春告げ鳥



空の青を
いっそうひき立てるように


どこかで
春告げ鳥が鳴いている


陽射しのぬくもりに
誘われたように


遠く近く
澄んださえずりが
響き渡る


なんて
軽やかな


なんて
楽しげな
                                                     
どんなに
冬が後ろ髪ひいても


季節の暦は
前へ前へと進んで行くことを


小さな翼の使者は
姿を見せないまま
教えてくれる


春だよ

そう 春だね


花も風も緑も
きっと
頷きながら聞き惚れる


もっと
歌っておくれ


冴え冴えと
晴ればれと


足を止め耳をすませば
応えるように
もうひと声


空よ 透き通れ
春告げ鳥の歌声に