こころのあちこちに
小さくぶつかりながら
揺れ続けている


やがて


水が乾いていくと
取り残されるのは


涙より固くて
涙ほど透き通ってない
小さな石ころ


すべすべと
手のひらに納まるほどの
石ころに


気づいたとたん
ちりりと
胸のどこかが痛みだす


こらえたはずの
まぶたの熱さを思い出す
 
 
そうだね


上手に泣けたなら
もっと楽になるのかな


こんなふうに
ためこまなくてすむのかな


こころの中には


透明になりきれない
しょっぱい石ころが


きっといくつも
ころがっている

(壁紙素材)